鎌学生の“前向きさ”を前面に出したスローガンで歓迎

校門の装飾は美術部が担当。黒と赤をメインカラーにしたシックなデザインのゲートに、「Do it‼ Do it‼」のスローガンが並びます 6月11日・12日、鎌倉学園中学校・高等学校で第60回学園祭が行われました。この時期、鎌倉五山筆頭の建長寺に隣接するキャンパス周辺は、見ごろを迎えたアジサイを観賞しようと参拝客でにぎわいます。今年の学園祭は予約制での一般公開となり、2日間の日程をそれぞれ午前・午後に分けて計4回の入れ替え制で来場者を迎えました。来場者ごとに割り当てられた二次元コードを受付で読み取り、入場するシステムです。在校生の保護者や一般の来場者で久しぶりのにぎわいをみせたキャンパス内では、呼び込みをする生徒たちの姿が見られ、活気に満ちていました。

学園祭実行委員長(生徒会長)の石橋拓磨さん(右)と、副委員長(生徒会副会長)の武田光平さん(左) 今年のスローガンは「Do it‼ Do it‼」。学園祭実行委員長で生徒会長の石橋拓磨さんは、このスローガンに込められた思いについて、「コロナ禍で暗くなりがちな世の中でしたが、今年はやっと一般公開が可能となりました。心機一転、気持ちを切り替えて、前向きにいこう!という鎌学生たちの気持ちが表現されています」と話しました。また、学園祭実行副委員長で生徒会副会長の武田光平さんは、「前年度に学園祭を運営した経験者がいないなかで、引き継ぎを行うのは大変でした。卒業生に来校してもらい、セットの位置や見せ方などを教わりながら準備を進めました」と、苦労した点について語ってくれました。
コロナ禍を吹き飛ばす、応援団による熱いエール

応援団は今年、広々とした人工芝グラウンドで演舞を披露。卒業生の桑田佳祐さんが率いるサザンオールスターズの曲に合わせて、来場者にエールを送りました
校舎に入ると、クラスや文化部・同好会などの団体ごとに、さまざまな企画が用意されています。生物部は飼育しているメダカやオオトカゲ、ハツカネズミなどを展示したほか、コケを使ったテラリウム作りや、クイズに正解すると金魚がもらえる企画、野菜の苗の無料配布など、盛りだくさんの内容でした。
考古学部は、「鎌倉八幡宮の謎」と題し、古地図や伝承を基に歴史をひもときながら、以前の姿を模型で再現。鎌倉にあるキャンパスという地の利を生かした研究発表となりました。
生徒広報部は、鎌倉学園の魅力をPRする「ディープな学校説明会」を開催。在校生を対象に事前にアンケートを行い、「ほとんどの生徒の登校時刻は8時」「生徒と先生の仲が良い」「ランチメニューの一番人気はカツカレー」といった結果に、受験生と保護者の方は興味深そうに聞き入っていました。
このほかにも、マジック研究同好会のマジックショーや鉄道研究同好会の巨大ジオラマ、SDGs愛好会のワークショップ、縁日や謎解きといった来場者参加型のクラス発表など、楽しい企画が目白押しでした。
一方、屋外の人工芝グラウンドでは、アメリカンフットボール部によるストラックアウトのほか、応援団の発表が行われました。吹奏楽部の演奏と応援団のそろった演舞で、来場者に精一杯のエールを送りました。

生徒広報部によるプレゼンテーション「ディープな学校説明会」では、在校生へのアンケート結果をもとに、鎌学愛のこもった発表が行われました

生物部は「NAMAMONO FESTIVAL」と題し、研究結果をまとめたポスターや生物の展示、金魚や野菜の苗の無料配布などを行いました

教室1室分の巨大ジオラマを展示した鉄道研究同好会。部員が撮影した鉄道の写真の人気投票を実施し、小学生以下の来場者には写真のプレゼントもありました

SDGs愛好会のイベントでは、新聞記事を読んで問題点を探し、感想を書くワークショップを開催。受験生や他校の生徒が話し合いながら取り組んでいました

考古学部は「鎌倉八幡宮の謎」をテーマに研究し、読み応えのある冊子とともに明治時代の鎌倉八幡宮の模型を展示しました

アメリカンフットボール部は、キックでゴールポストを狙うフィールドゴールやストラックアウトの体験会で小学生を楽しませていました
万全の感染症対策で臨んだステージパフォーマンス

大アリーナでは、総勢30名以上の吹奏楽部が『ルパン三世メドレー』『千と千尋の神隠し』『夜に駆ける』などを披露。息の合った演奏で聴衆を魅了しました
大アリーナでは、軽音楽部や吹奏楽部、有志によるダンスパフォーマンスや、教員バンド「The teachers」の演奏などが行われ、大いに盛り上がりました。今年はコロナ禍での開催となり、アルコール消毒の励行とマスクの着用、声を出しての声援の禁止などを来場者にお願いし、万全の感染症対策を行いました。
軽音楽部にとっては、この学園祭が今年度初の本格的な発表の場です。これまでの思いの丈を注ぎ込むような熱いステージを繰り広げました。吹奏楽部は『ルパン三世』や『千と千尋の神隠し』など、小学生にもなじみのあるナンバーを披露。教員バンドの演奏では、職員の顔をプリントしたうちわやペンライトを持った在校生が身振り手振りで応援する姿も見られ、生徒と職員との距離の近さを垣間見ることができました。
隣の小アリーナでは、中学剣道部による「鎌剣チャンバラピック2022」が催され、スポンジの剣と風船の的を使って、来場者が楽しそうにチャンバラをする様子が見られました。
2年のブランクをものともせず、持ち前の団結力と実行力を発揮し、多種多様な企画で来場者を楽しませた第60回学園祭。鎌学生たちのほとばしるエネルギーを随所に感じ、「真の文武両道」を体現した祭典となりました。