受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「19年10月号」より転載/19年9月公開)

大宮開成
中学・高等学校

すばらしい大学合格実績を支える
ノートを使っての「能動的学習」の定着

 大宮開成中学・高等学校は2005年の中高一貫部の開設以来、国公立大学や難関私立大学への合格実績を伸ばし続けていることで知られます。高い実績は充実した教科指導・進路指導のたまものですが、生徒一人ひとりを大切にするきめ細かい指導によって、みずから目標を設定し、その目標に向かって継続的に努力し続ける「能動的な学びの土台」をつくっていることも、背景にあります。中学主任の越阪部晋先生と中学3年担任の岩﨑朋美先生に詳しく聞きました。

めざすは、大学合格実績ではなく
実社会において役立つ人間創り

中学主任 越阪部 晋先生

 『サンデー毎日』が毎年4月に発表している「この10年で伸びた学校」ランキング。その年の難関大学への合格実績を10年前と比較して、その伸びが顕著だった学校をランキング化したものですが、大宮開成高校は5年連続で、東日本の高校で第1位です。2019年度も、2009年度には合格者が1人もいなかった旧七帝大に、東京大学(2名)を含め、合計14名が合格。早慶上理は44名から228名へ、MARCHは136名から593名へ、それぞれ大幅に増え、これら16大学の合計で見ると、180名から835名へと10年間で4.64倍にも増えています。

 同校が中高一貫部を開設したのが2005年4月なので、10年前の2009年度はその卒業生がまだ出ていないため、単純な比較はできませんが、2019年度だけの数字を見ても見事なものです。それでも越阪部先生は、「誇れる結果だと思いますが、わたしたちは、難関大学に合格する生徒を量産するのがいい学校だとは思っていません」と話します。

 越阪部先生が考える、あるべき学校の姿、すなわち大宮開成中学・高等学校がめざしているのは、高校卒業後、大学卒業後、さらにその先、「実社会において役立つ人間を創る」こと。「そのためには、究めたい学問分野を見つけ、社会に出たらやりたい仕事をする、それに向かって中高6年間、また、卒業後もがんばり続ける生徒を育成しなければならないと考えています」と話す越阪部先生。すばらしい大学合格実績はその中間決算というわけです。

夢を描き、常に意識するために
先生とノートをやりとり

中学3年担任 岩﨑 朋美先生

 大学合格実績については、強力な教科指導と進学指導で、ある程度の結果を残すことができるでしょう。しかし、生徒一人ひとりに、究めたい学問分野、やりたい研究・仕事を見つけさせ、それを学習のモチベーションにつなげるように誘導することは容易ではありません。「生徒が100人いれば、100の希望があり、そこにたどり着くまでのルートも100通りあります。それを教員が指導することは物理的に無理。仮にできたとしても、高校卒業後は、誰が導いてくれるわけではなく、独りで歩いていかねばなりません」(越阪部先生)。そのためには、生徒自身が、自分で目標を見つけ、その目標達成の方策を自分で考え・選択する、「自立した人間」になる必要があります。

 大宮開成はそのサポートをしっかり行います。同校では、中高の6年間を2年間ずつ三つのステージに分け、学習面では、ステージごとに「基礎学力の完成」「進路意識の確立」「現役合格力の完成」という目標を掲げ、それぞれの時期に身につけるべき能力を明らかにしています。また、並行して、「生命尊重」「異文化理解」「企画・運営力、協働力、リーダーシップ力」などを「人間に幅を持たせるために習得すべき力」として、やはりステージごとに目標を示し、それを意識した講演や研修、キャンプなどを展開しています。

学習予定や反省点、今週やるべきことなどを書いた「Pride」(下)と「Foresight」(上)。先生のコメントも書かれています

 そして、こうした達成目標・習得目標を日常的に意識し、日々の学習を能動的なものにするために活用しているのが「Pride」と「Foresight」という2冊のノートです。

 このうち中1・2生が使う「Pride」は、毎日の起床・就寝時間、月~土曜日の時間割や宿題、小テストの得点、そして土日を含めた自学習の予定、その日の反省点などを書き込むA4サイズの生活記録ノート。見開きで1週間分を記録します。一方、A5サイズの「Foresight」は中3から高2の生徒たちが使う自己管理ノートです。1年後・3年後になりたい自分をイメージし、そこから1か月・1週間・1日の計画とその結果を記入します。

自然と身につくPDCAサイクル
保護者との連携も密に

放課後は、たくさんの生徒が質問などに職員室を訪れ、マンツーマンのミニ講義が行われています

 ノートは毎日書きます。中1の最初のころは毎朝、担任の先生に提出し、先生はその日のうちに全員のノートに目を通し、それぞれ30~50字程度のコメントを付けて生徒に戻します。定着するにしたがって、このやり取りは週に3回、2回、1回と減っていきますが、基本的にノートは毎日書きます。「自学習の予定や『やるべきこと』を書くことで、生徒は、自分は何がどこまでできていて、何ができていないかを確認・把握します。教員にも見せるので、目標は自然と現実的なものになり、それは達成すべき本当の目標になります。また、反省点を書くことで振り返りも習慣化します」と話すのは岩﨑先生。これが習慣化すれば、PDCA(Plan=計画、Do=実行、Check=確認、Action=行動)サイクルが自然と身についていきます。「受験勉強ばかりでなく、大学進学後も、また社会に出てからも、研究や仕事に役立つはずです」(岩﨑先生)

 ノートは、保護者の方にも1週間に1度見せ、学校と共有したほうがいい情報があれば書いてもらいます。そうすることで、学校と家庭との連携が密になります。また、中高生の時期は親子間のコミュニケーションが途絶えがちですが、岩﨑先生によると、「ノートを通じて学校での様子がわかるので、とても安心なさる」とのこと。一方、ノートを保護者に見せるということは、学校側にとっては「わたしたちは一人ひとりの生徒をしっかり見ている」という自信がなければできないこと。先生方にとっては、良いプレッシャーになるはずです。

 同校が、「この10年で伸びた学校」として長くトップを維持できているのも、6年間の育成スケジュールを立て、日々のやりとりを通じて、生徒たちに目標を見失わせないようにしていることも大きく影響しているようです。

《学校のプロフィール》

大宮開成中学・高等学校

所在地
 〒330-8567 埼玉県さいたま市大宮区堀の内町1-615
 JR各線・東武野田線「大宮」駅東口より徒歩19分、または「大宮」駅よりバス7分「天沼町(大宮開成中学高等学校前)」下車 TEL 048-641-7161(代)
H P www.omiyakaisei.jp 別ウィンドウが開きます。

《各種行事日程のお知らせ》

学校説明会
10月  5日(土)10:00~
10月26日(土)13:00~
10月27日(日)11:00~
12月  7日(土)10:00~
入試対策会(要予約)
11月  9日(土)9:00~
11月23日(土・祝)9:00~
4・5年生対象 学校説明会
  2月15日(土)10:00~
開成祭(文化祭)
10月26日(土)10:00~16:00
10月27日(日)10:00~15:00

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