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東日本大震災 | 政治・経済国際環境・社会理科的なニュース2011年主な出来事

これだけはおさえておこう! 2012年入試対策/ニュース総チェック

 大多数の人にとって2011年は東日本大震災が起きた年として記憶されることでしょう。しかし、それ以外にも国内外でさまざまな出来事がありました。多くの中学校では受験生の社会への関心の程度を見るため、入試では社会科や理科で、そうしたニュースをもとにした「時事問題」を出題しています。ここでは入試に出そうな2011年の主なニュースと、その学習のポイントについてまとめました。最後の総チェックにお役立てください。 ※西暦のない日付はすべて2011年です。

東日本大震災

1.巨大津波で壊滅的な被害

死者・行方不明者は2万人近くに

 3月11日14時46分、岩手県沖から茨城県沖までを震源域とする「東北地方太平洋沖地震」が発生しました。マグニチュードは9.0、最大震度は7を記録する、日本の観測史上、最大規模の地震でした。しかも、この地震によって巨大な津波が発生し、東北地方から関東地方にかけての太平洋沿岸は壊滅的な被害を受けました。警察庁によると、2012年1月6日現在、死者・行方不明者数は岩手・宮城・福島の3県を中心に、1万9294人に達しています。この未曽有の災害は「東日本大震災」と呼ばれることになりました。

■今回起きた地震と津波の仕組み

日本周辺のプレート図 具体的にはどれほどの規模の地震だったのでしょうか。たとえば、震源域の海底には約7メートル隆起した所が、また海岸付近の陸地には約1メートル沈下した所がそれぞれありました。これほどの地殻変動が起きたため、海水も大きく動き、岩手県宮古市では高さ約40.5メートルの所にも津波が押し寄せた跡が見つかったほどです。

 この地震は大きな余震や誘発地震を数多く発生させました。たとえば、4月7日には仙台市などで震度6強を観測する余震がありました。こうした余震は今後も発生する可能性があると見られています。また、3月12日には長野県栄村で、3月15日には静岡県富士宮市で、いずれも震度6強を観測する地震が誘発されました。

 さて、「プレートテクトニクス理論」によると、地球の表面は十数枚の「プレート」と呼ばれる岩板に覆われていて、それぞれが異なる方向に、1年間に数センチ程度の速さで動いています。日本周辺には四つのプレートがあり、今回の東北地方太平洋沖地震は、太平洋プレートが北アメリカプレートの下に沈み込んでいる境界付近で起きたと見られています。これに対し、西日本ではフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んでいて、近い将来、東海地震、東南海地震、南海地震が相次いで、または同時に発生する可能性が指摘されています。

 一方、津波は地震や火山の噴火などにより、海底で大きな地殻変動があったとき、その部分の海水が急に盛り上がったり、へこんだりして、波長の非常に長い波が発生し、それが周囲に広がっていくというもの。木造の建物は高さ2メートルの津波で全壊するといわれています。地震国である日本は世界でも有数の津波の多い国で、「Tsunami」はそのまま英語になっているほどです。

2.福島第一原発で重大な事故

史上最悪の「レベル7」に

■放射性物質を閉じ込める五重の壁(東京電力の資料より)

 東北地方太平洋沖地震とそれに伴う津波により、東京電力の福島第一原子力発電所で重大な事故が発生しました。1号機から6号機まで6基ある原子炉のうち、地震発生時に稼働していたのは1号機から3号機までの3基でしたが、その3基とも危険な状態に陥り、1号機と3号機は水素爆発を起こして建屋が壊れたのです。さらに、地震発生時に稼働していなかった4号機も、プールに貯蔵されていた使用済み核燃料が過熱し、危険な状態になりました。このため、大量の放射性物質が外部にまき散らされ、福島県を中心に、東北地方から関東地方にかけての広い地域が汚染されてしまいました。

 これは、核燃料に含まれるウランの核分裂を「止める」ことはできたものの、地震と津波によって電源を失ったため、核燃料を「冷やす」ことができなくなったからです。原子力発電所では、緊急時には原子炉の運転を「止める」こと、核燃料を「冷やす」こと、放射性物質が外部に漏れないよう「閉じ込める」ことが大切とされています。しかし、福島第一原発では、「止める」ことには成功したものの、高熱を発する核燃料を「冷やす」ことに失敗して、1〜3号機が「炉心溶融(メルトダウン)」を起こしました。メルトダウンとは、核燃料が冷やされずに溶けて、原子炉圧力容器の底に落下すること。それによって放射性物質を「閉じ込める」ための「五重の壁」が次々に破られ、放射線を出すヨウ素131やセシウム137などが外部に漏れてしまったのです。

 この結果、今回の事故は国際原子力事象評価尺度で最悪の「レベル7」に相当するとされました。過去にレベル7とされたのは、1986年に旧ソビエト連邦(ソ連)のウクライナ共和国で起きたチェルノブイリ原発事故だけです。

3.電力不足など社会的な影響

長期間、家に戻れない地域も

 地震や津波で家を失ったりしたことに加え、福島第一原発で放射性物質が漏れたため、岩手・宮城・福島の3県を中心に、大勢の人が避難しなければならなくなりました。避難所や親類の家などに避難した人の数は最も多いときで約55万人に上ったようです。

 福島第一原発の周辺では放射線量が高いため、現在はもちろん、将来にわたって長期間、戻れない地域もあると見られています。福島第一原発から半径20キロ以内は「警戒区域」に指定され、法律に基づき、その区域内への立ち入りは原則として禁止されています。また、放射性物質は主に福島第一原発から北西方向に広がっていることがわかりました。そのため、福島県飯舘村などは「計画的避難区域」とされ、5月末までにほとんどの住民が避難しました。そこに暮らしていた人が元の生活に戻れる見通しは立っていません。

