受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「20年4月号」より転載/20年4月公開)

晃華学園
中学校高等学校

中高3学年が「模擬選挙」にチャレンジ
生徒主体の実践型“コラボ”授業を実施

 カトリック精神に基づき「多文化共生の世界に開かれた品格のある女性」の育成をめざす晃華学園中学校高等学校。近年は複数の教科を組み合わせる「教科横断型」や、複数の学年で一つのテーマに取り組む「学年縦断型」のコラボレーション授業など、生徒を主体にした実践的な学びを積極的に導入しています。たとえば社会科・公民科の授業では、2018年より中3・高1・高3の3学年が縦断的に「選挙」について考える「模擬選挙」を実施。その目的や内容について、社会科・公民科担当の佐藤駿介先生にお話を伺いました。

中3の全クラスが政党を立ち上げて
生徒全員がマニフェストを作成

佐藤駿介先生

 晃華学園中学校高等学校では近年、生徒主導型のコラボレーション授業の導入が活発化しています。複数の教科を通して考えを深める教科横断型の授業では、中1生を対象に社会科・家庭科・英語を組み合わせた「人に優しい食事を考える」などのプログラムを実施。複数の学年にまたがる学年縦断型の授業では、中1生・高2生が学ぶ「イスラムの暮らし紹介」といった多様な取り組みを行っています。

 2018年から社会科・公民科の授業で始まった「晃華学園衆議院議員・参議院議員選挙」は、2学期末に中3(公民)・高1(現代社会)・高3(倫理)の3学年が、マニフェストの作成から投票までを行う学年縦断型のコラボ授業。中3生がクラスごとに政党を立ち上げてマニフェストを作成し、有権者として高1生が参議院に、高3生が衆議院に投票します。佐藤先生は「生徒がみずから政策を考えて発信することで“選挙”に対する深い理解につなげます」と、その目的を話します。

 第2回となる今回も、中3の4クラスが「こんぺい党」や「やっぱりポテ党」「ハッピーセッ党」「フレッシュトマ党」を立ち上げました。各政党には党首や党の3役を含め、文化科学担当や経済産業担当など20近い大臣職があるため、各役職に衆・参1人ずつクラス全員が立候補します。役職ごとに「地方活性化」や「働き方改革」「領土問題」などといった論点が設定されているので、担当の生徒はそれに対するマニフェストをA4・1枚の用紙で作成していきます。

 クラスごとのマニフェストが数十ページの冊子として完成すると、高1生と高3生が各クラスのマニフェストを比較しながら投票を行います。開票後には、階段に敷かれた赤い絨毯の上に選出された首相と大臣が並び、写真撮影を行うという徹底ぶりです。

高1には先進的な電子投票を導入
高3は本物そっくりの投票所で

 「模擬選挙」は、中学生と高校生に対するシティズンシップ教育の一環として行われるものですが、学年ごとに目的が異なります。

 マニフェストを作成する中3の目的について佐藤先生は、「自分が望む社会の在り方を考えてほしい」と話します。授業では党のポスターづくり、大臣の担当選任、マニフェストの作成まで、すべてを生徒が主体となって行っていきます。「マニフェストも絵が得意な生徒は漫画形式にするなど、個性にあふれています」と佐藤先生。生徒がみずからマニフェストを立案することで、社会への問題意識が高まります。

 高1の目的は、有権者として投票する際にどのポイントを重視するかを考えることです。生徒たちは、前年中3としてマニフェストの作成を経験しているので、その苦労を理解したうえで、何が投票の決め手となるのかを考えます。「マニフェストを読み込みたいから、もう少し時間がほしいと訴える生徒もいるほど、投票は真剣です」と佐藤先生は語ります。

 さらに高1では、ICT教育の一環としてタブレット端末を活用した電子投票を実施しています。先進的な取り組みである電子投票を経験することで、そのメリットやデメリットについて議論を深める機会にもなっています。

