受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「17年9月号」より転載/17年8月公開)

School Now 中央大学附属中学校・高等学校/附属校のメリットを生かした教育を実践
みずから考え、行動できる力を伸ばす

 中央大学への内部推薦枠が設けられ、卒業生の9割近くが中央大学へ進学している中央大学附属中学校・高等学校。2020年度から始まる大学入試改革の動きとは別に、「大学入試にとらわれない、附属校ならではの独自の教育」を展開し、注目されています。「自主・自治・自律」の精神を掲げ、「行動する知性」を標榜する同校には、どのような特色や魅力があるのでしょうか。同校校長で中央大学法学部教授でもある木川裕一郎先生と、副校長の椎名甲子夫先生にお話を伺いました。

附属校の中高一貫教育を貫く 「自主・自治・自律」の精神

校長 木川 裕一郎先生

 中央大学附属中学校・高等学校は、「中附」という愛称で広く親しまれているとおり、男女共学の附属校として高い人気を集めています。校長の木川裕一郎先生は、同校の校風を表す「自主・自治・自律」ということばにこそ、中央大学の附属校である同校の教育理念が凝縮されていると語ります。

 「附属校である本校の使命は、優秀な人材を中央大学に送り出すと同時に、中高大の一貫教育のなかで社会に出てから必要な能力を生徒一人ひとりに身につけさせることです。この目的を達成するには、生徒自身が自主・自治・自律の精神で行動しなければなりません」

 社会に出たときに必要な能力とは、現状を客観的かつ正確に認識し、諸価値観に基づいて課題を発見し、その解決手段を見いだし、それを着実に実行していくこと。こうした能力は必ずしも、大学の専門教育で身につくわけではありません。だからこそ、大学受験にとらわれない中高一貫教育のなかで、生徒一人ひとりに時間をかけて習得させていくことが重要になります。

 たとえば、基礎学力の定着についても、『大学受験に必要だから』ではなく、『社会に出たときに必要だから』という視点が持てれば、生徒はみずから動いて取り組むようになります。

 「そこで本校では、今日のようにアクティブ・ラーニングが注目される以前から、生徒が自主的・自律的に体験学習できる環境を整えてきました。英語では、身近なテーマをグループで調べて発表する『プロジェクト・イン・イングリッシュ』の授業を週1時間確保しています。また、中央大学理工学部との連携をベースに、ロボット・プログラミングなど、通常の理科の授業から離れたテーマを扱う、『プロジェクト・イン・サイエンス』の授業も実施しています」(木川先生)

「プロジェクト・イン・イングリッシュ」の授業風景。グループで調べ、発表することによって、英語による自己表現力を養います 「プロジェクト・イン・サイエンス」は、通常の授業では扱わないようなテーマを複数の先生が交代で指導する、新しいかたちの授業です

「考えさせる」授業で磨かれる、 「行動する知性」

高大連携プログラムの一つ、高3の「特別授業」。中央大学に進学が決まった生徒に、内定した学科の内容に応じたプレ講義を行います

 生徒一人ひとりの「自主・自治・自律」を促し、体験型学習を推進している同校では、それぞれの授業においても、生徒たち自身に「考えさせる」ことを基本にしています。たとえば理科では、どの科目でもほぼ毎回実験を行いますが、生徒自身に結果を予想させたうえで実験を行うため、現象の根底にある自然法則などをより深く理解し、知識を定着させることができます。

 「本校では、生徒がみずから考えて体験することこそが重要だととらえています。『行動する知性』という中央大学建学の精神はそのまま、本校にも受け継がれているといえるでしょう」と木川先生は話します。

 一方、副校長の椎名甲子夫先生は、同校の特色でもある「課題図書」について、次のように説明します。

中3の2学期に実施される沖縄修学旅行。生徒自身で事前学習を行い、それをもとにさまざまな角度から沖縄について学んでいきます 「国語科の教員により、中学校3年間に60冊、高校3年間に100冊の課題図書を選定しています。ジャンルは小説から評論まで多種多様で、読んだかどうかをチェックするテストも定期試験で実施しています」

 読書とは、多様なものの見方・考え方に触れることであり、自身の価値観と照らし合わせることで、青少年期の人格は練られ、形成されていきます。課題図書もまた、みずから考えて行動する学習の一環なのです。

 同校でもう一つ特筆すべきは、高校卒業時に1万字以上の卒業論文を課していることです。これは、課題図書というイン・プットに対するアウト・プットであり、みずから考え、行動し、体験する学習の集大成でもあります。

 「『自主・自治・自律』を理念とする教育の下、本校の生徒は学習だけでなく、行事や部活動にも積極的に取り組んでいます。たとえば、オリエンテーション旅行、京都・奈良移動教室、沖縄修学旅行などはすべて、生徒が主体的に調べ、行動することで成り立っており、本校の『行動する知性』を象徴する行事ともなっています」と木川先生は語ります。

約9割が中央大学に内部進学 推薦資格を残して併願も可能

副校長 椎名 甲子夫先生

 同校から中央大学へ内部進学する生徒は毎年9割前後。その仕組みはどのようになっているのでしょうか。

 「本校では中1から高2まで、文理の別なく全員が同じ授業を受け、高3になって初めて、進学志望別にクラスが分かれます」(椎名先生)

 クラス分けは、まず文系・理系に分かれたうえで、「推薦で中央大学に進学する生徒」「中央大学にはない他大学の学部に進学する生徒および他大学を併願する生徒」に分かれます。国公立大学や中央大学にない学部・学科を受験する生徒は、中央大学への推薦資格を保持したまま、併願が可能。椎名先生によれば、昨年度は全体の13パーセントが他大学へ進学し、ここ数年、医歯薬看護系学部への進学者が増えているとのことです。

 ちなみに、中央大学では今、創立140年(2025年)に向けて、中長期事業計画がスタートしています。具体的には、新学部の開設やグローバル化推進のための準備が進められており、それに合わせて同校でも、カリキュラムの充実化や中高大連携の緊密化・システマティック化を検討しています。

 最後に、校長の木川先生は、同校をめざす受験生に次のようなメッセージを送ってくださいました。

 「中高の6年間は、自分なりの思考を深めていく時期に当たります。最初は目の前にいる人を見て、その個性を尊重することから始まりますが、視野を少しずつ広げていくことができれば、やがてはさまざまな価値観など、目に見えないものの重要性に気づけるようになるはずです。これからの時代を担う皆さんには、そうやって想像力を働かせて、見えないものを見ようと努力し続ける人に育ってほしいと考えています」

《学校のプロフィール》

中央大学附属中学校・高等学校

所在地
 〒184-8575 東京都小金井市貫井北町3-22-1
 JR中央線「武蔵小金井」駅より徒歩18分、または京王バスで「中大附属高校」下車。西武新宿線「小平」駅より銀河鉄道(バス)小平国分寺線で「中央大学附属中学・高等学校」下車 TEL 042-381-7651(中学)
H P http://chu-fu.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

《各種行事日程のお知らせ》

学校説明会(予約不要)
10月  7日(土)13:30〜
11月18日(土)13:00〜
※両日とも授業公開あり  8:45〜
白門祭(文化祭)
  9月16日(土)  9:30~15:30
  9月17日(日)  9:30~15:30
校内見学(要予約)
平日 15:30~17:00
土曜 13:00~17:00

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