受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「21年9月号」より転載/21年8月公開)

市川
中学校・高等学校

文化祭で初の試み「中学3年演劇祭」
立ち上げから本番まで、すべて生徒主導

 市川中学校・高等学校の「なずな祭(文化祭)」が今年、新しい企画を盛り込んでリスタートします。「みずから生涯学んでいける力を養ってほしい」という考えから、生徒たちの自主的な取り組みを重視したスタイルで、新機軸の一つとして初めて開催されるのが中3の学年企画「演劇祭」。企画・脚本・舞台設定・役者まで、全員参加で各クラスが演劇を披露します。その「演劇祭」について、実行委員の4人の中3生と学年副主任の山田一彰先生にお話をお聞きしました。

演劇祭実行委員会を立ち上げ、
自分たちの手で開催準備を進める

左から、小林優さん(実行委員会委員長)、高﨑蒼菜さん(広報部部長)、穴井奏衣さん(広報部装飾班)、油利友香さん(広報部装飾班)、山田一彰先生

―演劇祭とはどのような催しですか。

小林 なずな祭の中3の学年企画で、9クラスがそれぞれ演劇を披露します。

高﨑 各教室に舞台を作り、大道具・小道具・音響・照明・衣装・演出・脚本・役者など、公演に必要なものすべてを自分たちで考えて準備をしています。

油利 裏方も含めて、中3生全員が何らかのかたちで参加します。

穴井 今年が初めての企画なので、実行委員会を立ち上げるところからスタートしました。

―組織作りから始めたのですね。

小林 2月に実行委員会を立ち上げ、まずは実施要項の作成から取り掛かりました。組織体制から予算、スケジュールまで議論しながら策定しました。

高﨑 実施要項は約70ページにもなります。完成したときにはこれだけで、達成感がありました(笑)。

小林 実行委員会は演劇祭を運営する位置づけで、マネジメント部・公演部・広報部に分かれています。組織上、その下に各クラスの代表責任者、さらにクラス内の各担当がいます。詳細を決めるのは各クラスで、実行委員会は各クラスにアドバイスする立場です。

高﨑 実行委員会のメンバーは男女約30名で、各クラスにさまざまな班があり、それをクラス責任者がまとめ、その責任者と実行委員会が連携します。

―皆さんはなぜ実行委員に立候補しようと思ったのですか。

穴井 わたしと油利さんは硬式テニス部なのですが、山田先生の募集動画がとてもおもしろく、立候補しました。

小林 わたしは演劇部に入っていて、観劇が趣味なので、ぜひやってみたいと思いました。

高﨑 わたしは美術部で、広報部でのポスター制作やパンフレット制作に興味があったので、手を挙げました。

山田 生徒は本格的な演劇作りの経験がないので、本校の卒業生もいる東京大学の演劇チームにサポートしてもらっています。彼らのアドバイスを受けながら、ゼロから作っています。

油利 演目も、各クラスで自分たちがやりたいものを選びます。古典からコメディーまでさまざまです。

詳細な組織体制を構築して
それぞれが担う役割を明確に

今年のなずな祭(10月2日・3日開催予定)は、生徒以外の来場は生徒の保護者のみの予定です。詳しくは学校ホームページをご確認ください

―実行委員会はどんな役割を担っているのですか。

小林 マネジメント部は会議設定、スケジュール、書類全般の管理など実行委員会内の事務的なことを取り仕切っています。公演部は、各クラスの責任者と連携しながら、演劇の仕様や、音響や照明などの機材管理を担当します。