 高3の目的は、社会の一員として大人になる意義について考えることです。そこで授業ではまず、学内のベテランの教師がゲストスピーカーとして「大人になること」について語ります。ゲストスピーカーの語る内容をよく考えたうえで、投票に臨みます。

 投票は、校舎内に設置された本物そっくりの投票所で行います。調布市の選挙管理委員会から投票箱を借りて、投票用紙や鉛筆の配置にも徹底してこだわっています。「高3にはすでに投票権を持っている生徒もいるので、有権者としての自覚を持ってもらいます」と佐藤先生。投票後には、マニフェストを作成した中3生に対して高校生活のアドバイスやエールを書いて送ります。佐藤先生は、「中3生からの発信に対して、高3生もメッセージを返信し、残すことで、先輩と後輩が学び合う場をつくっています」と話します。

 昨年の授業では大きな番狂わせが起きました。選挙は20議席を争うなか、A組が5議席、B組が6議席、C組が6議席、D組が3議席を獲得しました。ところが首相指名選挙を行うと、A組がD組と協議して連立を組むことで8議席を確保して政権を取りました。「生徒を信頼して一から任せると、こちらが想定している以上の成果を出してくれます。まずは生徒自身に考えさせることが大事です」と佐藤先生。クラスで考えた政策を少しでも生かしたいという生徒の強い思いが、こうした結果をもたらしました。

 「模擬選挙」の今後について、佐藤先生は、「大人になるというのは発信する立場になることです。発信者としての感覚を高める方向に、プログラムを発展させていきたいと考えています。たとえば、美術や書道の先生とコラボして、ポスターなどのデザイン性も追求したいですね。見せ方を工夫することで、有権者にどのような影響を与えることができるのかを考えるのです」と話します。

校舎内に設けられた投票所。投票用紙も本物そっくりです

自分たちのマニフェストを伝えるために、生徒たちはさまざまな工夫を凝らしています

模擬選挙を体験して

主体的な学びの効果を実感!

 高3のN・Mさんは、投票先の決め手について「すべてのマニフェストをチェックすることが大変だからこそ、主題のわかりやすさを重視しました。この経験は実際に投票する際に役立ちます」と、授業の効果を話します。第1回総選挙で首相に選出された高1のK・Wさんは、「選挙では3位でしたが、どうしても自分たちの政党の公約を反映したくて、4位の政党と話し合い、連立を組みました」と、最後まであきらめなかった首相指名選挙選について語ります。一方、大学入試改革を論点にマニフェストを作成した中3のK・Hさんは、「正しい情報を精査するのには、ふだんの情報リテラシーに関する授業が役立ちました」と話します。また晃華学園の特徴についても、「授業は実践形式が多いので、身をもって学べる楽しさがあります」と生き生きと語ってくれました。

左から、N・Mさん(高3)、佐藤先生、K・Hさん(中3)、K・Wさん(高1)

《学校のプロフィール》

晃華学園中学校高等学校

所在地
 〒182-8550 東京都調布市佐須町5-28-1
 京王線「国領」駅よりスクールバス約10分、JR中央線「武蔵境」駅よりスクールバス約25分、京王線「つつじヶ丘」駅よりバス約6分、JR中央線・総武線「三鷹」駅よりバス約25分 TEL 042-482-8952
H P jhs.kokagakuen.ac.jp 別ウィンドウが開きます。

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②  6月20日(土)  9:00〜 ※授業公開あり
③  8月29日(土)14:00〜
④12月17日(木)14:00〜
⑤  1月  9日(土)10:00〜
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②11月14日(土)13:45〜
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①10月31日(土)  9:30〜
②10月31日(土)13:30〜
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  7月26日(日)10:00〜
文化祭
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体育祭
10月26日(月)
合唱コンクール
  2月18日(木)10:15〜

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 詳しくは学校HPでご確認ください。

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