受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

Booksコーナー

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2015年3月のBooks

 本を数えるときは1冊、2冊と数えます。なぜ「冊」と数えるのでしょうか。今月紹介する『漢字なりたち図鑑』によれば、「冊」という漢字は「糸でつながれた細長い竹の札」を表す絵から生まれました。昔、まだ紙がなかった時代には、文字は細長い竹の札に書かれ、それを糸でつないだものが本だったのです。このように漢字の形の由来を探ってみると、昔の生活や考え方などがわかることがあります。「なぜこの漢字はこんな形なんだろう」。そんな疑問を感じたら、調べてみましょう。漢字の勉強はもっと楽しくなります。

『みんなのチャンスぼくと路上の4億人の子どもたち』

  • 石井光太=著
  • 少年写真新聞社=刊

  • 定価=1,400円+税
  • 対象:小学校低学年・中学年・高学年向け

知ってほしい きみたちが学校にいるとき ごみの山で働いている 子どもたちがいることを

注目の一冊 皆さんは昨日、どう過ごしましたか。温かいベッドで目覚め、おいしい朝ごはんを食べ、学校に行って勉強をしたり遊んだり。日本では当たり前のことでも、飛行機で数時間行った先の国では、まったく違う生活を送る子どもたちがいます。
 寝るのはベッドではなく、ごみが散らばる道路。家族もみんな道路でごろ寝です。朝起きればどぶ川の水で体を洗い、同じ水でうがいをします。食事は古くなった野菜や米、そして残飯。お腹を壊して命を落とす子どももいます。子どもたちは昼間、学校に行く代わりにごみの山に行きます。そのなかからアルミや紙を集めて工場に売るのです。それが当たり前の毎日なのです。
 インド、フィリピン、ウガンダ、エチオピアなど、世界の貧しい国々を旅した著者が、写真を通じて現地の子どもたちの日常を伝えます。世界には十分な栄養を得られない子どもたちがたくさんいる。その事実を知ってはいても、あらためて日本の子どもたちの写真と対比して紹介されると、そのあまりの貧しさに胸が痛くなります。著者によれば、路上で生活している子どもは世界で約4億人。なぜ世界はこんなことになっているのでしょうか。
 著者はこう訴えます。「日本の子どもも問題を抱えているけれど、少なくとも彼らより多くのチャンスを持っている、勉強することで夢を実現するチャンス、一生懸命に働いて幸せをつかむチャンス、そして世界を良くしていけるチャンス、だから前に進んで行ってほしい」と。日本の子どもたちが、世界に目を向けるきっかけになる一冊です。

『ゆきがくれたおくりもの』

  • リチャード・カーティス=文
  • レベッカ・コッブ=絵
  • ふしみみさを=訳
  • ポプラ社=刊

  • 定価=1,480円+税
  • 対象:幼児・小学校低学年向け

気の合わない生徒と先生が 学校で2人きり さあ、どうする?

 その日は朝起きると辺りが真っ白。街はすっぽり雪に覆われていました。子どもたちの家に連絡があって、学校はお休みです。ところがたった1人、学校に行った男の子がいました。ダニーです。そしてたった1人、学校に行った先生がいました。トラッパー先生です。困ったことに、ダニーは厳しいトラッパー先生が苦手。トラッパー先生は勉強ができないダニーが苦手。そんななか、2人はしぶしぶ授業を始めたのでした。
苦手な相手と学校で2人きり。お互いに、どんなに気が重くなったことでしょう。でも雪が2人にすてきな贈り物をくれました。共に寂しさを抱える2人の気持ちがていねいに描かれた、心温まるストーリーです。

『ドラゴンはスーパーマン』

  • 茂市久美子=作
  • とよたかずひこ=絵
  • 国土社=刊
  • 定価=1,300円+税

  • 対象:小学校低学年・中学年向け

落ちてたあんぱんを 食べたばっかりに… ドラゴン危機一髪!

 ドラゴンはドラゴンゴン国の王子さま。雨を降らせるのが得意です。雨が降らないで困っている村があれば、喜んで出掛けて行きます。お礼にお菓子をごちそうしてもらえるからです。からから村に頼まれて、雨を降らせに出かけたある日、ドラゴンは道にあんぱんが落ちているのを見つけます。からから村に行かなくてはいけないのに、ドラゴンはあんぱんのことが気になって仕方がありません…。
 元気いっぱいのドラゴンが、仲間たちと一緒に活躍するシリーズの第6巻です。海賊の帽子をかぶり、オレンジ色のマントをひるがえして、悪に立ち向かっていく心優しいドラゴン。読めば一遍で好きになってしまいます。

