受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「17年8月号」より転載/17年7月公開)

School Now 市川中学校・高等学校/「ALICEプロジェクト」が本格稼働
みずから考え、学ぶ機会を提供する

 個性の尊重、自主自立を教育方針とし、早くから主体的な学びを重視してきたアクティブラーニング(AL)の先駆ともいえる市川中学校・高等学校。創立80周年を迎えるにあたり、その記念事業の中核として昨年から取り組んできたALをさらに進化させた「ALICE(Active Learning For Ichikawa Creative Education)プロジェクト」が今年4月から本格的に稼働しました。その具体的な内容や生徒たちの学習意欲の高まりなどについて、校長の宮﨑章先生にお話を伺いました。

最新のIT機器を活用しながら 積極的な学習姿勢を育成

校長 宮﨑 章先生

今年4月から稼働し始めたALICEのメインルーム。ALをより進化させた授業を各科目で行うことができます ALICEメインルームでの世界史の授業。主体的に参加しようとする生徒たちの姿が印象的です

 「ALICEプロジェクト」とは、最新のIT機器を活用しながら、生徒たちの能動的な学習姿勢をさらに高めることを狙いとした教育改革プロジェクトです。東京大学の情報コミュニケーション技術(ICT)支援型協調学習環境“KALS”の仕組みを応用して、生徒参加型の授業システムを構築。電子黒板型スクリーンと生徒各自のタブレット端末で情報をやり取りしながら授業を進めるマルチルームが昨年4月から稼働していましたが、今年の4月にはそのメインルームが完成し、いよいよ本格的に動き出すことになりました。校長の宮﨑章先生は、その手応えを次のように語ります。

 「これまでは教員からの一方的な知識伝達型が中心でしたが、生徒が主体的に関わる参加型の授業が増えてきました。パソコンやタブレット端末を使うICT化が進む一方、『まなボード(ミニ白板)』を使ってグループごとの議論を進め、それを共有する授業は普通になっています。デジタルとアナログを融合させた授業改革がどんどん進んでいます」

 最先端のIT機器導入のメリットとして宮﨑先生がまず挙げたのは、「授業のスピードアップ」です。教える側と生徒間の情報が瞬時でやり取りできるため、生徒がみずから考え、参加する時間を生み出すことができました。

 「ALICEプロジェクト」の実効性を高めるためには、教える側のスキルアップも欠かせません。新たに教育研究部という組織を立ち上げ、そこに多くの先生方が集まり、効果的な授業の進め方などについて研究を進めているそうです。

海外研修プログラムをはじめ 国内外の催しに積極的に参加

英国オックスフォード大学での研修をはじめ、多彩な海外研修を用意。毎年多くの生徒が世界に羽ばたいています

 「ここ数年で、生徒の積極性が飛躍的に伸びた」と宮﨑先生は話します。希望制の各種プログラムや外部のイベントなどへの参加者が急激に増えてきているとのこと。海外研修プログラムではイートン、ダートマスへの参加者が増えていますし、専門家を講師に招いて国際的なテーマについて研究発表をする高1のグローバル講座に関しては、例年30人程度だった参加希望者が今年は60名以上にもなりました。

 「夏休み期間中に、アメリカの学生と共にリーダーシップなどについて議論するエンパワーメントプログラムも、最初は70名ほどだった参加者が今年は100名に近い参加があります。今年の高1だけの数字ですが、約半数の生徒が何らかの国際的プログラムに参加希望を表明しています」(宮﨑先生)

 文部科学省が中心になって世界で活躍できるグローバル人材を育成しようという官民協働プログラム「トビタテ! 留学JAPAN」にも、同校の生徒が積極的に参加。今年は6名が米、英、仏、そしてネパールやベリーズへ旅立ちます。一人で現地に赴き、活動するのは大変ですが、その分、驚くほど成長して帰って来るとのこと。そうした先輩の姿に刺激を受けたのか、昨年の校内説明会には140名ぐらいの生徒が集まったそうです。

