受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

スクール情報

(「19年1月号」より転載/18年12月公開)

甲陽学院中学校 音楽と展覧の会 11月3日(土・祝)

「紡」をテーマに開催
中学生が運営する文化祭

正門の受付では案内図を掲載したパンフレットが配られます

 甲陽学院中学校の「音楽と展覧の会」は、文化の日の11月3日に開催されました。関西を代表する進学校として知られる同校は、中高一貫の男子校ですが、中学校と高校は別の場所にあります。そのため、学校行事は中高それぞれで開催。中学校の行事は、高校生に頼ることなく、中学生だけでつくり上げるのが特徴です。

 今回の「音展」も中3生を中心に組織する「音展委員会」が企画・運営を担いました。テーマは「紡」。これまで受け継がれてきた甲陽学院の歴史の糸を、現在から未来へと紡いでいくという思いが込められています。

 当日の会場は、教室・講堂・体育館です。まずは展示イベントが午前9時にスタートしました。正門を入ると受付があり、生徒たちが元気なあいさつとともにパンフレットを手渡してくれます。〝歓迎門〟をくぐって中に入ると、最初に目に飛び込んでくるのは、吹き抜けのスペース「光庭」に設置されたタワーを模した迫力満点のモニュメントです。いずれも生徒の手作りによる、高さ7メートルを超える迫力満点の作品です。記念撮影にぴったりの場所とあって、訪れた人たちは次々と笑顔でカメラに収まっていました。

 9時30分からは講堂での音楽会が始まりました。2017年に建て替えられた講堂には、1200人を収容できる2階建ての本格的なホールが備えられています。音楽部のリコーダー合奏を皮切りに、生徒有志によるピアノやバイオリン、チェロの演奏、クラスごとの器楽合奏が順に披露され、美しい音色を聴かせてくれました。

真新しい講堂で開かれた音楽会。1・2階の客席でじっくりと鑑賞できます 子どもも大人も夢中になって難しい折り紙に挑戦していた、折り紙同好会の体験コーナー 甲陽学院生と真剣勝負。将棋部の対局は初心者が参加しても楽しめます

授業での学びを発表
ふだんの学校生活の紹介も

天文部ではクイズや星座早見作り、手作りプラネタリウムが体験できます

 一方、教室や廊下には、甲陽学院生の日々の学びの成果がよくわかる展示が並びました。中1が夏休みの課題として取り組んだ社会や生物の作品展をはじめ、美術、技術、家庭科の作品展にも力作が勢ぞろい。一つひとつの作品をゆっくり見て回る来場者が多く見受けられます。また、各学年の合宿や校外学習をテーマにした展示では、在校生の生き生きとした表情を見ることができました。

 学校の魅力が伝わってくる試みは、ほかにも用意されています。歴史教室では生徒が作った学校PR動画が大好評。授業や部活動など、生徒たちのふだんの様子がわかる動画は楽しい要素が満載で、来場者はもちろん、見学中の在校生からも何度も大きな笑い声が上がりました。同じ教室には、甲陽学院生直伝のノートの作り方をアドバイスするコーナーや、学生服で写真撮影をして「一日生徒証」を作成するコーナーも用意されていて、こちらも人気を集めました。今回初めて開催された小学3・4年生対象の早押しクイズ大会も、参加者は本気で勝ちを狙い、大いに盛り上がりました。

 子どもたちの参加率が特に高かったのは、校内のポイントを回るスタンプラリーです。ゴールすれば生徒手作りのオリジナルグッズがもらえるとあって、専用の用紙を手にした子どもたちが一生懸命にスタンプを集めていました。そんな子どもたちが行ったり来たりする校舎内の廊下や階段にも、工夫を凝らしたモニュメントの展示や装飾がいくつもあり、歩くだけでわくわくするほど。驚いたり、感心したりする演出が学校中に散りばめられていました。

中1は写生、中2はモザイク、中3は点描と段ボールの船を出品した美術作品展 ノートの作り方の展示は、小学生にも役立つヒントがたくさんありました クイズ大会の様子。白熱した戦いが繰り広げられました

迫力ある実験や展示の数々
部や同好会が本領発揮

毎回立ち見が出る生物部の解剖演示。中1の部員がこの日に備えて練習を重ねてきました

 文化部や同好会の展示も見応えがあります。生物部では中1がブタの眼球やカエル、マウスなどの解剖を行いました。解剖する部員の手元をスクリーンに映し出しながら、解説役の部員がわかりやすく生き物のからだの仕組みを説明していきます。会場となった広い階段教室には毎回多くの見学者が訪れ、熱心に解剖の様子を見守っていました。隣接する生物実験室ではパネル展示が行われ、それぞれの観察や実験について部員たちが小学生にもわかるように、易しく解説していました。

 化学部では、作成した燃料電池や炎色反応の実験など、班ごとに各ブースで発表。体験コーナーには、ペットボトルの中に雲をつくったり、薬品を使って見えなかった文字を浮かび上がらせたりする実験が用意されていました。

部員が作ったジオラマに人だかりができた社会Ⅱ部(鉄道研究部)の展示

 廊下を勢いよく走るホバークラフトが注目を集めたのは物理部です。もちろん部員が製作したもので、子どもを乗せて自在に走行。周囲から「かっこいい」「楽しそう」と歓声が上がっていました。物理実験室にも手作りのピタゴラ装置や振り子の装置に実際に触れられるコーナーが設けられ、参加した子どもたちは物理部員の説明に熱心に耳を傾けていました。

 鉄道模型を展示した社会Ⅱ部(鉄道研究部)には、精巧に作られたジオラマの前に多くの見学者が詰め掛けました。鉄道フォトコンテストや部の合宿の様子の紹介など新しい企画も好評で、〝鉄研〟へのあこがれを深めた小学生も少なくなかったようです。将棋部では部員との対局が、LEGO同好会ではレゴの組み立てが、折り紙同好会では折り紙作りに挑戦することができ、一緒になって楽しむ親子連れでにぎわいました。

 音楽会も各展示も、生徒たちのパワーとおもてなしの気持ちが伝わってくる盛りだくさんな内容。音展を一日楽しんで、「甲陽ファン」になった小学生や保護者も多かったのではないでしょうか。

化学部の体験コーナーでは、さまざまな実験に参加することができます 子どもを乗せて走行する物理部のホバークラフト。順番を待つ列ができました 作品展示や自分で組み立てるコーナーが設けられたLEGO同好会の展示会場

ページトップ このページTopへ