受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

サピックスecoクラブ 世界のえこ事情

サピックスecoクラブ 世界のえこ事情 第19回/エゾシマくん・キョクさん


田んぼと生き物のつながり


イネの故郷は、中国南部から東南アジア・インドにかけての山地です。日本には、縄文時代の終わりごろ(約3000年前)までに伝わり、以後、田んぼでの米作りが全国に広まっていったといわれています。それ以来、田んぼは米作りをするだけの場所ではなく、生き物のすみかにもなってきました。今回は、田んぼとそこにすむ生き物のつながりについてのお話です。



キョクさん そろそろ、田んぼで魚の産卵が見られる時期だな。ちょっと見に行ってみようかな。
エゾシマくん ん? 魚が田んぼで産卵?
キョクさん メダカ、フナ、ドジョウ、ナマズなどは、水草に卵を産む習性があるんだ。だからこの時期、イネが植わっている田んぼに、産卵のためにやってくるのさ。
エゾシマくん 水草なら、川や湖にもあると思うけど…。
キョクさん 田んぼは水深が浅いから、稚魚や小魚を襲う大きな魚はいない。それに、太陽の光が水の底まで届いて水中は明るく、水も温かくなるから、プランクトンやイトミミズがたくさんいるんだ。

湿田

エゾシマくん 稚魚のえさになるってことか!
キョクさん 近ごろは、魚が田んぼと周りの水路との間を行き来しやすくするために、階段状の「水田魚道」を設置している地域もあるんだよ。
エゾシマくん へえー。でも、どうしてわざわざ魚専用の道をつくるの?

乾田

キョクさん それは、田んぼの仕組みに関係しているんだ。
エゾシマくん 仕組み?
キョクさん 田んぼには、大きく分けて湿田と乾田があるって知ってる? 湿田は水が抜けにくく、一年中ぬかるんでいる田んぼのこと。乾田は水の調節が簡単にできる田んぼのことさ。
エゾシマくん そうなんだ。
キョクさん 日本では、湿田を乾田にする努力が昔から行われてきた。
エゾシマくん そんなことできるの?
キョクさん 水田の周りに深い排水路を張りめぐらせて、田んぼの余分な水を、地中に埋めたパイプに集めて、その排水路に流すんだ。

田んぼの水を抜くしくみ

エゾシマくん ほほー!! でも、どうしてわざわざそんなことをするの?
キョクさん 乾田は湿田に比べて農作業がしやすく、米の収穫量も多い。それに、麦や大豆を育てることもできるんだ。
エゾシマくん へえぇ!
キョクさん 乾田化は、人間にはよかった。しかしその一方で、田んぼと排水路の間にできた落差によって、今まで田んぼで産卵していた魚が、田んぼに入れなくなってしまったんだ。
エゾシマくん 産卵できないってこと!?
キョクさん うん。そうすると魚が減るでしょ。そして、その魚を食べる生き物も減る。
エゾシマくん うぅぅ。
キョクさん 生き物は「食べる・食べられる」というつながりのなかで生きているからね。それを食物連鎖っていうんだ。だから、どんな生き物でもそれがいなくなると、生き物全体に何かしらの影響が出るかもしれない。

▲「食べる・食べられる」の関係でつながる田んぼの生き物

エゾシマくん そうかぁ。
キョクさん そこで、生き物を田んぼに呼び戻す取り組みの一つとして、魚道が設置されるようになったというわけさ。
エゾシマくん 魚道は、魚以外の生き物のことも考えた取り組みだってことだね。

半円形コルゲート管魚道

写真提供/愛知県農業総合試験場

キョクさん そう。だから設置するときは、そこに産卵にやってくる魚の体長や泳ぐ速さなどを調査したうえで、魚道の形、傾き、幅を決めているんだよ。
エゾシマくん じゃあ、逆に魚道を見て、どんな魚がやってくるのか考えることもできるってわけだ。
キョクさん そういうこと。見に行くのが楽しみ!

プランクトン

 水中や水面を漂う生き物。からだがとても小さいものが多い。

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