受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

Booksコーナー

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2015年3月のBooks

 たとえば「おじさんの犬はおりこうなの」という文があります。これを1文字だけ変えてみます。「おじさんと犬はおりこうなの」。なんか変です。では2文字変えてみましょう。「おじさんは犬でおりこうなの」。あらあら、おじさんは犬になってしまいました。今月紹介する『しろがくろのパンダです。』は、そんなことば遊びを楽しむ絵本。「おじさんの」の「の」とか、「犬は」の「は」のように、ことばの後に付けて使われる助詞を1文字変えるだけで、おもしろい文が作れます。友だちや家族と一緒に考えてみませんか。

『酒天童子』

  • 竹下文子=著
  • 平沢下戸=絵
  • 偕成社=刊
  • 定価=1,500円+税

  • 対象:小学校高学年向け

京の都は俺たちが守る! 鬼や妖怪相手に ヒーローたちが大活躍

注目の一冊 今からおよそ千年前の平安時代の中ごろ。京の都を大嵐が襲って以後、各地で天候不順が続き、作物はとれず疫病がはやりました。これは神の怒りだと誰もが不安を募らせていたころ、人が消えるという奇妙な事件が起きます。消えるのは位の高い公家の姫ばかり。陰陽師の安倍晴明によれば、姫たちは大江山の酒天童子の館に捕らわれているとのこと。酒天童子は妖術を使って人を襲う恐ろしい鬼です。さっそく帝の命令で鬼退治のチームが編成されました。メンバーは源頼光と四天王と呼ばれる部下たち、そして頼光の義理の叔父、藤原保昌の6人。いずれ劣らぬ武芸に秀でたつわものです。
 江戸時代に絵草子として広まり、歌舞伎などでも演じられた酒天童子の伝説を、小学生向けのファンタジーに仕立てています。平安時代中期といえば王朝文化が栄える一方、地震や台風、大火事、疫病などで多くの人が亡くなり、都では盗賊が出没するなど治安が乱れていた時代。不安な世相のなかで鬼や妖怪の出現が恐れられ、頼光と四天王は悪と戦うヒーローとして、さまざまな物語に登場しています。そうした古典の物語をもとに、一冊の読み物にまとめています。
 クモの妖怪が糸を広げて攻撃してきたり、倒れていた女の口が裂けて角を出して飛びかかってきたり。妖怪との戦いの場面は、CG映画のアクションシーンを見ているようで迫力満点です。古典というと堅苦しいイメージがありますが、劇画調のイラストとともに、一冊で歴史物語と妖怪伝説、武勇伝のおもしろさが味わえます。

『 しろがくろのパンダです。
』

  • 平田昌広=作
  • 平田景=絵
  • 国土社=刊
  • 定価=1,300円+税
  • 対象:小学校低学年向け

「こくごが0てん」と 「こくごも0てん」 どっちがショック?

 「ライオンはおりのなかにいます」。怖いライオンもおりの中にいれば、お客さんは安心して見ていられます。ところがこの文、1文字変えただけで恐ろしい状況に変わります。「ライオンのおりの中にいます」。
 ではもう一つ。「どうしよう、こくごが0てんなんて」。困りましたね。でも1文字変えるともっと困ったことに。「どうしよう。こくごも0てんなんて」
 それだけでは意味を持たず、ことばの後ろに付いて、その語とほかの語との関係を示したり、一定の意味を与えたりするのが助詞。それを1文字変えただけで、その文はまったく違う意味になります。そんな日本語のおもしろさを紹介する、ことば遊び絵本です。

『そうだ、おてがみかこう』

  • なりゆきわかこ=作
  • いりやまさとし=絵
  • ポプラ社=刊
  • 定価=1,000円+税

  • 対象:小学校低学年向け

クラスに溶け込めない あやちゃん、先生は その背中をそっと押した

 あやちゃんは小学校に入学してから、なかなかお友だちができません。みんなの輪に入っていけず、休み時間も独りぼっち。なんとか鬼ごっこに加わったものの、足が遅くて「のろまむし」と言われてしまいます。ある日、机にいたずら書きをされ、ついにあやちゃんは泣き出してしまいました…。
 それでも、ゆっくりですが、担任のこやま先生のおかげであやちゃんは少しずつクラスに溶け込んでいきます。といっても、先生はクラスのみんなを叱ることはせず、あやちゃんを変えさせようともしていません。では、どうやって…。
 こんな先生がいたら、どんなに子どもたちは救われるだろう。そんな思いにさせられる心温まる物語です。

