受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

スクール情報

(17年6月公開)

駒場東邦中学校・高等学校 第60回 体育祭 2017年5月20日(土)

6年間同じ色に所属し、優勝への思いを受け継ぐ

チーム色の旗を掲げた団長を先頭に選手が入場してきます。当日はまさに“体育祭日和”。すがすがしい晴天に恵まれました  駒場東邦中学校・高等学校の体育祭は、すべての競技が学年縦割りの色別対抗で行われます。生徒は入学後、クラスに関係なく赤・白・青・黄の4色に振り分けられ、6年間を通して同じ色に所属。各競技の勝利の戦略も先輩から後輩へと代々伝授され、優勝への熱い思いも受け継がれていきます。そのため、所属する“色”への思いは強く、学年を超えて生まれる仲間との絆は、卒業後、社会人になっても続きます。

 5月20日の8時30分、開会を告げるファンファーレが鳴り響くと、選手たちが続々とグラウンドに入場してきます。開会式では校長の平野勲先生から「今年は創立60周年記念事業として拡張したグラウンドで行う初めての体育祭です。皆さんの練習の成果を思う存分発揮してください」と激励が送られ、いよいよ競技のスタートです。

 最初は中学の選抜選手による100m競走です。ここでは4月に入学したばかりの中1生も、たくさんの声援を受けながら懸命な走りを見せます。その後、1人が乗ったタイヤを3人で引っ張る「UFO」(中3)、ソロ種目と二人三脚が融合した「障害物競走」(高3)、重さ30㎏の俵を背中に担いで走る「俵かつぎ」(高1)といったユニークな競技が続きます。

重さ30㎏もの俵を担いで走る「俵かつぎ」。足腰の強さに加え、バランス感覚も重要となります 「俵かつぎ」では、バトンとなる俵を背中から落としてしまうと、独りで再び持ち上げるのは至難の業。胸の前で抱えて運ぶことも容易ではありません。そのため、走者交代の際の背中から背中への“俵(バトン)パス”の優劣も勝敗の決め手となります。

 午前の部の最後を飾ったのは、中学全学年による「騎馬戦」です。最終順位にも大きく影響する競技であり、その激しさは体育祭随一。騎手とその前方となる土台の生徒は、ヘッドギアを着けて戦いに挑みます。高校生からの力強い応援を受け、表情を引き締める選手たち。ピストルの音を合図に激しい肉弾戦が始まると、応援席や保護者席の盛り上がりも最高潮に達します。激闘の末、ここで勝ち抜いたのは白組。その結果、大きくリードした黄組を白・青・赤が追いかける形で午前の部は終了し、昼休みを挟んで午後の部が始まります。

「団長握手」でお互いの健闘を祈る団長たち。団長をはじめ、多くの高3年がチーム色に髪の毛を染め上げています 中1による「綱引き」は、シンプルだからこそ練習の成果が表れる競技です。果たして、勝敗の行方は!? トーナメント制で行われる中学全学年による「騎馬戦」。審判の生徒がすぐ横に立ち、危険な場合は競技を中断させます

予想だにしない展開が待っていた後半戦

高校全学年による「東邦連峰」。竹竿を登る選手と土台を組む選手が心を一つにして臨み、最後にはチーム色の垂れ幕が風になびきます  午後の部は、体育祭の花形でもあるエール交歓から始まり、高1の「棒引き」、中2の「長下駄競争」、高3の「大井川渡し」など、体力や走力に加え、チームプレーが肝となる伝統的な競技が続きます。

 また、忘れてはならないのが、体育祭を円滑に進行させるためにてきぱきと働く「審判」「招集」「用具」などと書かれたビブスを着た生徒たちの存在です。トラブルが起きると、ただちに審判長が競技を中断させ、審判係や団長を集めて協議を行います。この様子からも、同校の体育祭がいかに生徒主体で行われているかがわかります。

 こうして各チームの懸命な攻防戦が続き、残る競技はあと二つ。高校全学年による「東邦連峰」では、スタートの合図と同時に選抜選手が腕力と脚力だけで、高さ約5mの竹竿の頂点をめざしてよじ登り、どのチームが最も速く選手全員が頂点に到達するかを競うものです。ここで1位となったのは、27年ぶりの優勝をめざす白組です。黄組を逆転し、総合優勝に王手をかけたこの1勝に、選手一同、「うぉー!!」と叫びをあげて歓喜します。

最後の「色別対抗リレー」で1位となったのは青組。アンカーの選手をチームメイトが喜びの表情で迎えます しかし、ここで思わぬ事態が発生。1位となった白組の選手に反則があったとして、失格の判定が下ったのです。すべての競技は1位から4位まで点数がつけられていますが、失格の場合は無得点となってしまいます。ぐっと引き寄せたと思った優勝が絶望的なものになり、呆然とする白組の選手たちですが、こうしたことが起こるのも、駒東の体育祭です。全員が本気で挑むからこそ、毎年ドラマが生まれています。

 最終種目の「色別対抗リレー」でも、白組を含めた全4チームが持てる力をすべて出し切りました。結果は、午前の部の勢いそのままに駆け抜けた黄組が総合優勝を勝ち取り、4連覇を達成しました。こうして幕を閉じた駒場東邦中学校・高等学校の第60回体育祭。終了後には、悔しさで涙を流す選手もいましたが、最後は全員で健闘をたたえ合い、熱い抱擁を交わしていました。

1人が乗った台を4人で運ぶ「大井川渡し」(高3)。台上の選手は振り落とされないように必死に台にしがみつきます つながれた二つの麻袋に1人ずつ入り、跳びはねて進む「カンガルー競走」(中3)。息の合ったコンビネーションが見物です 高2の「ベルトコンベアー」では、人間ベルトの上を選手が胴上げの要領で運ばれていきます

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