受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

スクール情報

(「19年7月号」より転載/19年6月公開)

開成中学校・高等学校 創立148周年記念 開成学園大運動会 5月12日(日)

薫風のなか、今年も熱い戦いが繰り広げられた伝統ある大運動会

「ペンと剣」の校章が描かれた旗を掲げて整列した選手や運動会準備委員会の代表たち。闘志がみなぎっていることでしょう各組の桟敷(応援席)の後ろには巨大な絵が掲げられています。これが大運動会の名物である「アーチ」です。現高3生が自分たちの組の色をもとにテーマを決め、半年間かけて製作しました 開成生が年間で最も熱く燃え上がるイベントといえば、毎年5月の第2日曜の「母の日」に開催される開成学園大運動会です。今年も早朝から詰めかけた大勢の保護者の方やOBが見守るなか、午前7時10分から盛大に始まりました。

 この運動会がいかにも開成らしいと評されるのは、計画から準備、競技・応援の練習、当日の進行まで、運営のすべてが生徒に一任されていること。しかも、翌年の準備はその年の大運動会が終わった翌日から始まります。その時点での高2生を中心とする運動会準備委員会(運準)、運動会審判団(審判)、運動会審議会(審議会)が、競技ルールやスケジュール、進行、人員配置、安全対策などについて、丸1年かけて検討し、一から作り上げます。

 また、中1から高3まで学年縦割りで、紫・白・青・緑・橙・黄・赤・黒の8色(8組)に分かれて競うのも大運動会ならでは。高校は8クラスあるのでクラスごとに各色を構成しますが、中学は7クラスしかないため、中学生は適宜8色に振り分けられます。こうして6学年が一丸となって戦う八つの集団が完成。主に高2生の指導の下、1年間かけて戦略が練られて練習も重ねられ、母の日はどの組にとっても“絶対に負けられない戦いの日”になるのです。開成生にとって大運動会は、単なる伝統行事の枠を超えたものになっているといえるでしょう。すべての開成生が“燃える”のも当然です。

中1の「馬上鉢巻取り」。「騎乗」が落馬する危険に備え、騎馬の周りには多くの審判員が防具を持って待機しています さて、1時間にも及ぶ開会式で幕を開けた大運動会は、8時10分から最初の競技である中3の「俵取り」がスタート。これは11個の俵(1個当たりの重さ100kg超)のうち、より多くを自陣に運んだほうが勝ちという開成オリジナルの競技です。リレーなどの競走以外の競技はトーナメント戦で争われます。

 次は、中1による「馬上鉢巻取り」。4〜5人で騎馬を組み、その騎馬に乗る「騎乗」同士が頭に巻いた鉢巻きを奪い合います。入学して間もない初々しい中1生たちの奮闘に、観客から大きな声援が寄せられました。

 その後は高校の「スウェーデンリレー」、中学の「学年別リレー」と進み、迫力ある高2の「棒倒し」が終わると、午前の部が終了。15分間の昼休みに入りました。

 午後の競技は中2の「綱取り」から。これは長さ10mの綱5本を奪い合う独特の競技で、意外に激しい接触プレイに観客は何度もどよめきました。

90年以上にわたり、大運動会の花形競技であり続けているのが、高3の「棒倒し」。開成生活最後のひのき舞台で有終の美を飾るため、全員がフルパワーで相手と対峙します

 間に高1の「騎馬戦」を挟んで行われたのは中学の「要領次第」です。各学年で選抜された選手が出場し、中1は「ムカデ競走」に、中2はお盆代わりの板でペットボトルを運ぶ「出前競争」に、中3は4人で騎馬を組み、騎乗者に口だけで食品サンプルを取らせる「食品サンプル食い競争」に、それぞれリレー形式で臨みました。

 その後、大運動会の花形種目ともいうべき、高3の「棒倒し」と「全学年リレー」に大声援が送られ、全競技が終了。総合成績で優勝の栄冠を勝ち取ったのは、中3の俵取り、高1の騎馬戦、全学年リレーで1位となり、合計683点を獲得した紫組でした。閉会が宣言されたのは日没後の午後6時40分。こうして今年も12時間近くの時間をかけ、開成生たちの長く激しい一日が終わりました。

団体競技で優勝した組は全身で喜びを爆発させ、トラックを走って一周します。これが団体競技で優勝した競技者と指導した高3生のみに許される、栄光の「ウイニングラン」です 対戦に負けた選手たちは、自軍の桟敷(応援席)前に全力疾走で駆け寄り、「すみません」と土下座。それに対し、応援団は「気にするな」と励まします 中学の「要領次第」で「ムカデ競争」に挑む中1生たち。続く中2の「出前競争」、中3の「食品サンプル食い競争」ともリレー形式です
中3の「俵取り」。体を保護するためのプロテクターを付けた選手たちは、「押し」「押しカバー」「引き」「はがし」などのポジションに分かれ、どの俵にどれだけの戦力を投入するか、事前に戦略を練って競技に臨みます 長さ10mの綱の争奪戦を繰り広げる、中2の「綱取り」。背後には選手に指示を出し、叱咤激励する上級生の姿が。どの競技も上級生と下級生が一体となって試合に臨むため、負けると悔し泣きし、勝つと喜びを爆発させるのです

ページトップ このページTopへ