Spotlight
(「22年9月号」より転載/22年8月公開)
成城中学校・
成城高等学校
図書館と連携した独自の授業を展開
卒業生によるキャリア教育も充実
創立以来、138年にもおよぶ歴史を持つ男子校として知られる成城中学校・成城高等学校は、文武両道主義の下、高い人間力とやり抜く力を備えた生徒の育成をめざしています。2021年度からは、高入生のいない中高完全一貫校として新たなスタートを切りました。最近の教育内容や今後の展望などについて、校長の岩本正先生に伺いました。
文字に触れて本をより身近に
海外との交流も徐々に再開
成城中学校・成城高等学校では、言語技術や表現力を養う「国語表現」、統計学の基礎や情報について学ぶ「数学統計」など、新学習指導要領を意識した独自の授業を展開しています。そのうち、中1の「国語表現」では、図書館と連携した「点検読書」を実施しています。点検読書とは、タイトル・目次・小見出しなどをもとに本の内容を予測して、大まかな内容を把握する読書方法です。授業では、1グループ5名の班に分かれて、あらかじめ用意された5冊の本を回しながら点検し、一冊を選定した後、他のグループにも紹介します。
図書館には、約3万5000冊の本が所蔵されています 校長の岩本正先生は、「積極的に文字に触れてもらうために、中1という早い段階で導入しました。“本の専門家”である司書が選書した本を読んで、そのおもしろさに気づいてくれたら、うれしく思います」と、笑みを浮かべます。実際に、この授業をきっかけに本に興味を持つ生徒は多く、授業を開始してから、図書館の貸し出し冊数が目に見えて増加したとのことです。
一方、グローバル教育については、高1を対象に、ニュージーランドへの3か月間のターム留学を計画しています。また最近では、カンボジアに古くから伝わる昔話を題材に、絵本を制作して現地の小学校に送るという取り組みを開始しました。絵本は、成城祭(文化祭)で販売し、1Buy 1Send(一つ買うと別の一つを寄付)を行う予定です。
「学校生活だけでは、生徒たちは限られた環境にとどまってしまいがちです。他国で生きる人々と交流することで、世界で起きているさまざまな出来事について、敏感にとらえる力をつけてほしいと思います」(岩本先生)
勉強する意味を知って
学習へのモチベーションを高める
校長 岩本 正先生
同校は、企業と連携したプログラムを実施するなど、キャリア教育にも力を入れています。その一つとして、ホームルームや土曜日の放課後に開催される、卒業生による講演会があります。講演会を始めたきっかけは、「なぜ勉強する必要があるのか、いま何をするべきか、それを中高生時代に知りたかった」という卒業生の声でした。「講演会には、学年を問わず多くの生徒が集まり、卒業生の話に真剣な表情で耳を傾けています」と、岩本先生。「勉強する意味を知ることで、勉強に対するモチベーションを高く保てると思います。卒業生の話は、将来の目標を定めるのにも役立つでしょう。講演会後、生徒たちは卒業生を取り囲んで一生懸命に質問を投げかけています」と続けます。
最後に岩本先生は、「勉強は、試験に合格するためだけのものではありません。中学・高校・大学、そして社会に出ても、自分を高めるためには、常に学ぶ姿勢が大切です。皆さんには、ぜひ学ぶことを楽しんでほしいと思います」と、受験生にメッセージを送りました。
《学校のプロフィール》
成城中学校・成城高等学校
●所在地:〒162-8670 東京都新宿区原町3-87
●TEL:03-3341-6141
Information
学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。
https://www.seijogakko.ed.jp/admission/events/
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