受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

Spotlight

(21年12月公開)

順天中学校・
順天高等学校

生徒も教員も同じ立場で学ぶイベント
6回目の「Global Week」を開催

 「英知をもって国際社会で活躍できる人間を育成する」という教育理念の下、「創造的学力」と「国際的人間性」を育む教育を実践する順天中学校・順天高等学校では、スーパーグローバルハイスクール(SGH)事業の一環として、2016年から毎年、「Global Week」を開催しています。6回目となる今年のイベント(11月15日~19日)を取材しました。

60以上のトピックのなかから
関心の高いものを選択して参加

胃液に見立てた液体のpHを計測します

 「Global Week」は、「立場を超えて互いに学びあう1週間」というスローガンの下で実施される同校独自のイベントです。大学の先生や企業の研究者、同校の生徒などが「話題提供者」となり、月曜から金曜までの5日間、15時~16時30分までの90分を使って授業を行います。テーマは科学やSDGs、晩年を王子で過ごした渋沢栄一に関するものなど多岐にわたり、5日間で合計60以上のトピックが展開されます。

 イベントには教員、中3から高2までの生徒全員、高3の希望者のほか、保護者の方も参加することができます。また、参加者は、1トピックにつき、事前学習やフィードバックを含む約2時間分の課題に取り組みます。

 この日、編集部が最初に取材したのは、「実験で学ぶ 体内でのくすりの運命 ~薬剤師が科学者として行っていることを体験してみよう」というトピック。話題提供者は日本薬科大学講師の別生伸太郎先生です。スライドを用いた別生先生の説明は、小学校の理科で学ぶ内容の復習から始まり、徐々に難度が上がっていきます。

 このトピックでは実験が行われ、生徒たちはグループで意見を交わしながら意欲的に取り組みました。参加した生徒は「薬学には以前から興味がありました。同じ病気に効く薬でも、薬によって溶けるスピードがまったく違うものがあるということを初めて知り、薬学や化学についてもっと深く学んでみたくなりました」と話しました。

グループワークを行うトピックもあります

 続いて取材したのは、同校を卒業した大学生3人と岐阜大学工学部名誉教授の藤井洋先生による「未知を探る楽しみ ~声から感情を読み取ることはできるか~」というトピックです。3人の卒業生は高校時代、同校の理数選抜類型Sクラスに所属し、音声と感情についての研究を始め、それぞれ違う大学に進学した現在も共同研究を続けています。先輩たちから実験に利用したシステムやその結果についての詳しい説明を聞いた生徒たちは、時々、「難しいね」と言っていましたが、冗談も交えたプレゼンテーションに笑いが起きる場面もあり、和やかな雰囲気のトピックとなりました。また、自己推薦入試で大学に合格した経験や、大学生活についてなど、先輩としての話もあり、生徒たちは興味深く聞いていました。

終了後には質問する生徒の列も
イベント後も話題提供者とつながり続ける

トピック終了後には、生徒たちが話題提供者のところに集まり、質問や連絡先の交換をしていました

 「GIGAスクール構想は何を目指すのか」というトピックでは、文部科学省初等中等教育局参事官の安彦広斉氏が話題提供者となり、中高生の情報活用能力の育成について、海外と比較したデータを紹介しながら説明しました。易しいテーマではありませんが、参加した生徒たちは、自分たちにかかわることでもあり、真剣に耳を傾けていました。参加していた高1生に話を聞くと、「将来は研究機関で働きたいと考えています。研究職に就くことに少し不安を感じていましたが、文部科学省の担当の方も自分と同じようなことを課題に感じ、解決のために実際に動いてくださっていると知り、安心しました」と話しました。

 「Global Week」をきっかけに進路を決め、話題提供者のいる大学・学部に進学した生徒もいるとのこと。実際、トピック終了後には、どの教室でも生徒が長い列を作り、話題提供者に積極的に質問をしていました。また、なかには、話題提供者と連絡先を交換し、イベント終了後にメールで継続的にやりとりをする生徒もいるそうです。

 同校では、「総合的探究の時間」「理数探究」「英語探究」など、探究活動の時間をいくつか設けており、今回のトピックを今後の探究活動のテーマに設定することもできます。生徒にとっては、これからの学びの〝糧〟となるイベントとなったのではないでしょうか。

《学校のプロフィール》

順天中学校・順天高等学校

所在地:〒114-0022 北区王子本町1-17-13
交 通:JR京浜東北線、東京メトロ南北線「王子」駅より徒歩3分 東京さくらトラム都電荒川線「王子駅前」駅より徒歩3分
TEL:03-3908-2966
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