受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「18年9月号」より転載/18年8月公開)

市川
中学校・高等学校

授業前の朝の10分間を活用し、
柔軟な思考力と発想力を育成する

 個性の尊重と自主自立を教育理念に掲げる市川中学校・高等学校は、“生涯学び続ける力”を身につけ、自分で自分を教育する「第三教育」を推進しています。早くから生徒主体の学びを重視していた、アクティブ・ラーニング(AL)の先駆けともいえる同校では、中2を対象に「アクティブ・モーニング」を実施しています。今回は中学2年学年主任の川崎学先生と国語科教諭の都筑靖先生、生徒2人に集まっていただき、その具体的な内容について話を聞きました。

新聞記事の要約や論述を通じて
文章力や論理性、独創性を磨く

左から都筑 靖先生(国際教育部副部長・国語科)、小野 花音さん(サピックス西船校OG・中2)石川 葵佳さん(サピックス新浦安校OG・中2)、川崎 学先生(中学2年学年主任・社会科)

―アクティブ・モーニングの導入の経緯や内容について聞かせてください。

川崎 これまで授業開始前の10分間は朝読書に取り組んでいましたが、アクティブ・ラーニングの活動に利用したいと考え、今の中学2年生が1年生のときにアクティブ・モーニングを考案しました。新聞の記事を要約し、自分の意見をまとめる「あさえぬ」と、3〜4人で活動するグループワークを中心に、週に1〜2回実施しています。

都筑 ちなみに、「あさえぬ」とは「朝の10分間ニュースペーパー イン エデュケーション」の略称です。内容は、幅広いジャンルの新聞記事を要約し、自分の意見を自分のことばで論理的な文章にまとめ、それを提出するというものです。要約力や記述力のほか、論理性や独創性を養う目的で始めました。文章を書く力は添削されないと伸びないので、わたしがチェックし、アドバイスやコメントを加筆して返却しています。パレスチナのデモの問題を取り上げた記事など、中学生には難しく感じるような内容もテーマとして取り上げています。

―興味を持ちにくい記事の場合、10分間で自分の意見を文章にまとめるのは大変ではないでしょうか。

石川 大変です。それでも、自分の興味とは切り離して、客観的に考えて書くしかないと割り切っています。

小野 わたしも最初は、何から書けばいいのか迷いました。しかし、添削されたものを読み返しているうちに、こつがつかめるようになったのです。期末テストの長文問題でもスムーズに要約できるようになり、上達していることを実感しました。

都筑 自分の得意分野でなくても、合理的な根拠とともに要約し、意見を書くことが大切なのです。大半の生徒は回数を重ねるごとに要約に慣れていきます。文章力も向上しているようです。

多様な意見を取り入れ
視野を広げるグループワーク
車の流れや、交通量などから「儲かるコンビニの立地」を考えるグループワーク。「まなボード」にアイデアを書き込みます

―グループワークはいかがですか。

川崎 あるテーマをもとにグループで討論し、最終的に一つの結論に絞り込んで、発表をするという流れで行います。テーマは、コンビニエンスストアの立地について考える課題からクラシック音楽の表現力について話し合うものまで、多岐にわたります。

石川 わたしは「地形図を読む〜どこから見た富士山?〜」というテーマが印象に残っています。異なる角度から撮った富士山の写真が3点あり、それぞれどの地点から撮影したものか、地図中の記号から選ぶという内容でした。昨年の夏期学校で富士山に登ったことを思い出しながら、楽しく進められました。

川崎 行事に絡めたグループ学習も多く設けています。実体験がベースになるので、生徒も興味を示しますね。

―結論はすぐにまとまりますか。

小野 テーマによってはみんなの意見が分かれ、一つの結論にたどりつくまでに四苦八苦することもあります。でも、苦労して結論を出せたときこそ、達成感を得られると思っています。

石川 市川は生徒同士が意見を言いやすい雰囲気なので、自分も周囲のみんなから刺激を受けました。自分と違う意見がたくさん出ると、いろいろな角度から物事をとらえられるようになり、自分の“考える技術”も上がっていきます。

都筑 10分間で結論を出せないときは、生徒たちがみずから休み時間を使って考え続けていますね。また、アクティブ・モーニングではこのほかに、語彙力を測る検定試験に向けた対策学習もしています。記述力を培うには、語彙力の養成は欠かせません。

発見のきっかけを与え
みずから学ぶ姿勢を育てる

―今後の展望を聞かせてください。

川崎 先ほどのコンビニの立地に関する課題のように、自分の身近にあるものに目を向けて疑問を持ったり、何かを発見して自発的に調べたりすることができるまでに成長してくれたらうれしいですね。

都筑 社会に目を向け、多様な問題に興味を持ってほしいという願いから、新聞記事を廊下に掲示することもあります。また、学校の図書館で「新書月間」なども設けているので、みずから研究のテーマを探せるような生徒になってほしいと思います。

―小野さんと石川さんは今後、挑戦したいことはありますか。

小野 市川には勉強と部活を両立しやすい環境が整っているので、今後も勉強だけでなく応援部の活動にも力を入れ、文武両道を貫きます。また、課外活動でのボランティアにも関心があります。東南アジアには、学校に行くことができない子どもがたくさんいます。そんな子どもたちに勉強を教えてあげたいので、これまで以上に英語の勉強に力を入れるつもりです。

石川 生徒主体で活動する部が多いので、やりがいがあります。わたしが所属する応援部も、勝つために何度もミーティングをして、試行錯誤しながら練習をしています。今年はいい成績を残すことが目標です。でも、宿題もたくさん出ているので、勉強もがんばります。

―最後に先生方から、市川中をめざす受験生にメッセージをお願いします。

川崎 本校の授業では“考える記述”に注力しています。入試ではその取り組みと関連した傾向の問題が出題されます。受験生は大変かと思いますが、春からは充実した中学生活が待っています。がんばってください。

都筑 本校ではレベルの高い授業が展開されている一方、土曜講座や部活など、生徒の興味・関心を刺激する学びのチャンスが数多く用意されています。入試を突破して、ぜひ中学校生活を満喫してください。

《学校のプロフィール》

市川中学校・高等学校

所在地
 〒272-0816 千葉県市川市本北方2-38-1
 JR総武線・都営新宿線「本八幡」駅、JR武蔵野線「市川大野」駅よりバスで各11分、「市川学園」下車。JRほか「西船橋」駅より直通バス20分(登下校時のみ運行)。京成本線「鬼越」駅より徒歩20分 TEL 047-339-2681
H P http://www.ichigaku.ac.jp 別ウィンドウが開きます。

《各種行事日程のお知らせ》

スクールツアー(抽選制・各回定員35名)
各回10:00 ~ 11:30
10月  6日(土)・13日(土)・20日(土)
11月10日(土)・24日(土)・12月1日(土)
学校説明会(要予約)
10月27日(土)
①9:00 ~、②11:30 ~、③14:00 ~
2019年2月23日(土)
14:00 ~(5年生以下対象)
なずな祭(文化祭)
  9月15日(土)9:00 ~17:00
  9月16日(日)9:00 ~15:00
体育大会
  9月30日(日)9:00 ~

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