受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「19年10月号」より転載/19年9月公開)

森村学園
中等部・高等部

世界標準の「言語技術」を軸に
次代を開く未来志向型教育を実践

 日米貿易を先導した実業家・森村市左衞門が、1910(明治43)年に自邸内に設立した森村学園。現在はつくし野の閑静な住宅街にキャンパスを構え、「正直・親切・勤勉」の校訓の下、「独立自営」の志を持つグローバル人財を育てています。そんな同校の特色あるカリキュラムについて、校長の江川昭夫先生と入試広報部長の小澤宗夫先生に伺いました。

ことばの運用力を高めて
世界に羽ばたく力を得る

校長 江川 昭夫先生

 「グローバル人財の育成」は、近年の学校教育の柱の一つ。森村学園も国際社会で活躍できる人材の育成に務めていますが、同校の場合、広く世界に目を向けた教育への取り組みは、今に始まったことではありません。

 というのも、同校の創立者は江戸時代末期から大正時代にかけて活躍した著名な実業家・森村市左衞門。創立者は現在のTOTOやノリタケカンパニーリミテド、日本ガイシなどを起こした日米貿易の先駆者で、未来を担う若者の支援にも熱心でした。慶應義塾大学や早稲田大学、北里研究所などに多額の寄付を行ったほか、晩年には高輪の自邸内に幼稚園と小学校を設立。これが森村学園の礎となったのです。

 「本校は成り立ちからして未来志向であり、家庭的な校風を大切にしながらも、常にグローバル人財の育成をめざしてきました」と校長の江川昭夫先生。もちろん、時代ごとに教育の手法は変えており、2012年からは世界に通用する表現力や論理力を磨くために、「言語技術」の授業を行っています。

 言語技術とは、欧米の母語教育の基盤である「ランゲージアーツ」の日本語版。論理的なアプローチで「聞く・話す・読む・書く」の4技能を伸ばすとともに、論理的思考力・批判的思考力・創造的思考力などを高めるというものです。

 「日本語は主語の省略を好みますし、空気を読み合う文化なので、発信者の意見があいまいになることがあります。それに対して、英語をはじめとする世界標準の表現では、発信者は先に自分の考えを述べ、続いて根拠を示していくのが一般的。言語技術は後者のスタイルを踏襲しており、これを学ぶと、自然と論理的思考力が身につくのです」と江川先生。

 実際、入学後のわが子の変化に気づいた保護者からも、「子どもが用件を的確に述べるようになった」と、喜ぶ声が多く上がっているそうです。

基本の型を徹底して
論理的な表現法を学習

 言語技術の授業については、現在、「つくば言語技術教育研究所」の協力の下、中等部の3年間で合計90時間ほど、国語とは別枠で行っています。

入試広報部長 小澤 宗夫先生

 入試広報部長の小澤宗夫先生は、「芸事などもそうですが、言語技術には基本の型があります」と話します。たとえば、自分の考えを述べたり、書いたりするときは、「結論→理由→まとめ」というパラグラフ構成に落とし込むのが鉄則で、生徒はこうした型を習得するため、さまざまな課題に挑戦します。

 その第一歩が「問答ゲーム」です。これは「あなたは○○が好きですか?」という問いに対して、「わたしは○○が好き(嫌い)です。なぜなら××だからです」と主語を略さず、きちんと理由を添えて答えるというもの。生徒はまさにゲーム感覚で言語技術の骨子をつかみ、論理的表現力の素地をつくっていきます。ほかにも、絵や写真を見て、その状況を分析するなど、言語技術のカリキュラムは多種多様です。

 こうして習得した論理力や表現力は、すべての教科に応用が可能。欧米の母語教育を基盤としているだけに、特に英語の学習には大きな効果を発揮します。

 「たとえば、2017年の英検 ®3級の記述問題は、問答ゲームそのままでした。また、今春の一橋大の英語の入試では、写真を見て状況を英語で説明させるという出題がありました。最近は、同様の自由英作文の入試問題が増えていますが、言語技術を学んでいれば、スムーズに論理的文章を組み立てることができます」と、小澤先生は言語技術の有用性を説明します。

生徒の視野を広げる
海外研修を複数用意

 また、同校は実地でのグローバル教育にも熱心で、渡航の機会を複数用意しています。まず、中3の修学旅行では、全員でニュージーランドへ。生徒は1週間の旅程のなかで、地元の中学生らと触れ合い、「ハカ」や「ポイ」といった伝統舞踊にもチャレンジします。

 一方、希望制の海外研修は、オーストラリアコースと、地中海のマルタ島コースの二つがメイン。前者は主に中等部生にも門戸を開いており、参加者は夏休みの3週間、提携先の現地校で英語を学び、アクティビティーも楽しみます。

 ユニークな取り組みとして注目されるのは、高等部生対象のマルタ島(旧イギリス領)研修。実は、マルタ共和国はマルタ語のほかに英語も公用語で、ヨーロッパの非英語圏の人々が英語研修に訪れる国なのです。同校の生徒は他国の参加者と同様、事前に英語力テストにトライし、自分の実力に合ったクラスで研修に臨みます。現地では、実際にランゲージアーツを学んだ他国の学生が、片言でも堂々と自分の意見を主張する姿を見て、大いに触発されて帰国します。

 さらに、同校は「相互の国際交流」を重視しており、留学生の受け入れにも積極的です。また、世界とつながるためのICT環境も整えつつあり、来年度からは、タブレット(キーボード付き)を使用する授業がスタートします。

 江川先生は、「これからの時代に大切なのは、自分で課題を見つけて解決する力を持つことです。皆さんもぜひ、本校で論理的思考力を育て、それを批判的思考力や創造的思考力につなげ、社会に出ても学び続ける力を養ってください」と締めくくりました。

高等部生対象のマルタ島研修の様子。7000年もの歴史の中を散策しながら、現地の語学学校に通い、ヨーロッパ諸国の高校生とともに英語を学ぶことができます

日本型の表現文化は保持しながらも、世界標準型の表現文化を「言語技術」を通して体得することで表現文化の「二刀流」をめざします

中等部では週に1時間、高等部ではライティングの時間にネイティブの先生の授業があります

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

《学校のプロフィール》

森村学園中等部・高等部

所在地
 〒226-0026 神奈川県横浜市緑区長津田町2695
 東急田園都市線「つくし野」駅より徒歩5分、JR横浜線・東急田園都市線「長津田」駅より徒歩13分 TEL 045-984-2505
H P www.morimura.ac.jp 別ウィンドウが開きます。

《各種行事日程のお知らせ》

学校説明会(要予約)
10月26日(土)14:30~
11月12日(火)10:30~
入試問題説明会(要予約)
12月  7日(土)14:30~
ミニ説明会(要予約)
  1月11日(土)10:30~
みずき祭(文化祭)
  9月22日(日)
  9月23日(月・祝)

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