『英語DE落語 動物園』

  • 桂かい枝=文
  • おべとも=絵
  • 鈴木出版=刊
  • 定価=1,500円+税

  • 対象:小学校中学年・高学年向け

シンプルでわかりやすい 英語で楽しむ 上方どたばた落語

 仕事は朝10時から夕方4時まで。力も頭も使わず、昼飯・昼寝付きで日給1万円。チラシに書かれた条件に引かれて、男が動物園に来ました。I saw this flyer and read that you are hiring at your zoo.(このチラシを見たんですけど。ええ仕事があるとか。)園長は大歓迎。Thank you for coming!(よう来てくれはりましたなあ。)採用が決まり、男はさっそく制服に着替えました。でもそれはとんでもない仕事でした。
 日本語訳付きのどたばた上方落語です。著者は、海外の人に英語で落語の楽しさを伝えている落語家さん。英文はシンプルで、繰り返し同じ表現が出てくるので、落語を楽しみながら英語の学習もできます。

『フラフラデイズ』

  • 森川成美=作
  • つじむらあゆこ=絵
  • 文研出版=刊
  • 定価=1,300円+税

  • 対象:小学校高学年向け

人違いに勘違い おばあちゃんたちに 同行したハワイで大騒動

 5年生の雅は両親と3人家族。お母さんもお父さんも仕事が忙しいので、夕方や休日はおばあちゃんの家で過ごしています。おばあちゃんは今、フラダンスに夢中。家の中はいつもウクレレの曲が流れ、雅はうんざり。ところがひょんなことから、フェスティバルに出場するおばあちゃんたちと一緒に、ハワイに行くことに。初めての外国で雅は、思わぬトラブルに巻き込まれてしまいます。
 ことばが通じないことから、次々と降りかかる災難。雅はリゾート地としてのハワイだけでなく、ハワイと日本人のつながりの歴史を知っていきます。雅の心の成長を描きながら、国境を超えた人と人とのつながりの大切さを伝えます。

『美乃里の夏』

  • 藤巻吏絵=作
  • 長新太=画
  • 福音館書店=刊
  • 定価=600円+税
  • 対象:小学校高学年向け

2人で毎日 銭湯の掃除を手伝った かけがえのない夏休み

 美乃里は、同級生の茜ちゃんと須賀くんの3人で交換ノートをしています。美乃里は須賀くんのことが好きだったのですが、茜ちゃんも須賀くんのことが好きだと知って大ショック。夏休みになり、美乃里は近所の銭湯「木島の湯」で、ある男の子に出会います。名前は実と書いて「みのり」。美乃里と同じ名前を持つその子と「木島の湯」でお風呂掃除を手伝うことになったことから、美乃里の夏休みは輝き始めました。
 一緒にいると心が和む不思議な少年、実。銭湯を切り盛りする頑固な木島のおじいさん。実と暮らすおばあさん。人々との出会いを通して人を愛する心、思いやる心を知っていく美乃里の成長を描きます。

『絵とき ゾウの時間とネズミの時間』

  • 本川達雄=文
  • あべ弘士=絵
  • 福音館書店=刊
  • 定価=定価=1,300円+税

そうだったのか! 科学の醍醐味、 発見の意外性が詰まった一冊


下高井戸校 校舎責任者
大津 和弘 先生

 一般向けの『ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学』(中公新書)という本のエッセンスを、小学生にもわかるようにかみ砕いて説明した絵本です。以前、この新書版を読んでおもしろかったので、ぜひ皆さんにもお薦めしたいと思います。
 どこがおもしろいかというと、まず発見の意外性です。たとえば本書では、ネズミからゾウまでいろいろな大きさの動物の食事量を比べています。「ゾウは体が大きいので、すごくたくさん食べるのではないか」。普通ならそう思いますよね。でも、体重1キロ当たりの食事量で比べてみると、ゾウはとても小食なのです。
 ではゾウとネズミでは、死ぬまでに心臓をどきんと打つ回数はどちらが多いと思いますか。ゾウのほうが寿命が長いので、多く打つような気がしませんか。ところがどちらも同じなのです。こうなのではないかと思って調べたら、実は違っていた。科学の研究の醍醐味はそうした発見の意外性にあります。
 ゾウとネズミは大きさも形もまったく違いますが、心臓を打つ回数、呼吸の回数という物差しで見ると、同じ法則の下に生きています。そういう異なるものが一つの共通項のなかで関連付けられているのも、この絵本のおもしろいところです。こうしたとらえ方は学習をするときのヒントにもなります。異なるものどうしに関連性が見つかると、理科の学習は楽しくなります。たとえば金属における電流の流れやすさと、熱の伝わりやすさ。違う単元で扱う内容ですが、金属別の順位はどちらも同じ順番なのです。そんなところに気づくと、理科の学習はもっとおもしろくなるのではないでしょうか。
 本書は科学の楽しさのエッセンスが詰まっています。「理科ってこんなにおもしろいんだ」と感じてもらえたらうれしいです。そして今はまだ難しいかもしれませんが、中学生になった後、新書版のほうもぜひ読んでみてください。

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