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学校説明会レポート
函館ラ・サール中学校
2025年7月3日(木)
50人部屋の寮生活を通して「社会人に求められるコミュニケーション力」と「一生の友人」を得る
函館ラ・サール学園は、フランスに生まれ、現在はローマに本部を置くラ・サール修道会によって設立されたカトリック・ミッションスクールです。1960年に高校が、1999年に中学校が開校しました。寮を持つ道内有数の進学校であり、全国から男子生徒が集まっています。
この日の説明会には、理事長代理の井上治先生が登壇しました。冒頭で、井上先生は現代の親子関係の変化、特に親の過干渉やレールを敷きすぎる傾向について懸念を示し、「親が子どもの将来を思う気持ちは昔も今も同じですが、現代の親はレールを敷きすぎており、それが子どもの自立の芽を摘んでいます」と指摘しました。井上先生は、27年前の中1生と比較して、現代の子どもたちは幼さが目立つようになってきたとも感じているそうです。
そのうえで、寮生活の教育的意義について説明しました。現代では、高い学力だけではなく、社会に出てから必要とされる力も重視されるようになっています。企業もどの大学を卒業したかではなく、そこで何を学び、どのような経験を積んだかを重視するようになりました。そうした力を養ううえで寮生活は大きな意味を持つと言います。
また、井上先生は生徒指導の経験から、子どもが問題を起こした際に、表面的な反省ではなく、本当の反省を促すことの重要性や、親子関係の在り方についても言及しました。親子関係の改善策としては「子どもを寮に出す」ことを提案し、「親元を離れれば新しい親子関係の構築ができます」と述べました。寮には学校の思想や教育方針が色濃く表れ、「寮生の比率」「全国区性(遠くから来ている生徒の割合)」「生活形態」の三つの尺度が特色を見極める際の参考になるとのことです。同校には日本各地から入学者が集まり、全校生徒に占める寮生の割合は約70%に上ります。なかでも東京・大阪・名古屋からの入学者は全体の過半数を占め、関東からは毎年30人近くが入学しています。
「生活形態」については、「三つの尺度のうち、生徒に対しての影響が最も大きい」と述べ、「本校の寮は、50人の生徒が大部屋で一緒に生活するという、全国で唯一の特異な環境です。異なる地域文化や多様な性格・価値観を持つ生徒たちが、日常的に触れ合いながら生活します。個室や2人部屋とは次元の異なる深く広い人間関係を体験し、異なる個性の受容によって自然と広い視野が養われていきます」と続けました。もちろん、思春期の男子生徒が大勢で一緒に生活すれば、毎日いろいろなことが起こります。時には衝突やトラブルもありますが、「そうした経験を通して、現代社会で求められる人間関係力やコミュニケーション能力が培われていくのです」と井上先生は話します。
寮内ではスマートフォンも使えず自由は限られますが、だからこそ濃密な人間関係が生まれ、一生の友だちができるそうです。卒業生の多くが、「函館ラ・サールで得た最大の財産は、寮生活での経験だった」と振り返ります。井上先生は「人間関係力を育む学校として、全国でも高い評価を得ています」と胸を張りました。
最後に、2026年度の入試について、「追加合格は第一志望者から選ばれる可能性が高い」「第二次試験の追加合格は一次と二次の合計点で決めるため、一次試験も受けておくことが望ましい」といったアドバイスがありました。
グラウンドは広大で、野球、サッカー、ラグビー、テニスが同時に行えます。現在は人工芝になったグラウンドで活動するラグビー部をはじめ、全国大会に出場するクラブも多数あります
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