受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「20年9月号」より転載/20年8月公開)

成城
中学校・成城高等学校

中高完全一貫校化に伴い、
先輩と後輩のつながりを一層深める

 成城中学校・成城高等学校は、1885年の創立以来、文武両道主義に基づく「伝統男子教育」を継承しながら、人間力の高いリーダーの育成をめざしています。2013年度からは「成城版グローバル教育」をスタート。海外の有名大学から学生を招いて、5日間の校内研修を行う「エンパワーメント・プログラム」を導入するなど、新しい時代に向けた教育も展開しています。さらに、2019年度からは高校の募集を停止し、現在は中高完全一貫校にシフト中です。今回は、校長の栗原卯田子先生に、これからの取り組みや卒業生の活動、さらに休校期間中のオンライン授業について伺いました。

新学習指導要領を踏まえ、
「6年一貫」を意識した授業を展開

校長 栗原 卯田子 先生

 伝統ある男子校として135年の歴史を歩んできた成城中学校・成城高等学校は、2019年度から高校募集を停止。中高完全一貫校として、6年間を見据えた教育に移行中です。先行して実施したカリキュラムについて、校長の栗原卯田子先生は次のように話します。

 「昨年度までは、高2で文系・理系にコース分けをし、さらに高3で国公立と私立に分ける4コース制を採っていましたが、今年度からは、文系・理系のみの2コース制に変更しました。理由は、早稲田大学政治経済学部の入試で数学が必須になるなど、大学入試の多様化が進んできているからです。あえて国公立と私立のコースに分ける必要はないと考えました」

 それに伴い、高3からは習熟度別授業のほか、必修選択科目や自由選択科目も設け、生徒の進路希望に柔軟に対応できるようにしました。

 また、新学習指導要領に合わせて、国語・数学・英語に関連した学校独自の時間を新設。一つは、中3を対象にした「国語表現」です。「日本語でしっかりとした論述ができるように、言語技術や表現力を磨く授業で、時には探究活動を通して、プレゼンテーションも行います」(栗原先生)。二つめは、中1の「数学統計」です。数学と情報の授業をコラボレーションさせた内容で、プログラミングをはじめ、統計学の基礎に触れていきます。

 そして三つめは、生徒のライティング力の強化を目的とした、高1の「英語表現」です。この授業は、ネイティブ教員がオールイングリッシュで展開。生徒が執筆した英文の添削も行い、表現力を高めていきます。いずれの授業も、中高を通じてより深く掘り下げる内容になっています。

 そもそも、高校募集を停止した経緯について、栗原先生はこう話します。

 「人間形成を教育目標に掲げている本校では、中学生と高校生のつながりを深める伝統行事や部活動なども大切にしてきました。このような特色を生かすためには、完全6年一貫教育がふさわしいという結論に至ったのです」

 たとえば、同校には大正時代から続く中1の「臨海学校」があります。泳力を上達させるために修泳を行いますが、海で泳ぐ中1の安全を守るため、選抜された高2生が補助員として指導やサポートに当たります。高2生にとってはリーダーシップを学ぶ絶好の機会になり、中1生はそんな頼もしい先輩の姿にあこがれを抱き、自分のロールモデルとして見ることになります。「このような縦のつながりを、6年間かけてさらに強くしていきたい」と栗原先生は言います。

世界を舞台に活躍する
卒業生がロールモデルに

 先輩・後輩の縦のつながりは、卒業してからも続いています。朝7時半から夜7時まで利用できる「自修館」には、同校OBがチューターとして放課後に常駐し、日々の学習サポートのほか、受験指導にも当たっています。卒業式の日に「チューターとして雇ってください」という生徒もいるほど希望者が多く、栗原先生による採用面接の際には、「成城が大好きだから、学校のために役に立ちたい」「自分が先輩にしてもらったことを、後輩に受け継いでいきたい」といった声が多く聞かれるそうです。「どの生徒も成城が好きで、後輩を大切にする思いが伝わってきて、胸が熱くなります」と栗原先生もうれしく思っています。

