Spotlight
(「23年6月号」より転載/23年5月公開)
東京農業大学第一
高等学校中等部
新校舎建設でより学びやすい環境に
仲間と化学反応する「共創」の場をめざす
「知」を耕し深めていくという「知耕実学」の理念に基づき、本物に触れ、物事を体験し、みずから考え答えを導き出す「実学教育」に力を入れる東京農業大学第一高等学校中等部。今年秋には新校舎が完成するなど、同校のさらなる発展に向けた取り組みが注目を集めています。その内容について、教頭の紙谷知行先生に伺いました。
実験や実技科目の授業がさらに充実
「本物に触れる学び」に磨きをかける
新校舎は、今年の秋に1棟目が、2025年秋に2棟目が完成予定 東京農業大学第一高等学校中等部では新校舎の建設を進めており、2023年秋に新2号館が、2025年秋に新3号館が完成する予定です。実技系科目の教室が集まる新2号館には、二つずつに増やした音楽室と美術室のほか、家庭科の授業で使用する調理室に加えて、新たに被服室を設けます。さらに、約400人を収容できるフリースペースのラウンジや、新しい自習室などもできる予定です。
一方、新3号館には、生徒たちが過去に行った研究成果を展示するスペース「サイエンスストリート」をはじめ、最新の設備を整えた理科実験室などを設けます。また、生徒たちがより気軽に活用しやすくするために、図書館を1号館5階から新3号館1階へと移動。自習机や、グループワークなどで使えるワークスペースも設置する予定です。
教頭の紙谷知行先生は、「新校舎建設により、理科の実験や実技科目の授業をより充実させ、生徒たちにはこれまで以上に本物に触れる学びを提供したいと思っています。そして、今年度から新たに掲げる『共創し、新たなステージへ』の実現に向けて、仲間と共に成長できる空間の整備をめざします」と話します。
仲間と協力し、刺激し合いながら成長を
2025年度からは高校募集を停止予定
課題研究が進路を決めるきっかけになった生徒もたくさんいます
同校が新たに掲げるスローガン「共創」には、仲間と協力し、お互いが良い刺激となって共に成長するという意味が込められています。「共創」は、誰もが自由に使えるラウンジをはじめ、ところどころに置かれたベンチ、生徒たちが腰掛けて談話できるほど幅広く設計された大階段など、新校舎にも反映されています。自習室など、一人で作業する場所がある一方で、そのすぐそばには、仲間と学び合える空間を意識的に設けているのです。「コロナ禍を通じて、仲間同士が顔を合わせて化学反応し合うことが学校の意義だと、われわれ教員も生徒たちも再確認しました。生徒たちには、コロナ禍を乗り越えたように、無理だとあきらめるのではなく、実行するにはどうすればよいかを工夫しながら、仲間と共創する姿勢を養ってほしいと思います」と、紙谷先生は語ります。
2025年4月からは、付属小学校である東京農業大学稲花小学校の児童が初めて入学してきます。それに伴い、2025年度以降の入試制度を変更する予定です。「72名の全児童が入学するとしても、募集定員は現在の175名を圧迫しないように設定します。新校舎建設は、生徒数の増加を見越したものでもあります」とのこと。
さらに、2025年度から高校募集の停止も予定しています。完全中高一貫校になることについて、「たとえば、中2・3を通じて自分の興味のある物事について研究する『課題研究』は、中高一貫校になることで高校進学後も継続可能です。生徒たちの将来につながる深い学びが実現できるに違いありません」と、紙谷先生は期待します。
《学校のプロフィール》
東京農業大学第一高等学校中等部
●所在地:〒156-0053 東京都世田谷区桜3-33-1
●TEL:03-3425-4481
Information
学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。
https://www.nodai-1-h.ed.jp/?page_id=16
◎学校関連リンク◎
◎人気コンテンツ◎