受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(2016年08月号掲載/2016年07月公開)

School Now 市川中学校・高等学校/アクティブラーニングをさらに進めた
「ALICEプロジェクト」がスタート

 個性の尊重と自主自立の教育理念の下、市川中学校・高等学校は主体的な学びを重視した教育を実践しています。2017年に創立80周年を迎える同校では、その中核事業として、アクティブラーニングをさらに進めた「ALICEプロジェクト」(Active Learning for Ichikawa Creative Education)をスタート。新たな取り組みとして4月から始まった、マルチルームを使った授業の様子やその狙いについて、社会科の笹尾弘之先生と英語科の山本永年先生に聞きました。

映像やタブレット端末を使い 生徒参加型の授業を実践

生徒一人ひとりに用意されたタブレット端末に解答を入力。データはホストコンピュータに送られます スクリーンに移し出された映像に、先生がポイントを書き込みながら解説をします  市川中学校・高等学校は、生徒一人ひとりの個性を重視するとともに、みずから主体的に学ぶことを教育方針として掲げ、以前からいわゆるアクティブラーニング(AL)を実践してきました。そして、今年度からは、その環境整備をさらに進めて、能動的かつ参加型学習の新たな「ALICEプロジェクト」をスタートさせました。その第一弾といえるのが、4月から始まった、マルチルームを使った授業です。

 3室あるマルチルームは、正面に電子黒板型スクリーンを備え、各自が持つタブレット端末と情報をやり取りすることが可能です。両サイドの大型ホワイトボートや「まなボード(ミニ白板)」も使い、先生と生徒間、あるいは生徒同士の情報の送受信が活発に行われます。

 たとえば中2の地理の授業では、スクリーンに南米の地図や写真が映し出され、先生が電子ペンでポイントなどを書き込みながら解説し、生徒たちに次々と質問を投げ掛けます。先生と生徒たちとの双方向のやり取りの後、生徒各自が解答として地図に書き込んだ情報がスクリーン上に並び、先生がいくつかの解答を取り上げながら、さらに解説を加えていきます。その後のグループワークでは、各自の意見をまとめ、グループとしての考えも発表していきます。

 一方、中3の英語では、インドネシアのスマトラ島の環境問題をテーマに、オールイングリッシュでの授業が進められます。スクリーンやホワイトボードの映像をもとに先生が問い掛け、生徒の思考を促して、発言させます。その後、一人の生徒が前へ出てきて、自分でスクリーンの映像を切り替えながら、授業で学んだことや感じたことを英語で表現します。

 どちらの授業も、下を向いている生徒は一人もいません。映像を見ながら解説を聞き、質問に答えながら、解答を含め自分の考えを発信するというスタイルで進められています。

学びを共有化するとともに、 より手厚い個人対応も可能に

生徒同士での教え合いや学び合いは、知識の定着に非常に有効です  マルチルームを利用したALの授業は、与えられたものを暗記するだけの受け身型の授業よりも知識の定着率が高いと笹尾先生は言います。「双方向のやり取りなどを通じて、生徒が主体的に授業にかかわる。その過程で得た気づきなど、自分で能動的に獲得したものは、深く記憶に残ります」

 山本先生も、「映像は確かに生徒の興味を引きますが、それは道具の一つに過ぎません。生徒たちがどのように授業にかかわり、どのように動いていくかが大事です」と、能動的な姿勢が学習の効果を高めると指摘します。

 情報機器の整備などによる新たなAL環境は、学習指導においても大きな変化をもたらすだろうと先生方は分析します。たとえば英語では、生徒一人ひとりが話す英語や書く英語を、個人にフィードバックすることも可能になります。「2020年度に予定されている大学入試制度改革でも、話す力や書く力は重視されるはず。一人ひとりに対応することでこれらの力は確実に向上します。」(山本先生)

 これまでは時間的に難しかった個々人への対応も可能になったという山本先生。笹尾先生も、「ピックアップした個々の考えを全体で共有するだけでなく、データに残る個人の理解度を、時間をかけて追っていき、指導に生かすことも考えています」と言うように、こうした情報技術を生かした新たな指導法が今後、広がっていきそうです。

 また、「ALICE」での学びについては、大学入試制度改革も強く意識されているとのこと。「大学受験に直結する学びでもあることが重要」(笹尾先生)、「試験に対応できる英語力が、結果的にその先へとつながる」(山本先生)とのことばもありました。

主体的な学びを促す取り組み AL環境のさらなる整備も

 生涯続く学びの姿勢として、自分で自分を教育する「第三教育」を掲げている同校では、マルチルームでの授業以外にも、さまざまな主体的な学びの場を用意しています。

 たとえば、高2では少人数のゼミ形式の授業(リベラルアーツゼミ)があり、幅広いジャンルから自分の関心の高いテーマを選択して深く掘り下げ、発表やディスカッションを通じて思考力や表現力を養います。また、2014年度から2期目となったスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の取り組みでは、研究成果や論文を国内外のコンテストで発表し、数多くの賞を受賞しています。

 来年、創立80周年を迎える同校。隣接地に新しい総合グラウンドが完成するなど現在、記念事業が進行中です。「ALICE」もまだ動き出したばかりですが、来年にはマルチルームに続いて、2室のメインルームも完成します。さらに将来は、すべてのホームルーム教室にマルチルームの設備を導入するなど、国の教育改革に先行する形でAL環境の整備を進めていく予定です。

A.Kさん(中2 東京校卒)
 地理では、地図や写真、動画などがよく使われるので、思わず引きつけられます。一方通行の授業ではないため、映像を見て考えるとか、自分の意見を発表するとか、グループで話し合うとか、常に何かをしている感じがします。タブレットを使うことで、みんなの意見やグループとして出した答えなどを一度に知ることができるのもいいと思います。
H.Nさん(中2 新浦安校卒)
 先生の話の内容がスクリーンに映し出されるので、とてもわかりやすいですね。また、自分が書いたものもタブレットを通して映し出されるため、授業に参加しているんだという実感がすごくあります。英語では、画面と音声に合わせて繰り返し発音の練習ができるし、単語が覚えやすいような画面が出てくることもあるので、楽しく学べます。

《学校のプロフィール》

市川中学校・高等学校

所在地
  〒272-0816 千葉県市川市本北方2-38-1
‌JR総武線・都営新宿線「本八幡」駅、JR 武蔵野線「市川大野」駅よりバス11分、「市川学園」下車。JRほか「西船橋」駅より直通バス20分(登下校時のみ運行)。京成本線「鬼越」駅より徒歩20分
電 話 047-339-2681
H P http://www.ichigaku.ac.jp 別ウィンドウが開きます。

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10月29日(土)
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10月1日(土)・8日(土)
11月5日(土)・19日(土)・26日(土)
いずれも10:00~11:30
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 9月24日(土) 9:00~17:00
 9月25日(日) 9:00~15:00

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