 近年では、卒業生たちの活躍も目覚ましく、たとえば、東京理科大学の理学部に進学した卒業生は、学部の1年生ながら学会に論文デビューし、あるコンクールで文部科学大臣賞と最優秀賞を受賞しています。

 また、今年度卒業した2名の生徒は、高3のときに日本生物学オリンピックの本選に出場。本選に出場できるのは、全国の会場で行われる代表選抜試験を勝ち抜いたトップ80名ですが、一つの学校から複数名が選抜されるのは数少ないことです。

臨海学校では高2が中1の指導に当たり、中1にとっては身近なロールモデルとなります

 海外の大学に進学する生徒も増えています。「現在、台湾の大学に5人の卒業生が在学している」とのことで、台湾屈指の難関大学である淡江大学に進学するなど、いずれも優秀なOBばかりです。「剣道部出身の卒業生の1人は、台湾の実践大学に進学しました。進学した学部の授業はオールイングリッシュで行われているのですが、彼は中国語もマスターするために、現地の子どもや学生に剣道を教えているそうです。日本を発つ前は中国語にはそれほど関心を示していなかったので、成長を感じました」と栗原先生。

 このように、海外に視野を広げる生徒が増えている背景には、「成城版グローバル教育」があります。カリフォルニア大学の学生を招き、同校の生徒と英語で議論・企画・発表を行う「エンパワーメント・プログラム」をはじめ、オーストラリアや台湾を訪れる「グローバルリーダー研修」など、自己を確立し、実現力を磨くプログラムを用意しています。現在、台湾の大学に在籍している卒業生たちも、こうしたプログラムに参加したことが、海外大学に進学するきっかけになったそうです。

職員会議で何度も意見を交わし
充実したオンライン授業に

 今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、同校では5月中旬からオンラインで授業の配信を行いました。それに当たり、4月上旬から教員全員がオンライン研修を受け、研修担当の教員が1本5分の動画を12本作ることを試みるなど、一から研究したそうです。

 最初は1日4コマを週6日間にわたって実施。1回の授業は1時間ですが、「オンラインは対面授業より疲れが出やすい」という判断から、前半30分で動画を配信し、後半はGoogle meetやチャットを使って、生徒からの質問への回答や確認テストの時間に充てました。「1教科につき、1学年すべての生徒に授業を同時配信することにしたので、教員たちは何度も意見交換し、中身の濃い内容に仕上げました。回を追うごとにスキルアップしたようで、登校日が近づいたころには生徒からも高い評価を得られるようになりました」と栗原先生。また、今後を見据えて、ICTに詳しい教員でチームも立ち上げました。今回の経験を生かし、オンラインと通常授業のコラボレーションなども検討しているそうです。

 最後に、栗原先生は受験生にメッセージを送ってくれました。「受験勉強につまずくことがあっても、みずから勉強する目的を持ち、今やるべきことは何かと考えたとき、おのずと『こつこつとやるしかない』という答えにたどり着くでしょう。成城の入試対策では、基礎・基本をしっかり押さえた学習をすることが大切です。このコロナ禍で、経験したことのない状況が続いていますが、前向きにとらえられる人こそが、受験を制すことができるのだと思っています」

《学校のプロフィール》

成城中学校・成城高等学校

所在地
 〒162-8670 東京都新宿区原町3-87
 都営大江戸線「牛込柳町」駅西口より徒歩1分 TEL 03-3341-6141
H P www.seijogakko.ed.jp 別ウィンドウが開きます。

《各種行事日程のお知らせ》

学校説明会(要予約)
  9月26日(土)
10月14日(水)
10月31日(土)
11月14日(土)
12月  2日(水)
  1月13日(水)
成城祭(文化祭)
11月14日(土)、15日(日)
今年度はオンラインで実施予定
※日時や内容が変更になる場合があります。学校ホームページで必ずご確認ください。

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