受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

スクール情報

(「18年1月号」より転載/17年12月公開)

音楽と展覧の会  11月3日(金・祝)

創立100周年を祝う 新講堂で初めての音楽会

春に建て替えが完了し、初めて音楽会が開催された新講堂。客席もロビーもゆったり。終日多くの人でにぎわいました  3連休の初日の文化の日、甲陽学院中学校の文化祭「音楽と展覧の会」が開催されました。同校は中高一貫校ですが、中学校と高校は離れた場所にあり、学校行事も中高それぞれ別に実施されます。この日の音楽と展覧の会も、中学生だけで実行委員会を立ち上げ、企画・運営のすべてを担いました。プログラムは大きく音楽会と展示・企画に分かれ、文化の秋、芸術の秋、音楽の秋をたっぷり楽しめるようになっています。

 特に今回は、同校が創立100周年を迎えた年とあって、歴史の節目を祝う趣向がさまざまに凝らされていました。その一つが新しい講堂での音楽会です。1941年に竣工し、戦災にも阪神・淡路大震災にも耐えた旧講堂は長く中学校のシンボルとして親しまれ、音楽会の会場にもなってきましたが、老朽化が進んだため建て替えが決定。2017年春に工事が完了し、新講堂が誕生しました。

 2階席も含めて1100席と、規模も大きくなった新講堂。ここで音楽会を開催するのは今回が初めてです。午前9時30分から正午まで、生徒有志によるピアノやフルート、バイオリンの独奏、リコーダーのアンサンブル、クラスごとの器楽合奏が次々と披露されました。ゆったりと配置された客席からは、演目が終わるたびに盛大な拍手が送られ、講堂全体が音楽を楽しむムードにあふれていました。

 午後からは、英語で演説する「パブリックスピーキング」を開催。学年を代表する生徒が舞台に立ち、流暢な英語で客席に語りかけるようにプレゼンテーションしました。

正門には看板と受付が設置され、来場者にパンフレットを配布します 「継」をテーマに旧講堂を再現したモニュメント。50人の生徒が手作りした作品です

実験から体験型企画まで 部や同好会の展示が充実

生物部の解剖は昆虫や植物の標本を展示した生物作品展。1年生の夏休みの課題で、どれも力作ぞろい、毎年立ち見が出るほどの人気ぶり。カエルやマウスを解剖する部員の手元をスクリーンに映し出し、別の部員がていねいに説明していきます  今回の音楽と展覧の会のテーマは「継」。創立100周年を踏まえ、先人の偉業を引き継ぎ、未来を豊かにするという意味の「継往開来」という四字熟語から着想し、生徒たちが決めたそうです。

 正門を入ってすぐの東校舎1階ではまず、「継」をテーマに作られたモニュメントが迎えてくれました。旧講堂を再現したダイナミックなモニュメントは来場者の目を引き、多くの人が記念撮影をしています。ほかにも100年の歴史を振り返り、未来を想像させる色とりどりの装飾が校舎内の壁や窓、階段などに施され、「継」のテーマが表現されていました。社会Ⅱ部(鉄道研究部)の展示では、細部まで作り込まれたジオラマに夢中になる子どもが続出。鉄道クイズも人気を集めました

 校舎内へ進むと、文化部や同好会の見応えのある展示があります。生物部では例年どおり、広い階段教室を使った解剖を実施。1年生の部員がカエル、マウス、ニワトリの解剖を3回に分けて行いました。開始前には教室に入りきれないほどの見学者が訪れ、熱気でいっぱいに。教室前方で解剖する部員の手元がスクリーンに映し出されると、見学者は驚きの声を上げたり、真剣なまなざしで見入ったり。解剖をする3人の部員も、1年生とは思えない鮮やかな手さばきと解説で、生き物のからだの仕組みを明らかにしていきました。隣接する生物実験室では2年生と3年生の部員がパネル発表や標本の展示を行い、こちらも多くの人でにぎわっていました。

 また、化学実験室では、化学部が実験を披露。炎色反応の実験や液体の色を変える実験を小学生たちが熱心に見学していました。社会Ⅱ部(鉄道研究部)の模型展示やレゴ・プラモデル同好会のオリジナル作品の前も、たくさんの小学生でいっぱいです。

 こうした一人ひとりの部員の情熱が伝わってくる展示は、ほかの部や同好会も同様です。クイズや工作など参加体験型のプログラムも多く、訪れた人たちは、子どもも大人も一緒になって楽しんでいました。

昆虫や植物の標本を展示した生物作品展。1年生の夏休みの課題で、どれも力作ぞろい 化学実験室では実験を披露。子どもたちを釘付けにしていました 手作りのプラネタリウムが人気を呼んだ天文部。ドームの中で星空を映します

日ごろの学びの成果を発表 小学生に向けた学校PRも

技術作品展。1年生が技術の授業で手がけた木工作品がずらりと並びました  一方、西校舎では、生徒たちの日ごろの学習の成果を発表する展示が行われていました。美術作品展の会場は、各学年が1学期の美術の授業で制作した作品を会場いっぱいに並べています。技術作品展の会場には、1年生が製作した木工作品が展示されていました。そのほかに、工夫を凝らした学年ごとの展示や、合宿、校外学習の様子をまとめた展示もあり、学校生活の一端や各学年の個性が伝わる内容になっていて、来場者は興味津々です。足を止めて見入る家族連れの方がたくさんいました。

 一方、子どもたちには、校内をめぐってゴールをめざすスタンプラリーが大人気です。全部集めると、甲陽生手作りのメッセージ付きのしおりがもらえるとあって、スタンプ設置場所には順番を待つ列ができています。ゴール地点には、スタンプをためた用紙を手に、うれしそうな顔をした小学生が次々とやってきました。

 もう一つ、子どもたちにとりわけ人気だったのが「甲陽生体験道場」です。甲陽生お薦めの勉強法や小学生への直筆メッセージが張り出され、甲陽生が作った問題にも挑戦できる道場で、本物そっくりの「1日生徒証」を作るコーナーもあります。ふだんの授業風景をまとめた動画も上映されていました。甲陽学院をめざす小学生には、モチベーションを上げるまたとない機会になったのではないでしょうか。

 創立100周年という記念の年に開催された2017年の「音楽と展覧の会」。文化の日にふさわしい伝統行事は、今回も生徒全員が温かいもてなしの心で来校者を迎え、同校の魅力をさまざまな形で伝えてくれる場となりました。

1学期の美術の授業で制作した作品の展示。絵画から段ボールを使った船まで、さまざまな作品が楽しめます 「1日生徒証」を作るコーナー。学生服を着て写真撮影、すぐに生徒証が発行されます スタンプラリーの賞品は手作りのメッセージ付きしおり。どれにしようか迷う子も

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