未来を期待される学校
(「22年10月」より転載/22年9月公開)
駒込中学校・高等学校
多様性の尊重で個性を伸ばし
学びを止めず前進を続ける
「温故知新の教育改革」が進む
所在地〒113-0022 東京都文京区千駄木5-6-25
交通東京メトロ南北線「本駒込」駅より徒歩5分、東京メトロ千代田線「千駄木」駅・都営三田線「白山」駅より徒歩7分
TEL03-3828-4141
上野の不忍池に設立された勧学講院をルーツに持ち、340年を超える伝統を誇る駒込中学校・高等学校。「一隅を照らす人間の育成」を建学の精神に掲げ、近年ではICT教育やグローバル教育の充実、入試の多様化など、グローバル社会やAI時代を見据えた改革を進めています。大学合格実績も好調な同校では、どのような教育を行っているのでしょうか。校長の河合孝允先生に伺いました。
どんな状況でも学びを止めず
行事は成長の場と位置づける
校長 河合 孝允 先生
広野 今春の中学入試では、出願者総数が1200名を超えました。学校改革が評価されていると感じます。
河合 おかげさまで人気校と呼ばれるようになり、改革の手応えを感じています。加えて、コロナ禍においては「学びを止めない」ことを徹底してきました。ICTを駆使した授業をいち早くスタートさせ、生徒の成長の場である学校行事を可能な限り実施。伝統ある高1の比叡山研修は、今年5月に3年ぶりに行うことができました。根本中堂での坐禅や山中25kmを歩き通す回峰行などを通じて、生徒たちは仏教の精神を学びました。中1の林間学校、中2の日光山研修や田植え体験、中3の奈良・京都修学旅行や鎌倉班別研修も今年度は例年どおり実施。コロナ対策を徹底しながら、教員総動員で取り組んでいるところです。
学校行事は人間教育の場ですから、けっして軽んじることはできません。マルタ島短期留学やハワイセミナーなど、希望者対象の海外研修も再開しました。「行事を止めない」「学びを止めない」。これも現在の駒込の強みと考えています。
広野 コロナ禍ではICTの活用が課題になった学校もありましたが、貴校は早くから取り組まれていた印象があります。
河合 早期から1人1台のタブレット端末を活用した教育を行っていました。生徒が主体的に学んで学力を伸ばすことがICT導入の目的でしたが、コロナ禍では授業に遅れが生じないメリットも大きかったですね。ICTを活用した授業は現在も継続しており、毎日、対面とリモートのハイブリッド型で継続しています。濃厚接触者になって登校できない生徒や、そのほかの事情で学校に来られない生徒もオンラインで受講できます。また、授業以外の講座もハイブリッド型で開講し、学びの機会を確保しています。
基礎学力を鍛えて伸ばし
好調が続く大学合格実績
高1・2の希望者を対象としたマルタ島短期留学。今夏、3年ぶりに実施されました
広野 最近は大学合格実績の好調ぶりにも注目が集まっています。
河合 今春も中高一貫生(78名)の多くが国公立大学をはじめ、早稲田大学などGMARCH以上の難関大学に合格を果たしています。自分が身につけた知識を社会のために使うには、やはり学力が必要です。知識をどう生かし、どう使いこなすのか。思考力、判断力、そしてその子にしかないオリジナリティーあふれる表現力を育てる教育を重視しています。
広野 大学合格がゴールではなく、その先を見据えた教育が大事ですね。
河合 併設型中高一貫校として単位認定を自由裁量で行い、特色ある教育ができるのが本校の特長です。大学での文理融合が叫ばれるなか、それに沿った新カリキュラムの検討も進めています。すでに情報科を数学科から分離・独立させるなど新たな動きを加速し、AI時代の情報教育を重視する学校づくりを始めています。
高大連携教育も今後ますます進むでしょう。本校でも早稲田大学や東京都市大学の教授による講義を受けるプログラムや、同じ仏教主義を掲げる大正大学との提携のほか、名古屋大学との共同研究など、大学との連携がさまざまな形で進んでいます。今後さらに厚みを増していきたいと考えています。
広野 学びの幅の広さやおもしろさが生徒のモチベーションにもつながっているのでしょうね。
河合 同一年齢の生徒に同一内容の授業を行うしくみでは厳しいのかもしれません。ただし、基礎学力は中学・高校でしっかりと身につけなくてはなりません。そこは絶対に崩せない。本校では基礎学力づくりの中心に日々の授業を据え、国語・数学・英語の特別講習会や指名補習、夏期講習、放課後の自習を支援する学習サポートシステムなど、きめ細かいフォロー体制を整えてきました。こうしたことが最近の大学合格実績にもつながっているのだと思います。
自分らしく輝ける環境で
「一隅を照らす」人を育てる
広野 貴校の面倒見の良さは仏教の教えに由来しているのでしょうか。
河合 「一隅を照らす」という最澄の教えは、1000年以上続く価値観です。生徒には将来、一隅を照らす人となって社会で活躍してほしいですし、中学・高校では多様性を尊重し、互いに切瑳琢磨する6年間を過ごしてほしい。仏教の教えを大切にしながら、駒込はどんな子も自分らしく輝けるダイバーシティを尊重する学校でありたいと考えています。
広野 学校改革はまだまだ続きそうですね。
河合 OECD(経済協力開発機構)が提示する「ラーニング・コンパス2030」では、見通し(Anticipation)、行動(Action)、振り返り(Reflection)のAARサイクルの獲得が提唱されています。本校もこの指導を強化し、生徒たちが10年先の将来像を明示できるような未来志向能力を育てていきます。アクティブな学びの時代が始まっている今、さらなる学校改革を進めているところです。
広野 最後に、受験生と保護者の皆さんへメッセージをお願いします。
河合 駒込は生徒が一隅を照らすための目標を持って、さまざまな分野で活躍している学校です。自分探しの旅が思う存分楽しめる学校でもあり、なりたい自分になれる環境が整っています。古いものを大切にしながら新しい挑戦をする「温故知新の改革」は続きます。夢を志に変えてチャレンジしたいお子さんは、ぜひ駒込に来てください。
ONE POINT CHECK サピックスのワンポイントチェック
入試の形式が多様なのも駒込中学校の特色です。2科・4科入試のほか、適性検査型入試・プログラミング入試・自己表現入試・英語入試など、さまざまな入試を行っています。2023年度からは算数1科入試に加え、国語1科入試も導入する予定で、合格すれば3年間の授業料が免除になる特待生として認められます。多様な入試で多様な生徒を集めたいという同校。ユニークでおもしろい生徒が多いというのも、入試形式によるところが大きいのかもしれません。
INFORMATION
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