受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

二松学舎大学附属柏中学校

2025年6月14日(土)

「仁愛」「正義」「誠実」の精神の下、自問自答しながら学力と人間力の向上をめざす

 二松学舎大学附属柏中学校・高等学校は、1877年に漢学者・三島中洲が創設した漢学塾「二松学舎」を母体とする共学校です。1969年に二松学舎大学附属沼南高等学校として開校し、2011年に中学校を併設する際に現校名に改称しました。「論語教育」を軸にした「人間力の向上」と、「探究教育」を軸にした「学力の向上」を教育の2本柱として、「21世紀の荒波を乗り越え、社会に貢献できる人材の育成」をめざしています。

 オンラインで開催されたこの日の説明会では、入試広報部の土屋圭司先生が教育内容について説明しました。「論語教育」については、中1で儒教の経典「論語」の素読・暗唱に取り組み、高校ではオリジナルテキストを使用して漢文を学びます。学年の終わりには論語の検定試験も実施しています。土屋先生は「本校の校訓である『仁愛』『正義』『誠実』の精神も、論語の教えに由来するものです」と話します。

 総合探究コースとグローバル探究コースで共通して行われる探究教育は「学習支援プログラム」「自問自答プログラム」「進路支援プログラム」の三つで構成されます。このうち「学習支援プログラム」の一つに、日々の家庭学習ノート「365ノート」があります。土屋先生は「生徒が学習に取り組むうえで『今の自分に必要なものは何だろう』といったことを自問しながら主体的に学ぶ姿勢を育てるのが狙いです。『365ノート』は定期的に担任、または学年の教員に提出して、教員はアドバイスなどのコメントを書いて生徒に戻します。これを繰り返しながら、生徒は学習習慣を身につけていきます」と説明しました。また、その日の予定、時間割、持ち物、感想などを書くスケジュール帳「能率手帳スコラライト」を活用し、自分の現状を客観視する力も身につけていくそうです。

 「自問自答プログラム」の一環として、各学年でさまざまな体験学習の機会があるのも特徴です。中1では「地域を知る」をテーマに、キャンパスの近くにある手賀沼の環境や歴史を学ぶ「沼の教室」、田植え・稲刈りを体験する「田んぼの教室」などを行います。中2では「日本を知る」をテーマに、京都・奈良に行く「古都の教室」と、東京で歴史・文化・テクノロジーを学ぶ「都市の教室」、そして中3ではプログラムの集大成としてグアムで異文化を体験する「世界の教室」があります。土屋先生は「自身が何かを考えるときに、さらに広い視野に立って物事を考えられるようになってほしい」と、プログラムに込められた思いを語ります。このようなさまざまな体験を通して、生徒は自分自身で課題を発見し、調査・実験を行い、最終的には8000字の探究論文「自問自答」を執筆します。このほか、二者面談、三者面談、進路の話に特化した進路保護者会の実施など、「進路支援プログラム」も充実しています。

 中学は「グローバル探究コース」と「総合探究コース」に分かれますが、前者では「Be a Change maker(変革者たれ)」をスローガンに掲げ、真の国際人を養成する四つのプログラムを実施しています。「OUR ACTION PROGRAM(私たちの行動実践プログラム)」は、週2回、7時限にSDGsを題材に探究活動に取り組む「グローバル」の授業を行うものです。社会で困っている人を想定して、それに対して自分ができる解決策を考えます。「SPECIAL LEARNING PROGRAM(特別体験プログラム)」では、相手に寄り添う考え方や行動を学ぶコミュニケーションワークショップなどを実施します。「INTENSIVE ENGLISH PROGRAM(短期英語力強化プログラム)」は海外研修プログラムに向けた英語の集中講座であり、今年度からは新たに安心して海外研修に参加するための事前学習「SEP(Summer English Program)」と、帰国後に英語学習のモチベーションを維持するための事後学習「WEP(Winter English Program)」を実施します。そして、習得した英語を実際に使うための「STUDY ABROAD PROGRAM(海外研修プログラム)」として、福島県のブリティッシュヒルズでの研修(中1)、オーストラリア研修(中2・3)、カナダ研修(中2・3)などが行われています。

イメージ写真 生徒の9割が無料のスクールバスを利用しています。柏駅・我孫子駅・新柏駅からのルートのほかに、複数の北総鉄道の駅を回る「北総ルート」や「新鎌ヶ谷ルート」もあります

nishogakusha-kashiwa.ed.jp 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