受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

日本工業大学駒場中学校

2023年9月14日(木)

工業教育から進学教育へ。熱意あふれる指導で、学力と人柄を磨く

 長く工業教育に特化していた日本工業大学駒場中学校・高等学校が普通科(3コース制)の募集を開始したのは2008年のことです。同時に中学校も共学となり、工業教育を行う学校から進学校へと舵を切りました。長い歴史の中で培ってきた、ていねいな教育の成果が大学進学実績にも表れ、近年、中学の受験者数を大きく伸ばしています。

 オンライン説明会の冒頭、校長の大塚勝之先生は、ライト兄弟の初飛行からわずか7年後の1910年に同校の実習工場で国産初の飛行機が組み立てられたことに触れ、「本校には、当時から新しいものに興味を持ち、積極果敢にチャレンジする気風があったのです」と述べました。そして、「創立以来、技術者育成に取り組んできた本校の教育の特徴は、『真面目さ』『面倒見の良さ』と、教員が生徒に向き合うときの『熱』です。この伝統は、中堅・若手の教員にも受け継がれています」と強調しました。

 難関大学合格をめざす高校生のために、強力な大学進学支援プログラム「光風塾」があることも特色の一つです。日本工業大学の教授も務める塾頭以下、教員、現役東大生、卒業生が、戦略的に生徒の指導に当たります。昨年からは、中2・3生を対象とした「光風塾ジュニア」も開設されました。

 大塚先生は「学力を伸ばすことは大事ですが、社会に出てから大切になる“人柄”を育むことも重視しています。教育環境を整えるうえで一番に心がけているのは、学校を生徒にとって生き生きできる居場所にすることです。まだ発展途上の学校ですが、教職員一同、力を合わせて改革に取り組んでいます。一緒に新しい歴史をつくっていきましょう」と力強いメッセージを送りました。

 次に、入試広報部の狩野香世先生が、学校生活について説明しました。同校では、中1・2に「ファイトノート」を導入しています。生徒はこのノートに一日の振り返りや放課後のタイムスケジュールなどを記入して提出するのです。学習習慣の定着が狙いですが、担任・副担任と毎日やり取りをして、保護者もコメントを書き込むので、生徒の心の状況を把握し、家庭と学校を結ぶツールにもなっています。また、朝のホームルームでは、国語・数学・英語の「朝テスト」を週3回実施します。定期試験前になると、理科と社会を加えた5教科で行い、成績が振るわない生徒には放課後に補習を設定します。学習内容の理解度を高めてから、試験に臨むというサイクルで、基礎学力の習得につなげます。狩野先生は「朝テストは、その日のうちに採点して上位者のランキングを掲示します。これが生徒たちのモチベーションにもなっています」と話します。

 1人1台のタブレット端末を活用したICT教育にも力を入れ、英語ではネイティブ教員によるオールイングリッシュの少人数制授業も行われています。このように、時代に合わせて教育内容を進化させています。また、校内にあるトレーニングスタジオ、トレーニングルームは、部活動でも利用されています。アーチェリー部、レスリング部、ものつくり部のほか、屋上でニホンミツバチを飼育する園芸養蜂部といった珍しい部もあるそうです。

 続いて、現在の中1が経験してきた行事が紹介されました。新潟県妙高市にある「赤倉山荘」でのフレッシュマンキャンプやサマーキャンプ、大学の学びを体験する日本工業大学見学会、日駒祭(文化祭)での学年展示を終えて、秋以降の体育祭や合唱コンクールに向けて練習に励んでいる生徒たちの様子が伝えられました。狩野先生は「2月には英文の絵本を暗唱して演じる英語イベント『Nichikoma Short Play Contest』に挑みます。中2・3の希望者はカナダへの短期留学にも参加できます。年間を通じて、楽しそうに活動している姿が印象的です」と語りました。

 2024年度の中学入試は、前年度より入試回数が1回減って全6回となり、自己アピール型入試を廃止してプレゼンテーション型入試に統合されるとのことです。出願期間や合格発表の時間にも変更があります。詳細は学校ホームページでご確認ください。

イメージ写真 京王井の頭線「駒場東大前」駅より徒歩3分、東急田園都市線「池尻大橋」駅より徒歩15分。2021年にリニューアルされた居心地の良い図書館、屋上庭園、女子ラウンジなど、リラックスできる環境が整っています

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