首都圏では帰宅難民が発生

 東日本大震災は首都圏にも大きな影響を及ぼしました。たとえば、東京の都心でも震度5弱〜5強の揺れを記録したため、地震の発生直後から首都圏の鉄道がストップ。鉄道を利用して通勤・通学している人たちが帰宅できなくなる「帰宅難民(帰宅困難者)」の問題が現実のものとなりました。

 また、東京湾の沿岸などでは地盤の「液状化現象」による被害が発生しました。砂と地下水が混じった地盤は、ふだんは砂粒がかみ合って安定していますが、地震の揺れで揺さぶられると、砂粒はばらばらになり、地下水に浮いたような状態になります。これが液状化で、建物が傾いたり沈んだりするほか、道路が波打ったように変形したりもします。千葉県浦安市などはこの液状化によって大きな被害を受けました。

計画停電の実施と節電

 東日本大震災により、東北地方と関東地方の多くの発電所(原子力、火力)が被災し、東京電力管内では需要に見合うだけの電力供給ができなくなったため、3月14日から3月28日まで「計画停電(輪番停電)」が実施されました。計画停電(輪番停電)とは、予測不能の大規模停電を避けるため、管内の地域をいくつかのグループに分け、時間を区切って順番に電力の供給を止めるというもの。今回は茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、静岡(富士川以東)の1都8県で行われました。この計画停電が実施された期間中は、鉄道などが一部運休したり、工場の機械が動かせなくなったりするなど、多方面にさまざまな影響が出て、ふだんどおりの生活や仕事ができなくなりました。

 その後、火力発電所は復旧が進んだものの、東北地方と関東地方の太平洋側の原子力発電所は、現在もすべて止まったままです。そのため、冷房などで電力が多く使われる夏には、東北地方と関東地方を中心に電力不足が懸念されました。それを受け、節電のための取り組みが活発化しました。電気はためておくことができないため、電力需要の高まる平日の昼間の使用量を減らすことが特に重要になります。そこで、平日を休みにして、平日よりも電力使用量が少ない土曜・日曜に仕事をした会社や工場もありました。

 現在、電力不足は全国的な問題になっています。定期検査で停止された原子力発電所の再稼働を認めない動きが被災地以外にも広がったからです。特に、近畿地方や九州地方では、原子力発電所に頼る割合がもともと高かったため、現在は関東地方より厳しい状況になっています。これらの地方では、暖房のため、春・秋より電力が多く使われる冬を迎え、節電が呼び掛けられています。

国内外で「脱原発」の動き

 日本は石油などの天然資源が乏しいうえ、原発は発電中に地球温暖化につながる二酸化炭素をほとんど出さないため、これまで日本では原発を積極的に推進してきました。日本各地の原発には計54基の商業用原子炉がありますが、この数は104基のアメリカ、58基のフランスに次ぐ世界第3位です。

 しかし、いったん大事故が起こると、その周辺には人が住めなくなる恐れのあることが今回の事故でわかったため、原発を推進する政策を見直す動きが出てきました。たとえば、菅直人首相(当時)は5月、中部電力に対して、東海地震の震源域に位置する浜岡原子力発電所(静岡県)の原子炉を、万全の地震・津波対策がなされるまで停止させることを求めました。中部電力はこれを受け入れました。また、菅首相は「原発に頼らない社会をめざす」と発言し、太陽光、風力、地熱などの再生可能エネルギーの普及に、これまで以上に力を入れる考えを明らかにしました。

 こうした「脱原発」の動きは海外にも広がっています。たとえば、ドイツのメルケル首相は2022年までに国内のすべての原発をなくす方針を決定しました。また、イタリアでは運転を停止している原発の再稼働の是非を問う国民投票を行ったところ、反対派が圧倒的多数を占めたため、原発の再開や新設をやめることになりました。

放射性物質による食品汚染も

 福島第一原発で水素爆発などが起こった結果、ヨウ素131やセシウム137などの放射性物質が外部に大量に放出されました。そのため、東北地方や関東地方では一時、水や食品から基準値を超える放射性物質が検出されました。もし、放射性物質に汚染された水や食品を体内に取り込んでしまうと、放射性物質が体内で放射線を出し続けることになります。これが「内部被曝」で、健康に大きな影響を与える恐れがあります。そこで、そのような食品が流通しないようにする必要があります。そのため、福島県などでは、いろいろな農畜産物の出荷が一時、制限されました。また、体の外にある放射性物質が出す放射線を浴びることは「外部被曝」といいますが、その量も可能な限り少なくするため、福島県などでは、校庭の土を入れ替えるなどして放射線量を下げようとする「除染」という取り組みも行われています。

 その一方で、福島県や北関東でとれた農産物や水産物を避けようとするあまり、安全性に問題があるとは確認されていないものまで売れなくなる「風評被害」が発生しました。さらに、福島県や北関東への観光客が減ったり、海外から日本を訪れる人が激減したりしました。

学習のポイント

 東日本大震災をめぐるニュースの内容は多岐にわたるうえ、現在も進行中の問題もあります。知識事項をひと通り覚えることも必要ですが、震災によって浮き彫りにされた問題について、自分の考えを整理しておくことのほうがより重要になります。一度、家族で話し合ってみるとよいでしょう。

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東日本大震災 | 政治・経済国際社会・環境理科的なニュース2011年の主な出来事

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