受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

Booksコーナー

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2017年9月のBooks

 秋祭りの季節です。九州の北部ではこの時期、「くんち」と呼ばれるお祭りが行われます。今月紹介する『じごくにいった かんねどん』は、日本三大くんちの一つ、「唐津くんち」のにぎやかな場面から始まります。「かんねどん」は主人公なのに、登場してすぐに死んでしまい、お祭りの法被姿のままあの世へ。得意のとんちで、おどろおどろしい地獄の世界も愉快な世界に変えてしまう「かんねどん」。秋の夜長に、楽しいあの世めぐりはいかがですか。

『奮闘するたすく』

  • まはら三桃=作
  • 講談社=刊
  • 定価=1,400円+税
  • 対象:小学校高学年向け

泣いたり笑ったり怒ったり 介護の現場は 小さな事件でいっぱい

注目の一冊

 5年生の佑には、近所で一人暮らしをする75歳の祖父がいます。その祖父が認知症気味になったため、デイサービス(通所介護)に通うことになりました。それを知った担任の先生から、デイサービスに付き添って、その様子を自由研究のレポートにするよう勧められます。仕方なく佑は、カメラマン役の親友と共に祖父に付き添ってケアハウスに行きます。
 ヘルパーさんを怒鳴ったり、おかしなことを言ったりする祖父を見て、逃げ出したくなる佑。一方で名札の付いた服を着せられたり、塗り絵やお遊戯をさせられたりする祖父に、いたたまれない気持ちを抱くのでした。
 驚きと戸惑いに満ちた、小学生の介護現場レポートが明るいタッチで描かれています。ぼけているかと思えば、次の瞬間にはしっかりしたところを見せる祖父。両面があるからこそ、「なんで…」と思い悩み悲しむ。そんなつらさをわかって介護をしているヘルパーさんたち。訳のわからない行動に見えても、実は過去の自分に戻って意味のある行動をしていることもあり、「お年寄りのやることにはちゃんと理由がある」とヘルパーの林さんは言います。佑は少しずつ祖父の行動に寄り添えるようになっていきます。
 高齢化が進み、小学生であっても無縁とはいえない介護の問題。「恩着せがましい介護をしてはいけない。この人より自分のほうが元気だという優越感が、相手を悲しませることもある」。林さんが先輩ヘルパーから言われたことが、介護とはどうあるべきかを教えてくれます。

『じごくにいった かんねどん』

  • 常光徹=文
  • かつらこ=絵
  • 童心社=刊
  • 定価=1,300円+税

  • 対象:幼児向け・小学校低学年向け

ほらふきの かんねどん あの世に行っても 大ぼらととんちがさく裂

 かんねどんは、ほらふきでケチ。秋祭りの「くんち」が始まると、タイをかついで近所の家に出かけ、タイを土産だと見せかけて祭りのごちそうを食べ歩きます。ところがある日、かんねどんはフグの毒に当たってぽっくりあの世行きに。気づけばそこは、エンマ屋敷に続く地獄通り4丁目でした。
 かんねどんは、佐賀県唐津市を中心とした地域で伝承されている、笑い話の主人公です。ほらふきですが、とんちがあって憎めない人物として親しまれ、「かんね話」として多くのお話が伝わっています。かんねどんの困った顔やひょうきんな踊り、大爆笑するエンマさまなど、ページいっぱいに描かれた絵が笑いを誘う楽しいお話です。

『サルってさいこう!』

  • オーウェン・デイビー=作
  • 越智典子=訳
  • 偕成社=刊
  • 定価=1,800円+税

  • 対象:小学校低学年向け・小学校中学年向け

世界に260種いる 「ふつう」のサル その不思議に迫る!

 サルには二つのタイプがあります。細長くてとがった鼻を持つサルと、低くて横に広がった鼻を持つサル。地上で暮らすサルと、木の上で暮らすサル。お尻にクッションみたいなものが付いているサルと、付いていないサル。前者はアフリカとアジアにいる「旧世界ザル」、後者は南アメリカ大陸で進化した「新世界ザル」です。
 いちばん小さいピグミーマーモセットから、いちばん大きいマンドリルまで、サルの不思議をユーモアを交えながら解説。きれいなイラストを見ながら、サルの進化の道筋、生活のしかた、能力、種類ごとの特徴などがわかります。本書によると、地球上にいるサルはおよそ260種。わたしたちにとって身近なニホンザルも、温泉に入る優雅なサルとして紹介されています。

