受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「19年7月号」より転載/19年6月公開)

中央大学附属
中学校・高等学校

「自主・自治・自律」の基本精神に基づき、
実学を重視した独自の体験型学習を推進

 中央大学附属中学校は「自主・自治・自律」という基本精神の下、実社会で必要とされる「自ら考え、行動する知性」を伸ばす教育に力を注いでいます。附属校というメリットを生かした多彩な体験型学習や充実した中高大連携プログラムなど、受験勉強にとらわれない真に必要な学力を培う独自の取り組みについて、同校校長で中央大学法学部教授でもある木川裕一郎先生にお話を伺いました。

綿密な計画に基づく班行動での
“実体験”を通じて複合的に学ぶ

校長 木川 裕一郎 先生

 「実学の探究」を建学の精神に掲げる中央大学。実学とは、理論先行ではない、実社会で本当に役立つ学問を意味します。その理念は附属校である中央大学附属中学校の教育にも生かされており、各教科の授業や行事など学校生活のさまざまな場面で“実体験”を重視し、そこで得た複合的な学びを豊かな知識に昇華させています。

 生徒の知見を広げ、豊かな情操を育む場となるのが、各学年で実施される校外学習です。中1・2のワンデイエクスカーション(日帰り移動教室)もその一つ。社会・国語・英語などの授業で事前学習を行い、地図の縮尺から距離を計算して綿密に練り上げた行動計画に基づき、5~6人の班ごとに街を探索します。

 中1は東京駅に集合した後、都内の名所旧跡を巡り、東京の歴史や文化について学びます。最終目的地の中央大学後楽園キャンパスでは、理工学部のガイダンスを受けます。中2は鎌倉などを訪れ、事後学習としてその成果をまとめたものを文化祭で展示発表します。

 校長の木川裕一郎先生は、「班行動を積み重ねることで、『自ら考え、判断し、主体的に行動できる能力』を育みたいと考えています。これらの力は、社会人として重要な素養だといえるでしょう」と説明します。

充実した時間を仲間と共有し
生徒の主体性を育む宿泊行事

中2の奈良・京都移動教室の3日目に行う班別研修は、生徒たちが計画した行程で名所を巡ります

 ワンデイエクスカーションでの活動をさらに発展させ、学びを深めるため、中2では移動教室、中3では修学旅行が実施されます。木川先生は「これらの宿泊行事も、実体験を通じて生徒の探究力・行動力・分析力・表現力を高めることが狙いです。訪問先や企画内容は、学年の担任団によって決定されますが、現地での行動の一部は生徒の自主性に委ねられているだけに、『みんなで充実した時間を過ごそう』と、事前学習や準備に積極的に取り組みます」と説明します。

 中2の移動教室は、毎年秋に3泊4日の日程で奈良・京都を訪れるものです。4月から事前学習が始まり、歴史の授業や課題を通じて滞在先の文化や歴史、地理、美術などに関する知識を深めます。奈良では史跡を訪ね歩き、京都では座禅体験、1日の班別研修、クラス別研修を実施。全体の計画や運営、旅行中のルールなどは、旅行委員会の生徒を中心に話し合いで決定します。班別研修は、生徒が計画した行程に沿って行われます。

 中3の沖縄修学旅行は、秋に4日間の日程で実施。事前に複数のテーマで調べ学習に取り組んだうえで現地に行き、平和学習のほか、自然観察や琉球文化体験もして、沖縄を多角的に学びます。

中3の沖縄修学旅行では、沖縄国際大学の屋上から普天間飛行場の滑走路に並ぶオスプレイを見て、基地問題を考えました

 昨年度は、沖縄戦で住民たちが最後に追い込まれた地である荒崎海岸を訪れ、海からは艦砲射撃、空からは機銃掃射を受け、砲弾が飛び交うなかで、多くの住民が命を落とした当時の状況について話を聞きました。最終日には、沖縄国際大学の屋上から普天間飛行場を見下ろしながら、基地とオスプレイの問題に関する佐藤学教授の講義を聞きました。さらに、事後学習として、生徒は修学旅行で学習した内容に基づいて問題提起をし、論文を執筆。2月の学習発表会ではその論文の発表とディスカッションが行われました。

 木川先生は「戦争を経験した方や基地の近隣で生活する方の話を通じて、沖縄戦の実態や、豊かな自然のなかに横たわる基地問題の現実について生徒は多くの事柄を考え、学びました。沖縄が抱える負の側面に目を向けることが、今の日本について考えを広げるきっかけとなりました」と語ります。

大学・大学院と連携し
“真に必要な学力”を培う

プロジェクト・イン・サイエンスでは、中央大学の実験施設で最新機器を使用し、本格的な実験に取り組みます
ロースクール体験授業では、法制度と人々のかかわりについて学び、生徒は自分自身の問題として受け止めます
 2018年度、中央大学附属高校はスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されました。「次代のイノベーションを担う、大学進学後も活躍する科学技術人材を育成する教育課程の開発」という研究開発課題に基づき、中学校でも実験を中心とした高度な授業が行われています。

 中3の理科では、週5回のうち1回は、科学に関するさまざまなテーマを複数の教員が交代で扱う授業「プロジェクト・イン・サイエンス(PIS)」を実施。中央大学理工学部と連携し、ロボット・プログラミング、パスタを建材の代わりにして高い塔を建造する"Pasta Tower"など、生徒は通常の理科の授業とは異なるテーマに触れ、多彩な科学的体験を通して課題解決力を養います。「また、中央大学後楽園キャンパスにある理工学部の実験室を利用し、理工学部の学生の協力を得ながら本格的な物理・化学実験を年2回行います。さらに、理工学部の研究室を見学し、ロケット工学や生命科学など、最先端の研究を目の当たりにすることで、大学の学問への理解を深めます」(木川先生)

 さらに、中3では中央大学法科大学院との連携による「ロースクール体験授業」も行われています。市ヶ谷キャンパスにある法科大学院を訪れ、弁護士や検察官として活躍するロースクールの教授陣から講義を受けます。大学院生による法教室では、身近なトラブルを題材に学生が手作りした映像や写真を見ながら議論を深め、グループで発表。模擬法廷教室では本物の法廷さながらの雰囲気も体験できます。

 木川先生は、「大学や大学院と連携し、中学と高校で多彩な体験型授業を展開することで教養を深めるとともに、『数年後にはこの場所で学ぶのだ』という大学への帰属意識を高めることができるのは、総合学園ならではの強みです。今後も教育手法の開発を進め、“真に必要な学力”を培う教育プログラムを拡充していきます」と抱負を語りました。

《学校のプロフィール》

中央大学附属中学校・高等学校

所在地
 〒184-8575 東京都小金井市貫井北町3-22-1
 JR中央線「武蔵小金井」駅より徒歩18分、または京王バス「中央循環」で「中大附属高校」下車。西武新宿線「小平」駅より銀河鉄道バス「小平国分寺線」で「中央大学附属中学・高等学校」下車 TEL 042-381-5413
H P chu-fu.ed.jp 別ウィンドウが開きます。

《各種行事日程のお知らせ》

学校説明会
10月  5日(土)13:00~(予約不要)
※授業公開あり9:45~
11月30日(土)13:00~、15:30~(要予約)
オープンキャンパス
  7月14日(日)
  7月15日(月・祝)
※体験授業、スクールランチは要予約
白門祭(文化祭)
  9月21日(土)
  9月22日(日)
校内見学(要予約)
平日 15:30~17:00
土曜 13:00~17:00

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