受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「19年4月号」より転載/19年3月公開)

晃華学園
中学校高等学校

中学3年間の学びを融合
新スタイルの〝コラボ型〟授業が始動

 キリスト教的人間観に基づく教育を柱とし、多様な価値観や文化が共生する社会で活躍できる品格ある女性の育成をめざす晃華学園中学校高等学校。2018年度から、新たな取り組みとして「KOKA×SDGs 国際映像コンテスト」がスタートしました。公民の授業とICT(情報通信技術)教育、そして創立当初から力を入れてきた英語教育とをコラボレーションさせた斬新な授業です。その具体的な内容について、担当の長岡仰太朗先生(社会科)、佐野諒先生(理科・ICT)、川島明子先生(英語科)にお聞きしました。

SDGsに関する思いを
世界に向けて映像で発信

黒板に描いたエジソンをコマ撮りする生徒たちの様子。中学生ならではのアイデアが次々と生まれました 2018年度から始まった「KOKA×SDGs 国際映像コンテスト」は、ICT、英語、公民をコラボレーションさせた、新しいアクティブ・ラーニング型の授業です。対象は中3生全員。6、7人のグループに分かれ、「SDGsクリエイティブアワード」が定めた六つの目標から一つを選び、タブレットPCを使って、英語のナレーションや字幕を入れた1分間の映像を制作します。

 晃華学園では2015年に国連でSDGsが採択される前から、国際社会が抱える課題解決をテーマに、講演会やワークショップを開催するなど、さまざまな取り組みを行ってきました。SDGsに関する活動は、人類愛に基づき一人ひとりを大切にする同校の教育理念と、SDGsの趣旨や「誰も置き去りにしない」という考え方が一致することもあり、2016年から生徒自身の要望で始まりました。「誰かの役に立ちたいという温かい思いがあふれている」と川島先生が語るように、日ごろから奉仕活動などに携わっている同校の生徒たちの、SDGsへの関心は非常に高いようです。

 企画から撮影、録音、編集など、映像制作はすべて生徒自身が行います。グループで話し合ってテーマを選び、構成を考え、調べ学習を行い、絵コンテを作成して撮影をし、海外の人にも伝わるよう、映像に英語で説明を加えます。「SDGsに関する映像を作成するには、社会科、理科、英語科をはじめ、あらゆる科目の知識が求められます。究極の教科横断型授業といってよいでしょう」と長岡先生。今回の取り組みは、中学3年間で学んできた多様な知識や経験などを一つの作品に織り込み、発信していくことを目的としており、3月に札幌市で開かれる「第1回SDGsクリエイティブアワード」に全作品を応募する予定です。

【SDGs(エスディージーズ)】

 「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。2015年の国連サミットで加盟193か国が合意した、2030年までの15年間で達成するとした目標。17の分野別グローバル目標(貧困をなくす、質の高い教育を普及させる、気候変動対策を取るなど)と169の達成基準が定められています。

【SDGsクリエイティブアワード】

 SDGsの理念を広めることを目的とした日本発の動画作品コンテスト。第1回アワードは17のグローバル目標のうち、6つを「表現する目標」として作品を募集しました。

これまでの学びを連動させて
一つの「形」あるものに

 全員参加のこうしたコラボレーション授業の実現には背景があります。

 社会科では、2年前から公民の一部に国際という授業を設け、難民問題や国際平和への課題などをテーマに国際理解教育に取り組んできました。中3時には、それまでに培ってきた社会科の知識の総仕上げとして、授業内で模擬国連も実施。1クラス40人が全員参加し、40カ国を担当しました。

コラボ型授業の可能性について語る、佐野諒先生、川島明子先生、長岡仰太朗先生(向かって左から)

 「相手の立場になって論理的に他者と交渉する広義のコミュニケーション力を身につけてほしいという思いとともに、中1から学んできた世界地理の知識を、実際に活用できる力としたいという考えがありました」と話す長岡先生。学びを形にするという狙いは、映像コンテストの授業も同じです。

