受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校File

(「22年1月号」より転載/21年12月公開)

光塩女子学院
中等科・高等科

所在地:〒166-0003 東京都杉並区高円寺南2-33−28
東京メトロ丸ノ内線「東高円寺」駅より徒歩7分、同「新高円寺」駅より徒歩10分、JR「高円寺」駅より徒歩12分
TEL:03-3315-1911
www.koen-ejh.ed.jp

少人数制で細やかに手厚く大切に
今も未来も輝く女子を育てる

 スペイン発祥の「ベリス・メルセス宣教修道女会」を設立母体に、1931年に創立した光塩女子学院。90周年を迎えた伝統校は「地の塩、世の光」である生徒一人ひとりを大切に、自己肯定感を育てる教育を重視しています。少人数制で、学習面も生活面もきめ細かくサポートし、生徒それぞれの自己実現を手厚く支援する同校の教育について、校長の佐野摩美先生に伺いました。

カトリックの教えの下で育む
自己肯定感と多様性

校長 佐野摩美 先生

広野 最初に建学の精神をご紹介いただけますか。

佐野 本校は創立90周年を迎えたミッションスクールで、建学の精神は「地の塩、世の光」です。光はみずからの身を溶かしながら周囲を照らす「ろうそく」を表し、塩はみずから溶けて味を付け、防腐剤などになるはたらきを示しています。「あなた方は地の塩である。あなた方は世の光である」という聖書のことばは、存在そのものとして「地の塩、世の光」であり、誰もが神様に創られた、かけがえのない存在であるというメッセージでもあります。本校ではこうしたカトリックの教えの下、「あなたはあなたのままでいい」「そのままのあなたがすばらしい」と実感できる自己肯定感を育んでいます。

広野 カトリックの精神がすべての教育の根幹になっているのですね。宗教教育にも力を入れているのですか。

佐野 毎日のお祈りと、始業式、終業式、クリスマスの全校ミサ以外に宗教行事はありませんが、中等科では倫理の授業を通じてカトリックの精神を学びます。概念としての宗教ではなく、現代社会と連動した宗教教育になるよう、たとえば施設訪問や物資援助などのボランティア活動をするといった取り組みをしています。

広野 カトリックの多くの学校がそうであるように、貴校でも宗教色は強くないのですね。

佐野 はい。本校では、一人ひとりが神様に創られたかけがえのない存在であることを大切に、生徒それぞれの夢の実現を後押ししてきました。現在は、教育理念に「SALT」(Sustainability=持続可能性-環境問題、Ambition=大志-夢の実現、Lux Veritatis=真理の光-学問探究、Tolerance=寛容-多様性)を掲げ、建学の精神のサブテーマとして実践しています。

 何よりも重視しているのは、環境問題を含めて世界や社会につながりながら自分の力を発揮すること、自分の夢を持つこと、夢を実現するための準備としてしっかり学ぶこと、他者と共生・協働していくこと。生徒それぞれの本領の種を中高時代に見つけ、耕して、力をつけて、将来はその力を発揮して人のために喜んで生きることができる、そんな人生を歩んでほしいと考えています。

共同担任制で多角的に指導
学習面は基礎の徹底を重視

広野 少人数制で、ていねいな教育にも定評があります。

佐野 1学年の人数が150名程度と少なく、学年全体を6〜7名の教員が受け持つ共同担任制をとっています。性別、年代がさまざまな担任がいることで、自分と相性の良い先生を見つけられますし、一人の生徒を複数の教員が多角的に見ることで、よりていねいにかかわることができます。生徒の様子をクラスの枠を超えて学年全体でしっかり見て、行き届いた関係が構築できるのは本校の最大の特色です。

広野 共同担任制はおもしろいですね。行き届いたサポートができるのがよくわかります。学習面はいかがですか。

佐野 何よりも基礎の徹底を重視しています。たとえば、創立当初から力を注いできた英語では、隔週土曜日に単語テストを実施。範囲を指定した小テストですが、6年間続けてやりとげることで大きな力になります。

