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学校説明会レポート
東京都立小石川中等教育学校
2025年5月30日(金)
「立志・開拓・創作」の理念の下、高度な理数教育と国際理解教育を実践
東京都立小石川中等教育学校は、前身である東京府立第五中学校の伝統を受け継ぎ、2006年に開校しました。初代校長・伊藤長七先生の時代から100年以上にわたって受け継がれてきた「立志・開拓・創作」を教育理念に掲げ、「自ら志を立て、自分が進む道を自ら切り拓き、新しい文化を創り出す」グローバルリーダーを育成する教育活動を展開しています。
SAPIX代々木ホールで行われたこの日の説明会は、サピックス教育事業本部本部長の広野雅明先生による入試分析から始まりました。続いて登壇したのは、この春、校長に就任された小林正基先生です。複数の都立高校の校長を務めてきた小林先生は、「わたしは、良い学校の条件には『三つのC』があると考えます。学校生活のあらゆる場面にChance(機会・きっかけ)があり、失敗を恐れずに思い切り挑戦(Challenge)ができて、多くの経験を積みながら成長・変化(Change)できることです。就任して数か月ですが、本日は、外部から見てきた本校の評価や、これからの展望も踏まえてお話しさせていただきます」と述べました。
幅広い教養を身につける「小石川教養主義」を掲げる同校では、文系・理系のクラス分けを行わず、生徒全員が共通カリキュラムで学習します。最も特徴的なのが、6年間を通して実施される課題探究型学習「小石川フィロソフィー」です。1年生(中1)から段階的に探究のスキルを伸ばし、課題発見力・継続的実践力・創造的思考力の三つの力を育成します。1年生(中1)では言語での表現を、2年生(中2)では統計学を用いた数値での表現スキルなどを身につけ、3年生(中3)では課題研究に取り組みます。さらに4年生(高1)では科学的アプローチの手法を学び、5年生(高2)では各自がテーマを設定して本格的に研究に取り組み、英語でのポスターセッションにも挑戦します。そして、集大成となる6年生(高3)では5年間の学びを論文にまとめ、その成果を校内外に広く発信します。
探究型の学びを支えるために、「理数教育」も充実させています。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校ではありますが、理系教育に特化した特別なクラスは設けておらず、全生徒に対して高度な理数系カリキュラムを提供しています。理科は前期課程から各分野を専門とする教員が授業を担当し、観察や実験を多く設けて、科学的に探究できる能力を伸ばしていきます。このほかにも、専門家を招いて開催される「サイエンスカフェ」、放課後や土曜日に実験室を開放する「オープンラボ」など、自主的な研究活動を促す取り組みが行われています。小林先生は「近年では、科学系オリンピックの代表として国際大会に出場する生徒も増えています。今年度は物理研究会ロケット班がフランスで開催されるモデルロケット国際大会(IRC)に出場します」と、生徒の活躍も紹介しました。
国際理解教育にも注力しています。全学年で習熟度別・少人数制授業が導入され、外国人教員と日本人教員のチームティーチングによるきめ細かい指導によって、4技能をバランスよく伸ばしていきます。3・5年生ではオンライン英会話を導入しているほか、年間を通して世界各国の生徒と交流する機会もあります。また後期課程の4・5年生では自由選択科目として第2外国語(ドイツ語・フランス語・中国語から選択)も受講できます。さらに、2週間のホームステイを体験するオーストラリア海外語学研修(3年生)と、シンガポールへの海外研修旅行(5年生)など、学年全員で参加するプログラムも設けています。
クラブは文化系・運動系合わせて約40団体が活動しており、兼部も可能です。学校行事として最も盛大なのは、芸能祭・体育祭・創作展をまとめて行う「行事週間」です。企画・運営のすべてを生徒が主体となって行っているとのことです。
自習室では、同校を卒業した大学生などがチューターとして学習をサポートします。約4万6000冊を所蔵する図書館など、学びを支える施設が充実しています
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