 一方、晃華学園は伝統的に英語教育に力を入れていることでも知られています。「楽しみながら学べるように、生徒の興味や関心を引き出す授業を心がけています」と川島先生は話します。また、「英語はあくまでもツール。学んだことをきちんと発信できるかということも重視しています」と言うように、英語教育においても常にアウトプットが意識されています。

 定評のある英語教育と並び、ICT教育にいち早く取り組んできたことも同校の特徴です。中1から1人1台のタブレット環境を整え、Webテストを行ったり、プレゼンテーションツールとして利用したりするなど、さまざまな場面で活用しているほか、情報リテラシーの教育も行っています。

 「理科の授業内でのワークショップや実験のプランニングにもタブレットを使います。生徒たちは情報機器をまさにツールとして使いこなして、知識をアウトプットしています」(佐野先生)

 これまで学んできたもの、培ってきた技術をコラボレーションさせ、一つの形にしたのが今回の映像コンテストの授業なのです。生徒たちはさまざまな表現手法を用い、情報機器を活用しながら作品を作り上げます。映像に入れる音楽も、使用可能なアプリを使って自分たちで作ります。同校では今後、このようなコラボ型の取り組みをさらに発展させ、さまざまな学習に活用していく考えです。

主体的に学ぶ姿勢を身につけ
高校生活という次なるステップへ

 学びを形にする喜びや、それを発信する楽しさから、生徒たちは生き生きとした様子で映像制作に取り組んでいます。制作には仲間と力を合わせる必要があることから、クラス内の雰囲気がさらに活性化するという、思わぬ教育的効果もあったそうです。

 「コラボ型授業や模擬国連など、いろいろな活動を通して生徒たちがお互いに刺激し合い、学校全体で学び合いが起こっている」(長岡先生)、「国際教育の結果、視野が広がり、海外留学や国内の英語キャンプへの参加希望者が増えている」(川島先生)、「『これをしたいのだが、どうすればいいのか』といった主体性を持った質問が増えるなど、生徒の意識が変わってきた」(佐野先生)というように、目に見える形での成果も出てきているようです。

 ベースとなる知識をもとに、思考力や洞察力を駆使して、まずは伝えるべきものを明確にする。そして発信するために必要となる技術、表現力、協調性を発揮する。この映像コンテストの授業は、中1からの3年間における同校の教育を集大成したものといってよいでしょう。

 最後に、受験生や保護者の方に向けて先生方から、「ある卒業生が文集に、『最後まで生徒の手を離さない学校』と書いてくれたように、晃華学園は本当に生徒一人ひとりを大切にする学校です。それぞれのやりたいことを全力でサポートする環境があるので、ぜひ、ここでやりたいことを見つけて、自分の夢につなげてください」とのことばがありました。

全体の構成やシーンごとの字幕・セリフを記した絵コンテの一部。各チームごとにさまざまな表現方法を考察しました

録音した音声をアプリを使って編集する様子。アプリや楽器を使ってBGMを作曲するチームもありました

《学校のプロフィール》

晃華学園中学校高等学校

所在地
 〒182-8550 東京都調布市佐須町5-28-1
 京王線「国領」駅よりスクールバス約10分、JR中央線「武蔵境」駅よりスクールバス約25分、京王線「つつじヶ丘」駅よりバス約6分、JR中央線・総武線「三鷹」駅よりバス約25分 TEL 042-482-8952
H P https://jhs.kokagakuen.ac.jp 別ウィンドウが開きます。

《各種行事日程のお知らせ》

学校説明会
①5月15日(水) ②6月6日(木)
体育祭
5月17日(金)
オープンスクール
7月21日(日)
文化祭
9月14日(土)・15日(日)
※詳しくはHPでご確認ください

ページトップ このページTopへ