受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

SCHOOL LIVE! スクールライブ!

(2011年10月公開)

大妻中野中学校・高等学校/この夏、電子黒板を導入した新校舎が完成 工夫した授業展開で生徒の理解をサポート


 前身となる文園高等女学校の創立から、今年で70周年を迎える大妻中野中学校・高等学校では、「伝統を継承し、未来を創造する空間」をコンセプトに、2年前から新校舎の建設を進めてきました。そして、いよいよこの夏、特別教室や高校の普通教室などが入る第Ⅰ期校舎が完成。この新校舎の特色は、14の普通教室に導入された電子黒板です。電子黒板を利用した授業には、どんなメリットがあるのでしょうか。高校の英語と数学の授業を取材しました。

電子ペン、シミュレーションソフト、電子黒板の特長を生かした授業展開


「英語II」の授業は単語の確認からスタート。重要なアクセントの位置には赤い電子ペンでチェック

 大妻中野中学校・高等学校では、この夏、新校舎の完成に合わせ、高1・2の全教室と、高3の教室の一部、英語・物理・化学・生物の専門教室に電子黒板が導入されました。電子黒板は「インタラクティブ・ホワイトボード」とも呼ばれ、手元のパソコンとの相互活用が可能になるのが特徴です。OHPなどのこれまでのプロジェクタと異なるのは、パソコンの画面を映し出したスクリーンの上に電子ペンで書き込みができ、その書き込みをパソコンに保存できること。さらに、パソコンで表示したウェブサイトや教育ソフトをスクリーンで簡単に見ることもできるので、授業中の調べものもその場で可能です。


「ボキャブラリーシート」を手に、席の近い友だちとペアで単語の意味や発音を確認します

 編集部が最初に訪れたのは、高2の「英語 II」の授業です。この授業は、「ボキャブラリーシート」と呼ばれるプリントを使った単語の学習から始まります。このプリントは、担当の鵜澤菜摘子先生がワードソフトで作ったもので、生徒はそれを見ながら、近くの席の友だちと単語の発音や意味を確認します。その合間に、先生は、「ボキャブラリーシート」のワードファイルを電子黒板で拡大。発音の際に注意が必要となるアクセントの位置を、単語の上に電子ペンで書き入れていきます。電子ペンで書き込む文字は、太さも色も自由自在。ですから、重要度に合わせて使い分けることが可能です。


操作ボタンは黒板の脇に。電子黒板なら拡大も縮小も自由自在です

 一通りおさらいが終わると、確認を兼ねて、簡単なテストが行われます。ここでももちろん、電子黒板を活用。ワードファイル上で文字の色を白にすると、一時的に文字を隠すことができるので、問題となる単語は白文字に。答え合わせをするときは、その部分を黒文字に戻します。こうすれば、板書の時間を大幅にカットできるので、授業が滞りなく進みます。これも電子黒板授業の大きなメリットです。


「英語 I 」の授業では、パワーポイントを使って、オーストラリアの写真を紹介


各教室にパソコンが備え付けてあるので、授業前の準備にも手間がかかりません

 高1の「英語Ⅰ」の授業では、この夏休みに希望者を対象に実施された「オーストラリア短期留学」の活動報告が行われていました。片山美佳先生が、パワーポイントで作成したスライドを、電子黒板を使って紹介します。「オーストラリアと日本、どのくらい離れているかわかる?」と先生。生徒たちが「うーん」と考え始めると、先生は「じゃあ、グーグル先生に聞いてみましょう」と、教壇のすぐ脇にあるパソコンを操作して、スクリーンにグーグルマップを表示しました。紙の世界地図とは異なり、インターネット上の地図なら縮尺を自在に調整できるうえ、授業中に生まれた疑問を瞬時に解決できます。ネットと親和性の高い電子黒板ならではといえるでしょう。

 最後に訪れたのは、高3の「数学演習 II」という選択授業。ここでは文系と理系の生徒が合同で、三角関数についての問題を解いていました。電子黒板推進委員会副委員長でもある担当の高村亮先生は、『GRAPES』というシミュレーションソフトを使って、グラフの移動問題について詳しく説明します。このソフトは、関数を入力すると、ただちにそのグラフを表示してくれる優れもの。入れる数値によって形を変えるグラフを見て、生徒も「そうか、そこを考えればいいのか」と納得の表情を浮かべていました。


「数学演習 II」の授業では、三角関数の説明が行われていました


シミュレーションソフトを使った説明に「そういうことだったのか」と生徒も納得


2013年には中学にも導入予定。ますます広がる電子黒板授業の可能性


もちろん、電子ペンを使ってグラフの上に文字を書き込むことも可能です

 授業後に、電子黒板の導入の狙いについて、電子黒板推進リーダーの中川徹夫先生、電子黒板推進委員会委員長の牛込裕樹先生、副委員長の高村亮先生にお話を伺いました。「いちばんの狙いは、視覚から知識を定着させ、生徒のイメージを膨らませること」と話すのは牛込先生です。単元に関連する写真や動画を、授業の“つかみ”に使ったり、教科書の上では動かないグラフも、ソフトを使って動かして見せたりすることで、生徒の持つ苦手意識の払拭につなげようというわけです。


左から牛込裕樹先生、高村亮先生、中川徹夫先生。推進委員会が中心となって、電子黒板授業の浸透を図っています

 しかし、それには弊害もあります。先生が映像材料を提供するだけでは、生徒が自分自身で考え、頭の中で“動かないものを動かす”想像を怠ってしまうからです。高村先生は、「電子黒板で見せる写真や動画はあくまで補足。電子黒板を使うか板書を使うかのバランスをよく見極めて、授業を進めていきたいですね」と話します。

 1年半後の2013年には、現在建設中の中学の新校舎が完成し、全教室に電子黒板が導入される予定です。将来的には、「教室に無線LANを飛ばし、生徒一人ひとりにタブレット端末を持たせることで、電子黒板の相互性をいっそう高めることも検討しています」と中川先生。大妻中野の電子黒板授業の可能性は、今後ますます広がっていくことでしょう。

《学校のプロフィール》

大妻中野中学校・高等学校

●所在地 〒164-0002 東京都中野区上高田2-3-7
●交 通 JR・東京メトロ「中野」駅から徒歩10分、西武新宿線「新井薬師前」駅より徒歩8分
●電 話 03-3389-7211
●H P http://www.otsumanakano.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

《平成23年度 各種行事日程のお知らせ》

●学校説明会(予約不要)

10月22日(土) 10:00~11:30

●入試説明会(予約不要)
11月26日(土) 10:00~11:50、14:00~15:50
 1 月7日(土) 14:00~15:50
●アフターアワーズ説明会(予約不要)
10月21日(金) 19:00~20:00
●帰国生対象 学校説明会(予約不要)

10月22日(土) 14:00~15:30

●オープンデー(予約不要)
11月 5 日(土) 10:50~15:30

※詳細については必ず学校HP等を確認してください。

※上記説明会のほか、通年で毎週土曜日は14:00、長期休業中は10:30と13:30に学校見学会を行っています。希望される方は電話(03-3389-7211)でお申し込み下さい。

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