受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

スクール情報

(2015年10月公開)

慶應義塾普通部 第87回 労作展覧会9月26日(土)・27日(日)

1年生の作品にも、目を見張るようなすばらしい作品が多数


少しずつ色の違う画びょうで作られたアインシュタイン画。とても大きな作品で、少し遠くからでないと全体が見えないほどです

 9月26日と27日の両日、慶應義塾普通部を代表する年間行事の一つ「労作展覧会(労作展)」が行われました。第87回を迎える今年は、2月に竣工した待望の新本校舎での展示も行われ、新たなスタートの年となりました。

 編集部が訪れたのは26日。10時前に日吉駅西口を出ると、ご年配の方も含め、ご家族そろって見学に向かう人たちが大勢、普通部へとつながる「普通部通り」に向かって歩いています。

 労作展は、生徒が自分でテーマを見つけ、創作や研究に打ち込み、その成果を展示・発表する同校の伝統行事です。国語、英語、数学、理科、社会、音楽、書道、美術、技術・家庭、保健体育の各科目から選べるだけに、展示されている作品は、工作、絵画、書道、小説や翻訳、レポート、パソコンを利用した音楽や映像など、その発表の形態は実にさまざまです。

 それぞれの作品には、制作日誌が添えられています。日誌には、作品制作に取り組んだ過程が事細かに記されており、展示作品を見るだけでなく、制作日誌を読むことも来場者の楽しみの一つです。「普通部生一人ひとりが自分自身の頭や手足を使い、持てる力を注ぎ、ひと夏(あるいは1年)の時間を費やし取り組んだ成果を披露する場」(労作展の案内より)が労作展なのです。

 案内をもらって校舎へ入ると、多くの見学者が最初に向かうのは、本館2階の1年生の展示教室です。入学して半年もたたない1年生たちが、果たしてどんな作品をつくり上げたのか、関心を寄せているようです。教室に入って目にした作品を前に、来場者からは、「1年生でこんなにすばらしいものを作れるなんて!」といった驚きの声が、あちらこちらから聞こえてきます。また、教室内にいる案内の在校生に、「これはどうやって作ったの?」と、質問をする保護者の姿もありました。

 美しさやアイデアに目を見張る美術作品や工作品がある一方で、ノートにまとめられたレポートなどの作品でも、そのレベルの高さに感心させられるものが少なくありません。たとえば原子力問題を扱ったレポートでは、1年生が自分で現地を視察し、3人にインタビュー。その内容から見えてきた現状に、自分なりの考察を加えて、見事にまとめ上げています。


すべて木で作られた戦艦の模型。船の曲線部分も木を削って、見事に表現されています


原子力を考えるレポートをまとめた作品。1年生が実際に現地に行き、住民の声を聞いて考察をまとめています


2月に新本校舎が完成。廊下は広々として、大勢の来場者がいても混雑することなくすれ違えます

見応えある多彩な展示作品 催し物や部活動発表も


ハリーポッターの映画がきっかけで興味を持ったフクロウを種類別に描いた札。生物図鑑のような緻密さに驚かされます

 中学生の作品とは思えないほどの完成度の高い作品を見ていると、その制作過程が気になり、思わず制作日誌に目を通してしまいます。たとえば、羽、爪などが細密に描画されたフクロウがずらりと並んでいる作品「鳥絵札」の制作日誌では、フクロウの生態や構造について詳細に調べ上げた成果が、写真やイラストを使ってきれいにまとめられ、それだけでも生物観察レポートとして読み応えがあります。


電磁石を使った永久に回り続けるこま。小さなこまがたくさん展示されており、好きなこまを選んで遊ぶことができます

 何らかの作品をじっくりとながめたり読み込んだりした後、今度は制作日誌を手に取って熱心に見入る。そうした来場者の姿を数多く見かけました。

 一方、多彩な展示作品のなかには、見たり読んだりするものだけでなく、実際に手に取って動かすことのできるものや、ヘッドホンを使って聞く音楽作品などもあります。たとえば、電磁石を使った、回り続ける作品「永久ごま」では、小学生たちがコマを回して遊んでいます。また、コンピュータープログラミングの作品ではパソコンで操作をしたり、「手回しオルゴール」作品では演奏をしたりして楽しむ小学生の姿もありました。


穴の開いた紙を通す手巻きのオルゴールを演奏。メロディーを聞くには回すスピードがポイント

 さて、労作展の見どころは作品発表だけではありません。期間中は同校ならではの興味を引くさまざまな催し物や、部会活動などを見ることができます。たとえば、化学の会では公開実験を、地理・GIS研究会では鉄道模型の展示やクイズを、棋道研究会では将棋体験などを行っています。また、本館の目路(めじ)はるかホールでは、音楽科・音楽部のコンサートや、演劇・映画の会の演劇公演を鑑賞することができます。さらに、運動部では合気道部と空手部が演武会を、野球部と柔道部が練習や招待試合を、ラグビー部が公式戦や小学生を対象にした体験教室などを行っており、それぞれ多くの来場者を集めていました。

 取り組んだ課題をきっかけとして、後にその道に進み、各分野の第一人者として名を刻む卒業生もいる労作展。訪れた小学生と保護者は、制作者の思いが込められた、見応えのある作品の数々から、普通部生の熱意と実力を知ることができたはずです。


棋道研究会の体験コーナー。在校生と小学生が真剣に対局しています


地理・GIS研究会のクイズに集まる小学生たち。難問に挑戦しています


合気道部の演武会。威勢の良いコーチの掛け声に合わせて、普段の練習の様子を披露しています

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