 生徒たちが手を挙げるのは、留学や海外研修に関するプログラムだけではありません。「高校生科学技術チャレンジ」(JSEC)で日本代表として好成績を上げた生徒がいれば、「ワールドスカラーズカップ」(WSC)という中高生を対象に総合的な教養を競う大会で、日本代表としてベトナム大会に出場する生徒が12名もいます。そのほか、「ビブリオバトル」という読書関連のイベントや、「科学の甲子園全国大会」など、多くのコンテストや催しに積極的に参加し、好成績を収めています。また、そうした活動が評価され、推薦で国立大学に進学する生徒も出ました。

 「大切なのは、生徒自身がおもしろい、楽しいと思うこと」と話す宮﨑先生。「受験のための勉強も必要ですが、小手先の受験対策だけをやっていては、大きく伸びていくことはできません。自分が興味のあることに積極的に取り組むことが、時間はかかるかもしれませんが、将来的な成長へとつながります。本校では、そういう環境や機会を提供していくことを重視しています」

論理的思考に基づいた 「書く力」の育成にも取り組む

2017年5月、ロサンゼルスで開催された「Intel ISEF2017」に、同校の生徒が日本代表として派遣されました

 昨年、アメリカのリベラルアーツ大学を視察した宮﨑先生がいちばん心に残ったのは、どの大学もライティングを非常に重視していたことでした。そうした大学の「書く力」を育成するシステムや充実したプログラムを参考にしながら、同校でもリベラルアーツ教育の柱として、論理的思考に基づいた書く力、すなわち「アカデミックライティング」の育成を図る取り組みに着手しました。

 また、10程度の講座から興味あるものを生徒が選び、自身が調べて発表するスタイルで進める高2の「リベラルアーツゼミ」が3年目を迎えたほか、各自の研究成果や海外留学体験などを発表する「市川アカデミックデイ」を3月に開催することも決まりました。

 こうした積極的な学習姿勢の育成は、2020年の大学入試制度改革や、難関大学の推薦入試導入、推薦枠の拡大の動きにつながるものです。「根本にあるのは、中高時代にやるべきことをやった生徒が、社会で活躍できるという考え方です」と指摘する宮﨑先生。最後に、中学受験に取り組む小学生や保護者の方に向けて、次のようなメッセージを送ってくださいました。

 「基礎的な学力を身につけるだけでなく、自分がおもしろいと思えるものを持っていることが大事です。いろいろなことに興味を持ちながら、勉強に取り組んでください。私たちは、好奇心や探究心にあふれたお子さんを歓迎します」

《学校のプロフィール》

市川中学校・高等学校

所在地
 〒272-0816 千葉県市川市本北方2-38-1
 JR総武線・都営新宿線「本八幡」駅、JR 武蔵野線「市川大野」駅よりバス11分、「市川学園」下車。JRほか「西船橋」駅より直通バス20分(登下校時のみ運行)。京成本線「鬼越」駅より徒歩20分 TEL 047-339-2681
H P http://www.ichigaku.ac.jp 別ウィンドウが開きます。

《各種行事日程のお知らせ》

中学校説明会(要予約)
10月28日(土)
①9:00~10:30 ②11:30~13:00 ③14:00~15:30
帰国生対象説明会(要予約・中高共通)
  8月  2日(水)10:00〜11:30
スクールツアー(要予約・中高共通)
  9月  2日(土)・9日(土)・30日(土)
10月  7日(土)
11月  4日(土)・25日(土)
いずれも10:00~11:30
なずな祭(文化祭)
  9月16日(土) 9:00~17:00
  9月17日(日) 9:00~15:00
【現5年生対象】中学校説明会(要予約)
  2月24日(土)10:00〜11:00
※学校の概要説明と2018年度入試の振り返り

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