『杉文 真心をつくした吉田松陰の妹』

  • 越水利江子=作
  • 十々夜=画
  • 岩崎書店=刊
  • 定価=650円+税
  • 対象:小学校中学年・高学年向け

理想をめざした 幕末の志士たちの姿を 女性の目を通して描く

 幕末の思想家、吉田松陰。その妹、文は若いころ、2度、相手に結婚話を断られています。長州藩士の桂小五郎と久坂玄瑞です。玄瑞などは「文さんは美しくない」とはっきり言ったそうです。それでも2人は夫婦になり、松陰はとても喜びました。玄瑞は松陰が開いた松下村塾一の自慢の弟子だからです。ところが玄瑞は幕府軍との戦いで若くして命を落とし、2人が共に暮らせたのは1年ほどでした。
 NHK大河ドラマの主人公・杉文の半生を描く物語。文の視点で、命懸けで理想をめざした吉田松陰や長州藩の志士たちの生きざまを描きます。エピソードが多く盛り込まれていて読みやすく、幕末がどんな時代だったのかを教えてくれます。

『パオズになったおひなさま』

  • 佐和みずえ=作
  • 宮尾和孝=絵
  • くもん出版=刊
  • 定価=1,200円+税

  • 対象:小学校中学年・高学年向け

戦時中の中国で 友情を育んだ 日本と中国の少女の物語

 よっちゃんは大連生まれの大連育ち。大連は中国の東北部にある港町です。お父さんはそこにある日本人町でお店を開いていました。今から70年ほど前、日本と中国が戦争状態にあったときの話です。大連は戦地から離れていたため、一見平和に見えました。よっちゃんは中国人のリンちゃんと毎日、仲良く遊んでいました。ところがあるとき、お父さんにスパイの疑いがかけられ、リンちゃんも遊んでくれなくなりました…。
 戦時中に中国に渡った日本人たちの暮らし、人々の思い、戦争が原因で起こった悲しいことが、子どもの目を通して描かれます。作者の親戚が体験した実話をもとに書かれた、戦争と平和について考える物語です。

『形から起源・由来を読み解く
漢字なりたち図鑑』

  • 円満字二郎=著
  • 誠文堂新光社=刊
  • 定価=1,500円+税
  • 対象:小学校中学年・高学年・一般向け

なんでこの形なの? 知れば納得、 漢字の形の意味・由来

 「うかんむり」という部首は、「家」「宅」「室」「宮」などの漢字でもわかるように、建物を表します。たとえば「宮」という漢字は、「うかんむり」に、部屋が続いている形を表す「呂」を組み合わせたもの。つまり、いくつもの部屋が続いた神や王が住む立派な建物、それが「宮」です。
 漢字の成り立ちを「動物」「天体」「衣服」「気持ち」などのジャンル別や部首別に分け、イラストでわかりやすく紹介しています。収録されているのは、小学校で習うすべての漢字を含め、日常生活でよく使う1223字をイラストでわかりやすく説明。その成り立ちを知ることで、漢字の学習に取り組むきっかけづくりに役立つかもしれません。

『中学受験 注目校の素顔
 学校研究シリーズ』

  • おおたとしまさ=著
  • ダイヤモンド社=刊

  • 定価=001~004/950円+税、005~007/1,100円+税

 今回紹介するのは、教育ジャーナリスト・おおたとしまさ氏が綿密な取材に基づいてまとめた『学校研究シリーズ』です。それぞれの学校では子どもたちに何を教え、どのような人物を育てようとしているのか。教育理念や実際の授業の様子、学内の日常風景などについて、詳しく紹介されています。

  • 001開成中学校・高等学校
  • 002麻布中学校・高等学校
  • 003武蔵高等学校中学校
  • 004灘中学校・高等学校
  • 005女子学院中学校・高等学校
  • 006豊島岡女子学園中学校・高等学校
  • 007鷗友学園女子中学高等学校

著者 おおたとしまさ氏からのメッセージ

偏差値や大学進学実績だけではない それぞれの学校の本当の価値がわかる一冊

 一般的な学校ガイドではわからない学校の魅力を、校長先生インタビュー、授業実況中継、生徒へのインタビューなどを通して伝えるシリーズです。これを読めば、偏差値や大学進学実績では言い表せない、それぞれの学校の本当の価値がわかるはずです。
 それぞれ個性的な学校ですが、共通することがあります。それは自由を重んじること、そしてちょっぴりの反骨精神があること、さらに先生が生徒たちを誇りに思っているということ。これらの学校の価値は、「いい大学に入りやすいこと」ではありません。むしろ「この学校で中高時代を過ごせるなら、大学に行かなくても十分に社会のなかでやっていける」という感じです。
 ここだけの話ですが、わたしは心理カウンセラーの資格も持っているので、インタビュー相手の本音を引き出すのが得意です。本が出てから「おおたさんのおかげで自分たちの頭の中が整理できた。ありがとう」と校長先生から感謝されることもよくあります。それがこのシリーズの魅力かなと、自分では思っています。

新刊案内

『名門校とは何か? 人生を変える学舎の条件』

  • おおたとしまさ=著
  • 朝日新聞出版=刊
  • 定価=860円+税

 「単なる進学校と名門校は何が違うのか?」を突き止めるべく、日本有数の名門校を実際に取材。その生い立ち、歩み、現状をつぶさに分析することで、「学校とは何か」「教育とは何か」というテーマに迫ります。難関大学合格者数・都道府県別高校偏差値最新ランキング付き。

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