受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

Spotlight

(「22年9月号」より転載/22年8月公開)

法政大学第二
中・高等学校

体験・探究を重視した10年一貫教育で
「自由を生き抜く実践知」を育む

 法政大学第二中・高等学校は、法政大学の付属校として1939年に開校しました。長く男子校でしたが、2016年に中高が同時に共学化し、生徒たちは充実した施設・設備がそろう環境で伸び伸びと学んでいます。中高大の10年一貫教育体制の下、「自由を生き抜く実践知」を育成する同校の教育について、校長の五十嵐聡先生に伺いました。

思考力・分析力・表現力を磨く
科目横断型の探究活動

さまざまな実験に取り組み、成功・失敗の原因を考察・分析するまでの一連のプロセスを通じて、生徒たちは「学び方」を体得します 同校では「出会い、向き合い、『自分』をつくる」という方針の下、実物に触れて興味・関心と問題意識を喚起する「主体性」、話し合って仲間と共に取り組む「共同性」、各教科の学びをつなげて思考する「総合性」を意識した10年一貫教育を実践しています。

 中学から一般入試で入学する生徒は約200名ですが、帰国生入試で入学する生徒も約20名います。さらに高校では書類選考や学科試験で入学する生徒が加わり、1学年630名の多様な仲間と一緒に学びます。校長の五十嵐聡先生は「本校では日々の授業において体験・対話を重視し、討論や発表を多く実施しています。中学からの入学生には、このような環境で思考力・分析力・表現力を磨き、高校・大学で『核』としてリーダーシップを発揮してくれることを期待しています」と語りました。

 その柱となるのが、中1・3の正規の授業として週1コマ設定されている「総合」です。生徒たちは約6万5千冊の蔵書数を誇る図書館を拠点に、教科横断型の調査・探究活動に活発に取り組んでいます。司書教諭が、各教科の教員と連携しながら授業を担当するとともに、学習相談にもていねいに対応。中1では集めた資料を整理し、分析した内容を文章などにまとめる一連の過程を通じて、問題を発見し、その解決法を探る力や根拠に基づいて思考する力を育成します。中3では、広島での研修旅行と関連づけながら、「平和・多様性」「歴史・文化」「自然・環境」について学びを深めます。

週1回、2コマ連続の実験で
「理科のおもしろさ」に目覚める

校長 五十嵐 聡先生

 高校卒業後は、一定の条件を満たすことで、法政大学への推薦入学が認められる有資格者となります。今春の有資格者は卒業生の97%で、そのうち88%が法政大学に進みました。法政大学の理工系学部への進学者は近年増加し、同校の卒業生が占める割合は約30%、そのうち女子は約30%になります。五十嵐先生は「今春、共学化初年度に中学に入学した1期生が大学1年生になりましたが、理工系学部を希望する生徒が増えたため、その推薦枠が拡大されました」と述べました。

 「理科のおもしろさ」に目覚めるきっかけとなるのが、2人の教員がチームティーチング形式で指導する理科の実験です。中学には各学年に1室の専用理科実験室があり、高1には生物・地学の2室、高2には物理の2室・化学の1室があり、6学年で計8室を完備。中学では週1回、2コマ連続で実験が行われ、中学3年間で70回にも及びます。生徒たちはオリジナルの「実験ノート」に実験結果を記録し、考察した内容をまとめて提出します。

 五十嵐先生は「時間的にゆとりがある付属校だからこそ、具体的事象に触れながら主体的に学ぶことで生徒の興味・関心を喚起し、知識を充実させることができます。今後も多種多様な体験・探究活動に力を注ぎ、法政大学憲章に記されている『自由を生き抜く実践知』の育成につなげていきます」と語りました。

《学校のプロフィール》

法政大学第二中・高等学校

所在地:〒211-0031 神奈川県川崎市中原区木月大町6-1
TEL:044-711-4321

Information

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。
https://www.hosei2.ed.jp/admission/event/exp_jhs

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