広野 基本的な単語や構文を身につけることは、英語を学ぶ最初の一歩になります。英語の教育については、ほかにどんな特徴がありますか。

佐野 英語の教科書は数年前から『NEW TREASURE』を使用し、時事問題を通じて今につながる英語力や、4技能を中心にしたアクティブな英語力を鍛えています。授業ではグループディスカッションなど実践的な学びを展開しているほか、中3までに準2級、高2までに2級取得を目標に英検®受検を奨励。高1・2では希望者を対象に外国人と交流し、コミュニケーション力を高める「エンパワーメントプログラム」を実施しています。また、同じく高1・2が対象のオーストラリア短期研修は現在、コロナの影響で休止していますが、オンラインで海外の大学生と交流するなど、ネイティブとコミュニケーションする機会を設けています。

広野 授業はもちろん、それ以外でも、英語力を伸ばす工夫がありますね。理数教育はいかがですか。

佐野 近年は理系志望の生徒が増え、文系でも大学で経済学や経営学を学ぶ生徒が少なくないため、理数教育には力を入れています。文系・理系どちらに進むにしても数学の概念をつかんでおくことが大事なので、高2までは「数学Ⅱ」「数学B」を全員必修で学習します。あわせて、高2の必修科目に「教養演習」と題した文理横断型の授業を導入。ジェンダーや生命倫理、異文化理解などについて学び、文理の枠を超えた教養のベースをしっかりつくっています。

広野 理数科目に苦手意識を持たないよう工夫していることはありますか。

佐野 数学や理科を楽しむことを目的に、校内コンテストを開催するなど、理数科目にネガティブなイメージやコンプレックスを持たないよう工夫してきました。楽しみながら力を伸ばす機会をさまざまに提供しています。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

知的好奇心あふれる生徒たちは、授業や特別講座を通じて夢の実現に向かい歩みを進めます

自然光が差し込む校舎で、生徒たちは伸び伸びと生活しています

探究や特別講座で深く学び
夢の実現につなげる

サピックス小学部 教育情報センター部長
広野 雅明

広野 学習面では探究にも力を入れていると聞いています。

佐野 自分で考える姿勢を中高時代にしっかり身につけてほしいので、探究による学びを重視しています。各教科の授業に探究の要素を取り入れているほか、各自がテーマを設定して研究しプレゼンまで行う「探究チャレンジ」などを実施。コロナ禍で活動に制限がかかった2020年からは、夏休みに「TANUKIレポートコンテスト」と題したコンテストを校長発信の思考の道場として開催しています。

広野 コロナ禍では、多くの人が物事をしっかり考える大切さを実感したと思います。みんなで考える機会は大事ですね。

佐野 正解のない時代だからこそ、自問自答し、他者と協働しながら思考・探究するプロセスは非常に重要です。知的探究心を掘り起こし、発展させるため、探究活動とは別に、週に1時間の「特別講座」も実施しています。プログラミングや数学力、近代文語文、伝統舞踊など多彩な講座を用意し、生徒は希望する講座で楽しみながら思考を深めます。

広野 大学の進学実績も安定しています。進路指導の方針を教えてください。

佐野 生徒の夢を実現することがいちばん大事なので、「○○大学に行きなさい」といった指導は一切していません。実際、国公立大学の後期試験や私立大学の3月試験まであきらめずに受験する生徒も少なくありませんし、教員も最後まで手厚く個別指導を行います。中等科からキャリア教育を充実させているので、生徒は自分のやりたいことを見つけ、目標に向かって一生懸命努力することができています。

広野 最後に、受験生と保護者の方へのメッセージをお願いします。

佐野 変化の激しい不確実な時代ですが、光塩女子学院では「光と塩」という揺るぎない価値観を支えに伸び伸びと学ぶことができます。基礎力をしっかり身につけ、探究を深め考える力を養う6年間を通して、今も未来も輝く人生のお手伝いをしたいと考えています。ぜひ本校で心豊かな中高時代を過ごしてください。

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