『オムレツ屋のベビードレス』

  • 西村友里=作
  • 鈴木びんこ=絵
  • 国土社=刊
  • 定価=1,300円+税

  • 対象:小学校中学年向け・小学校高学年向け

生きているのは 当たり前だと思ってた、 でも当たり前じゃない

 フリーライターの母がエジプト取材に行っている間、母の実家の「オムレツ屋」で暮らすことになった尚子。オムレツ屋には、おばあちゃんと叔父夫婦、尚子と同じ6年生の双子の息子たちがいます。双子の1人、敏也は足に障害があるため養護学校に通っています。ある日、叔母に赤ちゃんが生まれることがわかり、叔母を手伝う尚子の毎日は忙しくなっていきます。
 祖母の腰の痛み、母が語る難民の少女の話、母の無鉄砲な行動。尚子の日常のなかに突然、命の重さと向き合う時間が入ってきます。自分なりに「思いっ切り生きる」ことを決意する敏也。人情味豊かな商店街を舞台に、命の重さと力いっぱい生きることの大切さを描きます。

『化けて貸します! レンタルショップ 八文字屋』

  • 泉田もと=作
  • 十々夜=絵
  • 岩崎書店=刊
  • 定価=1,300円+税
  • 対象:小学校高学年向け

奉公人は全員タヌキ!? それでもおいらは この店で働きたい!

 江戸の町にある「八文字屋」は損料屋。今でいうレンタルショップです。どんな珍しい物でも調達できると評判のお店ですが、何でもそろうのは、実は奉公人のタヌキたちが品物に化けているからです。そうとは知らず、新しく奉公にやってきた11歳の文吾。厳しい番頭に仕込まれて少しずつ仕事に慣れていきますが、ある日、店の主人のお尻からしっぽが出ているのを見てしまいます…。
 ふだんは人間の姿で働くタヌキの奉公人たち。人間の文吾は仲間外れの寂しさを感じますが、やがて「人の子だからこそできること」で大活躍。商いの心を大切にする仲間たちのなかで成長していく少年の姿を、さわやかに描きます。

『質問する、問い返す 主体的に学ぶということ』

  • 名古谷隆彦=著
  • 岩波書店=刊
  • 定価=860円+税
  • 対象:小学校高学年向け・保護者向け

「考える」とは? 主体性を身につけるには? 実践例をもとに考察

 知識を一方的に教えるのではなく、生徒が主体的に学ぶアクティブラーニングの重要性が叫ばれ、授業に導入する学校が多くなりました。一方で「主体的な学び」ということばだけが一人歩きしている感があるのも事実です。
 ただテーマを見つけて話し合う場を設ければいいのか。そこで子どもたちは本当に自分で考えているのか。共同通信社の教育担当記者が、日本の教育の問題点を解き明かしながら、「学び合い」「哲学対話」などの教育実践例をレポートします。多くの現場を取材してきた経験から実感したことを踏まえ、主体的な学びとは何か、能動的に学ぶにためには何が必要かを、わかりやすく解説していきます。

『井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法』

  • 井上ひさし=文
  • いわさきちひろ=絵
  • 講談社=刊
  • 定価=952円+税

「公民」を学ぶ前に 憲法の根本を貫く 理念を知ってほしい


成城校 校舎責任者
竹内 直人 先生

 「憲法とは何か」について、子ども向けにわかりやすく説明しています。前半が「絵本・憲法のこころ」、後半が「お話・憲法って、つまりこういうこと」という2部構成で、憲法全文の解説ではなく、憲法の理念そのものともいえる「前文」と、戦争放棄をうたった「第九条」に限定しています。この二つは、憲法の三大原則である「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」とともに憲法の中心を成すものです。「前文」と「第九条」の意味はもちろん、この憲法がどのようにして誕生したのか、どんな考え方に基づいているのかを知ってほしいというのが著者の願いです。
 サピックスでは6年生の4月から、憲法の条文に沿って「公民」を学んでいきます。5年生の2月、3月ごろにこの本を読んでおくと、4月からの「公民」の学習に入っていきやすいと思います。「公民」は現実から離れていることを学ぶ分野ではありません。今、わたしたちが生きている社会の仕組みについて学ぶものです。憲法もけっして自分たちと縁遠いものではありません。
 憲法改正の論議が続くなか、中学の入試問題でも「立憲主義」ということばがよく出てくるようになりました。それだけ中学の先生方に、立憲主義の大切さを知ってほしいという思いがあるからだと思います。憲法は法律とは違い、国の仕組みを形づくるものです。政府が偏った動きをしないよう、国民を守るために定められているのが憲法なのです。
 中学・高校に進んでからも憲法について勉強すると思いますが、条文の内容を学んでいると、全体を通して貫かれている理念から離れてしまいやすいものです。だからこそ小学生のうちに、いちばん大切な理念について理解しておいてほしいと思います。高校に入って18歳になれば選挙権が得られます。それまでに憲法についてきちんと勉強しておかなくてはなりません。そのための憲法を知る入り口にある本としてお薦めします。

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