高﨑 広報部には、文化祭をアピールする広報班のほか、装飾班・パンフレット班・ポスター係・賞班があります。

油利 わたしたち装飾班は、演劇祭の入り口のアーチのほか、廊下や天井などの外装を担当しています。

穴井 3週間かけて、各教室の廊下に飾る演目案内のサンプルを制作しました。テーマがなかなか決まらず大変でしたが、みんなで力を合わせて作り、とても楽しかったです。

油利 穴井さんとわたしが担当で、うまく作れるか不安でしたが、友人が手伝ってくれました。木材を切るところから始めて、完成したときはうれしかったです。

穴井 当日、全クラスの案内板が廊下に並んだら、壮観だと思いますよ。

―具体的な作業の進め方や、段取りなどについて教えてください。

小林 照明であれば、どういう照明を使いたいか各クラスの希望を聞いて、公演部がレンタル会社と交渉します。

高﨑 ポスターは、本物の劇団のフライヤー(宣伝用チラシ)を参考に、どういう絵や構図であれば目に止まりやすいかなどを考えて案を練っています。

小林 衣装は、自分たちで作ったり、買ったものに手を加えたりしますが、その判断は各クラスに任せています。ただし、予算の上限を設けているので、予算内で収めるようお願いしています。大道具に力を入れたいクラスはそこに多くの予算を使いますが、それもクラスの判断に任せています。

穴井 シナリオも、小説をもとに自分たちで書きおこすクラス、既存のシナリオを使うクラスなど、いろいろです。

高﨑 賞については、最初は来場者に投票してもらう予定だったのですが、皆さん、すべてのクラスの作品を見るわけではないので、各クラスの演目ポスターについて投票してもらうことにしました。

―そうしたことも、自分たちで決めていくのですね。

高﨑 組織が連携するには情報共有が大事なので、各担当者間の会議は議事録を作成して、各部長や委員長が内容を把握できるようにしています。

山田 「自分たちで考えて組織をマネジメントしていく」。それはわたしたち教員が期待している部分でもあります。意見を求めてきたとき以外は口出しをせず、見守るよう心がけています。

人をまとめることの難しさと
みんなで作り上げる楽しさを実感

―実際に携わっていて、大変だと思うことはありますか。

油利 手伝ってくれる人がたくさんいてありがたいと思うと同時に、チームをまとめていく難しさも感じました。

小林 8月から本格的に準備が始まります。全体の動きを見ないといけないのですが、なかなか予定どおりに進まないこともあり、難しいなと思います。

―これまで携わってきて、どのような思いや感想を持っていますか。

小林 最初はこんなに大変だとは思っていませんでした。自分たちでやらなければならないことが多くて。ところが時間がたつにつれて、協力してくれる仲間が増えて、みんなで作り上げる雰囲気が生まれ、大変さよりも喜びのほうが強くなりました。

穴井 これまでかかわりがなかった人と一緒になって同じ目標に向かって努力し、つながりも深まり、実行委員会に入ってよかったと思っています。

油利 みんなで作り上げていくのは大変ですが、そこにやりがいと喜びを感じています。

高﨑 わたしたちが作ったポスターやパンフレットを見て、お芝居を見たいと思ってフロアに来てもらえればうれしいです。中3のフロアに入ったときに、華やかで楽しそうだなと思ってもらえるよう準備したいです。

山田 この学年は「多様性の寛容」を学年テーマに掲げています。演劇祭も、実はやりたくない生徒もいるのではと思っています。そうした生徒も含めて、みんなで一つの創作物を作るという機会を通じて、学びを得てほしいと考えています。生徒たちには、これからぶつかるだろう壁を突き抜けて、何かをつかんでほしい、そう思っています。

小林 多くの方にぜひ見ていただければと思いますし、わたしたちの経験を後輩たちにつなげて、来年以降も演劇祭が続いていけばうれしいです。

《学校のプロフィール》

市川中学校・高等学校

所在地
 〒272-0816 千葉県市川市本北方2-38-1
 JR総武線・都営新宿線「本八幡」駅、JR武蔵野線「市川大野」駅よりバスで各11分、「市川学園」下車。JRほか「西船橋」駅より直通バス20分(登下校時のみ運行)。京成本線「鬼越」駅より徒歩20分 TEL 047-339-2681
H P www.ichigaku.ac.jp 別ウィンドウが開きます。

《各種行事日程のお知らせ》

学校説明会(オンライン併用)要予約
10月23日(土)
①9:00~、②11:00~、③13:00~

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