受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

横浜雙葉中学校

2025年6月17日(火)

豊かな体験活動と基礎学習を重視した教育で、人とかかわり、世界をつなぐ生徒を育てる

 横浜雙葉中学高等学校は、1900年にフランスの修道会「幼きイエス会」のシスターたちによって設立されたカトリックの女子校です。今年創立125周年を迎える同校では、「徳においては純真に 義務においては堅実に」の校訓の下、「人と未来、世界をつなぐ生き方」を大切に、教育活動を行っています。

 この日の学校説明会の冒頭、教頭の佐藤亙先生は「本校では、キリスト教的価値観に基づき、『豊かな体験』と『徹底的な基礎学習』を二つの柱として大切にしています」と述べました。さらに、隣接するサン・モール・インターナショナルスクールや、シンガポール、マレーシアにある姉妹校との交流、夏休みに開催される「カンボジアスタディーツアー」、アメリカのスミス・カレッジで学ぶ「米国研修」 、高大連携校である上智大学主催の「タイ・スタディツアー」など、国内外で行われるさまざまな国際交流のプログラムについて紹介しました。また、中1・2の生徒にはTGG(TOKYO GLOBAL GATEWAY)での体験学習も実施されているそうです。

 さらに、今年1月より、中3の希望者を対象とする3か月間の「オーストラリア特別研修」が新たにスタートしました。この研修に参加した2名の中3生へのインタビュー動画が上映された後、佐藤先生は「多様な文化が共存するオーストラリアで異なる背景を持った相手を尊重することを学ぶと同時に、その難しさも体感し、大きく成長して帰ってきてくれました。今後は、派遣する生徒数も増やしていきたいと考えています」と語りました。

 続いて、学習面に関する説明がありました。海外での体験の基盤となる英語教育は、ネイティブ教員4名を含む20名体制でていねいに行われており、生徒たちは4技能を高いレベルで身につけています。中学の理科については、反転授業などの多様な授業形態がとられているのが特徴です。一人ひとりに配信された映像をそれぞれ自宅で視聴したうえで、授業では実験や観察を通して理解の定着を図ったり、ICTを活用したレポート作成に取り組んだりしています。また、中3の社会では、最近話題の「トランプ関税」を題材にしました。高1の音楽選択ではTHE BOOMの「島唄」を取り上げて沖縄戦や沖縄の社会的な背景にも目を向けるなど、各教科で工夫を凝らした授業が展開されているそうです。

 中学では、極端な先取り学習は行わず、バランスを重視したカリキュラムを組んでいます。英語と数学では中3から習熟度別に授業を行います。指名制の補習などの学習フォローも充実させています。佐藤先生は「幅広い進路に対応するため、高校では多様な講習・講座を開講しています。特に高2・3では選択科目が豊富です」と話しました。

 キャリア教育については、「生徒自身の希望を学校がサポートする」というスタンスが基本です。卒業生による講演会や特別講義、外部講師による特別講座など、進路を考える機会を数多く設け、高大連携プログラムも整えています。また、同校では総合学習や探究活動を6年間の統一テーマに基づいて進めていますが、人間の生き方や自分自身の独自性を考えることになり、まさにそれがキャリア教育となっています。学年が進むにつれて段階的に探究を深めていき、その成果を高3でまとめ、大学の総合型選抜に生かす生徒もいます。

 このほか、佐藤先生は在校生が卒業生にメッセージを送る様子や、卒業時に生徒から教員に手作りのプレゼントが贈られたエピソードを紹介し、生徒たちが互いを「つなぐ」人として、学園のなかで優しく伸びやかに成長していることを伝えました。

 最後に、校長の木下庸子先生が登壇。部活動をきっかけに自分の学びたいことを見つけたという高3の生徒について触れ、「中高時代は将来を決める大切な時期です。お子さまがご自身にとって『最も良い学校』と出合えるよう、心から応援しています」と、会場の保護者に向けて温かいことばを送りました。

イメージ写真 緑あふれる横浜山手の丘にたたずむキャンパス。2026年度は2月1日が日曜日に当たりますが、中学の一般入試は、例年どおり2月1日(1期)、2日(2期)の日程で実施する予定です

www.yokohamafutaba.ed.jp/highsch/ 別ウィンドウが開きます。

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