受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「23年1月号」より転載/22年12月公開)

専修大学松戸
中学校・高等学校

多角的なプログラムによる英語教育を実践
国際的な視野や進路の幅を広げる

 建学の精神に「報恩奉仕」「質実剛健」「誠実力行」を掲げる専修大学松戸中学校・高等学校は「使える英語」の習得をめざし、国際理解教育に力を入れていることで知られています。そのカリキュラムは、英語の基礎を定着させる座学の文法から、実践を重視する英会話、アメリカへの修学旅行や国際交流まで、多角的な内容で構成されています。今回は英語教育の具体的な取り組みについて、2人の先生にお話を伺いました。

英語教育専用校舎を利用して
実践的に使える英語を習得

教頭代理の北村 洋先生(左)と、入試広報の内藤 絢子先生

 同校は、1959年に創立した専修大学松戸高等学校を基盤とし、2000年に中学校を開校しました。高校創立当初から国際教育で成果を挙げていたこともあり、中学校でも開校時から英語教育に力を注いでいます。以来20年以上、「英語の専松」として躍進し続け、2021年度は中学卒業までに約85%の生徒が英検®️準2級以上を取得するまでになりました。こうした実績の背景には、「使える英語」を身につける同校の英語教育があります。

 中学の英語の授業は週7コマあり、そのうち5コマで英文法などの基礎を学習します。一方、残り2コマは英語教育専用校舎「アンビションホール」において、ネイティブ教員と日本人教員とのチームティーチングによる英会話を学びます。生徒たちはアメリカのボードゲームや英語の本などが置かれた教室で、海外の文化にも触れながら、ディスカッションやプレゼンテーションなどアクティブな学習に取り組みます。教頭代理の北村洋先生は「この授業ではショッピングやレストランで使う英語表現など、教科書に載っていない身近で実用的な英会話も扱います。また、1クラスを二つに分けた少人数制を導入し、発話の機会を増やしています。習熟度別にはしていないので、英会話が苦手な生徒も得意な生徒の影響を受け、積極的に発言するようになります。お互いを高め合い、支え合う効果が生まれているようです」と説明します。また、同校には中学に4名、高校に3名のネイティブ教員が常勤しています。中学ではネイティブ教員と昼休みに英会話を楽しむ「ランチタイムアクティビィティ」や、グループで協働して作品を創り、英語で発表する「イングリッシュデイ」(中1)など、多様な英語行事があって、ふだんの英語学習の成果を発揮する絶好の機会となっています。

SDGsについて留学生と語り合う
オールイングリッシュのキャンプを実施

 中学3年間の英語教育の集大成となるのが、中3全員が参加するアメリカ中西部のネブラスカ州への修学旅行です。これは英語で何かを成し遂げてほしいという願いを込めたオリジナルプログラム。午前中はサマースクールに参加し、生物解剖学や料理教室をはじめ、幅広い講座から選んで受講します。午後は現地の大学生とグループ活動を行い、買い物を楽しんだり、博物館でアメリカの歴史に触れたりします。北村先生は「この修学旅行で体験したことが契機となり、『医療の分野に進みたい』など、将来の目標を定める生徒もいます。世界を見ることで視野が広がり、自分の夢につなげる生徒がいるのはうれしいことです。生徒たちには単に語学力を伸ばすだけではなく、その一歩先まで前進し、英語力を社会に役立ててほしいと願っています」と話します。

 さらに帰国1週間後には、モチベーションを維持するために、外国人留学生と2日間にわたって交流を深める「ISAプログラム」を実施します。これは、東京大学や一橋大学などで学ぶアジア人をはじめとした“英語を母語としない留学生”と英語でディスカッションなどを行うものです。北村先生は「これも全員参加です。5〜6名の小グループに対し、留学生が1名入るので、全員がコミュニケーションをとりやすくなります。留学生との異文化交流に多くの生徒が刺激を受け、最後には自分の将来の夢についてスピーチします」と語ります。また、修学旅行で「もっと現地でコミュニケーションをとりたかった」という生徒のリベンジの場でもあるそうです。

 現在、新型コロナウイルスの影響で、ネブラスカ州への修学旅行は停止していますが、今年は代替の宿泊行事として、グローバルキャンプを実施しました。これはISAプログラムをさらに拡大し、SDGs中心の内容にしたもの。山梨県の清里で3日間にわたり留学生を招き、ISAプログラムと同じような学習スタイルで学びました。

 また、中3の夏休みからは家庭学習の一貫として、1日1回25分間、1対1のレッスンを受けられるオンライン英会話も実施。最大週7回の受講が可能で毎日欠かさず取り組んでいる生徒もいます。130か国の中から自分で講師を選択でき、英語のレベルや会話の内容も選べます。

英語教育専用校舎「アンビションホール」。身近で実用的な英会話を学びます ISAプログラムの様子。外国人留学生と積極的に交流します ネブラスカ修学旅行は、生きた英語に触れ、異文化を肌で感じる、忘れることのできない体験となります
英検®や漢検、数検は全員で受検
学力・学習意欲をみんなで高め合う

 もちろん、英語だけでなく、他教科の授業も充実しています。理科では通常授業とは別に、週1コマの「理科実験」の時間を設け、探究心を養っているのが特徴です。数学は先取りで1年前倒しの授業を行うほか、高校では東大対策から補習を中心にしたものまで、生徒が自由に選べる講座を豊富に開講するなど、多彩な学習に対応しています。中学生は、英検®️のほか、漢検や数検も全員受検します。入試広報の内藤絢子先生は「特定の生徒だけでなく、みんなで学習意欲を高め合うプログラムが多いのが本校の特色です。全員参加の場合、学校のサポート体制も整えやすく、英検®の2次試験の面接対策でも生徒一人ひとりと練習する時間をつくっています」と述べました。

 こうした取り組みによって身につけた確かな力が支えとなり、大学合格実績も向上しています。2022年春の卒業生は、中高一貫生166名のうち、京都大学や東京工業大学をはじめとする国公立大学に19名、早慶上理ICUに42名、GMARCHに75名が現役合格しました。これまでの卒業生たちの多くは、大学入学後も、留学プログラムへの積極的な参加や、英語以外の言語の習得など、中高時代の英語学習の姿勢が継続しているとのことです。学んだことを「どのように生かし、役立てるか」という意識を持ち、取り組むことが、これからのグローバル社会を生き抜く力につながっていきます。同校で学び身につけるのは、学力だけでなく、新しい目標に向かっていける力です。

 最後に、内藤先生が校長の五味光先生から預かった受験生へのメッセージを紹介しました。

「本校の建学の精神『報恩奉仕』をより具現化した教育ビジョンが『社会に貢献できる知性豊かな人材の育成』です。学んだ知識やスキルは自分だけで消化するのではなく、社会に還元してほしいと願っています。本校に入学して確実な学力を養い、社会や他者のために役立てる力を身につけてください」

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

《学校のプロフィール》

専修大学松戸中学校・高等学校

所在地
 〒271-8585 千葉県松戸市上本郷2-3621
JR常磐線(千代田線直通)「北松戸」駅より徒歩10分、
新京成線「松戸新田」駅より徒歩15分
TEL 047-362-9102(中学)
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《各種行事日程のお知らせ》

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。
https://www.senshu-u-matsudo.ed.jp/junior/examination/setsumeikai/

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