受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

フェリス女学院中学校

2025年7月2日(水)

“For Others”の理念に基づき
多彩な教育プログラムを実践

 フェリス女学院中学校・高等学校は、アメリカ人の宣教師メアリー・E・キダーによって1870年に設立された私塾を起源としています。「A BRAVE PIONEER(勇敢な先駆者)」と呼ばれる創立者の精神を受け継ぎ、キリスト教の教えを土台に、時代の変化に応じた改革に取り組んでいます。

 横浜・はまぎんホールで開催されたこの日の説明会は、サピックス教育事業本部本部長の広野雅明先生による入試分析から始まりました。4回の合格力判定サピックスオープンの平均偏差値をもとに、「中間より少し上の成績であれば、高い合格可能性が見込まれます」と述べました。入試については「書かせる問題が非常に多いので、秋以降は過去問を解いて提出するなど、対策を進めてください」とのことです。

 続いて登壇した校長の阿部素子先生は、同校の理念である“For Others”(他人のために)を軸にしたさまざまな活動のうち、平和教育とグローバル教育について説明しました。「今年の『地歴公民科講演会』では、2024年にノーベル平和賞を受賞した日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)の方をお招きし、高校生平和大使を務める高3の生徒も登壇する講演を企画しました」と述べ、講演後に活発な質疑応答が交わされたことを紹介しました。高1生全員が参加し、核や平和について学ぶ「広島研修旅行」での体験も、同校の平和教育において大きな役割を担っています。

 グローバル教育のプログラムとしては、中2の「Tokyo Global Gateway」での体験学習などに加えて、今年度から希望者を対象としたオーストラリア研修(中3)とシンガポール研修(高1・2)もスタートします。また、各国から招いたゲストによる講演会も開催されています。阿部先生は、昨年、イスラエル人の映画監督からパレスチナの現状について直接話を聞く機会があったことに触れ、「こうした貴重な経験を通して、生徒たちは異文化に触れ、世界への視野を広げていきます」と語りました。

リベラルアーツと教科教育を礎に
思考を深める探究的な学びを推進

 次に入試広報部長の近藤華子先生から、創立以来大切にしている「リベラルアーツ(教養主義)」と「学問の尊重」に関する詳しい説明がありました。同校では、「自分の頭で思考する」ことを学びの中心に据え、幅広い分野を深く学ぶ授業を展開しています。近藤先生は、今年度改訂されたカリキュラムについて、「最も大きな特徴は、『探究の推進』です。中1・2では探究の基礎を学び、中3では企業からのミッションに取り組みます。そして、高1では自分の関心のあるテーマを深めていきます。探究活動やキャリア教育での中高大連携も、今後さらに積極的に進めていきたいと考えています」と話しました。グループでの協働的な学びを支える新たな特別教室を設けるなどして、中1の段階から探究スキルを育む環境もしっかりと整えています。

イメージ写真 中学生を対象に大学生メンターが常駐する放課後の自習室が開設され、自律した学習のためのサポート体制が一層充実しました

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