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学校説明会レポート
西武学園文理中学校
2024年10月4日(金)
多彩な入試とコース編成で、確かな学力をつけながら一人ひとりの個性を伸ばす
埼玉県狭山市にある西武学園文理中学校は、2023年にブラジル出身の教育学者、マルケス ペドロ先生が校長に就任し、その教育内容を大きく変えつつあります。この日の説明会で登壇した副校長の水村晃庸先生は、「校長は『子どもたちがこれからの社会をしっかりと生き抜いていくためには、今の教育を変えていく必要がある』という熱い思いを持っています」と述べました。そして、ペドロ先生の指揮の下で同校がスタートさせた、あるいはスタートさせようとしている新しい取り組みについて説明しました。
まず、これまで同校は「アカデミックチャレンジクラス」と「クリエイティブクラス」の2クラス制でしたが、2025年度から「スポーツ&アートクラス」を設置し、3クラス制となります。このうち、最難関国公立大学・海外大学をめざすのが「アカデミックチャレンジクラス」です。国内外での研修や習熟度別クラス編成で語学力を伸ばし、中学で高校内容の先取り学習も行います。「クリエイティブクラス」では、難関大学進学をめざすことはもちろんですが、ICTツールを活用した学習サポートなどを通して、一人ひとりの強みを伸ばすことも重視します。そして、新しい「スポーツ&アートクラス」では、作品制作や部活動、国内外の大会への出場などにより、それぞれの生徒の得意を伸ばすことを主たる目的とし、学習と課外活動の両立をめざします。「どのクラスでも同じ教材を使用し、同じ進度で授業を行い、しっかり学ばせます。ただし、それぞれのクラスの設置目的に合わせて、学ぶ深度が異なります」と水村先生は話します。
また、「AIが普及する社会では、主体的に考える力、多様な価値観を受け止める力などが重要になる」と考え、同校では主体的に学ぶプログラムを増やしています。たとえば、生徒たちがチームを作り、社会の第一線で活躍するプロの協力を得ながら取り組む「ガチ・プロジェクト」は、テレビドラマや映画のロケの誘致、商品開発、スポーツデータ分析など、さまざまな企画があります。体験を通じて非認知能力を育てるのが狙いです。
校則も大きく変更されました。制服は式典など決められたときはきちんと着用しますが、それ以外は任意となったのです。「校則は今のところ、『品のあること』『清潔であること』の2点のみです。これで1年間過ごしてみて、問題があるようであれば、生徒・教員・保護者で見直しのプロジェクトがスタートします。校則は毎年違っていい、その時々の生徒が中心になって考えるというのが本校のスタンスです」とのことです。
創立以来、同校が力を入れてきた英語教育と国際理解教育については確かな効果・実績があるとして、このまま継続する方針です。英語の授業は習熟度に合わせて3クラスに分けて行います。最も力のある生徒のためのクラスでは、授業の8割をオールイングリッシュで展開し、英語を使っての課題解決型学習にも取り組みます。同校から併設高校に進学するためには、英語検定で3級の習得が必要となりますが、実際には中3修了時までに7~8割の生徒が準2級を取得しています。海外語学研修のプログラムは、全員参加のものとしては、中3で1週間ファームステイを行うオーストラリア研修旅行があります。ほかにも、任意の海外語学研修やターム留学に毎年数十人の生徒が参加しています。「高校になると、年間留学を希望する生徒もいます。こうした長期の留学については専門の部署がアシストします」と水村先生は胸を張ります。
クラスの種類の増加に伴い、入試の種類も増えます。3回ある2科・4科入試、特待入試、東京都公立一貫校の形式に準じる適性検査型入試、英語4技能入試、スポーツ&アートクラスをめざすポテンシャル入試α、出願時にクリエイティブクラスかスポーツ&アートクラスかを選択できるポテンシャル入試βがあります。「サピックスの生徒さんは、『アカデミックチャレンジクラス』をめざして2科・4科入試や特待入試を受けるケースが多いかと思います。2科・4科、どちらを選んだら有利ということはないので、自分がより高い得点を取れるほうを選ぶとよいでしょう」とのアドバイスがありました。
日々の学習サポートも充実しており、放課後学習専門の棟「学習サポートセンター」では、先生たちが日替わりで質問対応を行っています
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