受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

中央大学附属横浜中学校

2025年6月13日(金)

日々の授業と多彩な行事を通して、卒業後に活躍できる力を養う

 中央大学附属横浜中学校・高等学校の起源は、1908年に設立された日本初の女子夜学校である、横浜女子商業補習学校です。創立以来、女子校として歴史を刻んできましたが、2010年に中央大学の附属校になってからは改革を進めてきました。まず2012年に中学校が共学化され、翌年には都筑区への校舎移転と同時に現校名に改称されました。さらに2014年には高校も共学となり、現在の体制が整いました。

 この日の説明会は、参加者を二つのグループに分けた校内見学ツアーから始まりました。見学後に登壇した教頭の柴田峰行先生は「本校では、『謝恩礼節』『自立実践』の校訓の下、日々の授業で確かな学力をつけ、さまざまな行事で経験を得て、大学や社会で活躍するための土台となる力を養っています」と述べ、教育内容について詳しく説明しました。

 同校では、「国際理解力」と「論理的思考力」の育成に力を入れています。「国際理解力」を育むプログラムとしては、中2では林間学校での2日間を利用して英語を使ったアクティビティーを行うイングリッシュサマーキャンプや、希望者対象の10日間のニュージーランド海外研修があります。高校では、留学生との交流プログラムのほか、希望者対象のカナダ海外研修(高1)、全員参加のシンガポール研修旅行(高2)を実施します。これらの活動は学校生活で身につけた力を実践する場となっています。

 各教科において、「論理的思考力」を伸ばす授業が展開されているのも特長の一つです。たとえば数学では、「考える時間」を重視しており、個人でじっくり向き合うことも、グループで解決方法を考えることもあります。ほかの生徒に筋道を立てて説明する機会も設けています。理科では数多くの実験を取り入れ、仮説・検証・分析・考察のプロセスを繰り返しながら、論理的に物事を考える力を育てています。

 続いて、各学年の校外学習の紹介がありました。中1では1泊2日のオリエンテーション合宿、3泊4日のスキー教室が行われます。中2では鎌倉校外研修、3泊4日の林間学校、スキー教室があります。中3では東京校外研修に加えて、中学生活の集大成となる3泊4日の京都・奈良研修旅行も行われます。体育祭や紅央祭(文化祭)などの校内行事も盛んで、生徒自身が企画し、仲間と協働して一つのものをつくり上げる難しさも学びます。柴田先生は「行事を重ねるごとに、生徒たちに主体性や感謝の気持ちが芽生え、成長していくのがわかります」と強調しました。

 また、同校は中央大学との多様な連携プログラムによって、大学の学部・学科についての生徒の理解を深めています。今春は卒業生の68.8%が中央大学に進学し、約3割が他大学に進みました。ただし、中央大学への被推薦件を保持したまま他の私立大受験に挑戦する場合は、大学側の事前審査を受ける必要があるとのことです。また、国公立大学への併願受験も可能です。なお、現在、中央大学には8学部が設置されていますが、2026年4月に理工学部が基幹理工学部・社会理工学部・先進し工学部の3学部に再編成されます。2027年4月にはスポーツ情報学部(仮称・設置構想中)と情報農学部(仮称・設置構想中)が新設予定で、全12学部になる構想です。

 次に、広報部長の内田大貴先生から入試についての説明がありました。中学入試は2月1日午前と2日午後に実施されます。内田先生は「2日午後の受験者数は1日午前に比べて非常に多くなっていますが、体力的・精神的な負担が大きくなるため、お子さまの健康面には十分ご配慮ください。本校の入試では難問・奇問は出題されませんので、基礎・基本をしっかりと固めることが大切です」とアドバイスを送りました。続けて、「先ほどご覧いただいたように、本校にはガラス張りの職員室、図書室、自習室など、他者とコミュニケーションを取りながら学習できる環境が整っています。まさに校訓である『謝恩礼節』『自立実践』を実現できる学校設計となっているのです」と力強く語り、説明会を締めくくりました。

イメージ写真 横浜市営地下鉄「センター北」駅より徒歩7分。明るく開放的な校舎の廊下には総合学習コーナーが設けられ、生徒たちは自習だけでなく憩いの場としても利用しています

www.yokohama-js.chuo-u.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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