受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

大宮開成中学校

2025年7月11日(金)

各教科の学習習慣の定着を図り
探究学習や校外学習も充実させる

 1942年に大宮洋裁女学校として設立された大宮開成高等学校は、2005年に中高一貫部を開設しました。あいさつに立った校長の松﨑慶喜先生は、教育で特に大切にしている三つの事項を挙げました。

 一つ目は、「入学時以上に伸ばす」です。「入学時に同レベルだった学校に、6年後の進路で差をつけることをめざしてきました」と松﨑先生。そのために、月~金曜は6限まで授業があり、土曜日も通常授業を行います。小テスト(漢字・英単語・計算)や課題提出を毎週繰り返して、学習習慣の定着を図っています。高校では、担任以外の教職員も模試のデータ分析や小論文の指導など、サポートしています。こうしたきめ細かい指導を積み重ねた結果、大学合格実績も好調です。2025年春には、中高一貫部から京都大学、東京科学大学、および国公立大学の医学部医学科にも現役合格者を輩出しました。

 二つ目は「真の生きる力を…」という考え方です。松﨑先生は「成績だけではなく、非認知能力を伸ばすことが重要です」と話します。この理念の下、探究活動やプレゼンテーションに力を入れており、中1では「身近な環境」を、中2では「日本」を、中3では「世界」をテーマに、みずから課題を設定し、調査・発表まで取り組みます。さらに、中3以上を対象とした3か月間のターム留学など、希望制の海外研修も実施しています。

今年度から「NEXT20」をスタート
最難関大学・医学部をめざす

 三つ目は「『NEXT20』の始動」です。これは、中高一貫部の開設20周年を機に始まった新たな取り組みです。その柱の一つが、東大・京大・医学部をめざす「TXクラス」の新設です。現在、中高一貫部の中1~3は、習熟度別に「Tクラス」と「Sクラス」に分かれていますが、中3からは「TXクラス」を含めた3クラス体制に移行します。「TXクラス」は、最上位クラスという位置づけで、現在の中1が中3に進級する際に設置され、最先端の理系人材を育成します。

 生徒のフォローアップも充実しています。たとえば、今年度から中学全学年で導入された「レビュータイム」は、放課後のホームルームで20分間、その日の授業内容を復習する時間です。さらに、「TXクラス」では「中3ハイレベルゼミ」を開設し、東大入試対策にもつながる高難度の問題に挑みます。

 また、同校は「国際平和を理解する15歳を」という目標を掲げ、沖縄の歴史や現状を学ぶ「沖縄国際平和研修」を新たに中3で導入しました。松﨑先生は「米軍基地の敷地が予想以上に広く、飛行機の音も大きく感じたなど、現地を訪れたからこそ得られた気づきや学びがあったようです。このような経験をきっかけに、隣国との関係や世界の課題について知ってほしいと考えています」と力説しました。

イメージ写真 「伸ばすのは“関わり合い”」という教育方針から、自習室や職員室前にはホワイトボードを設置。生徒が教員と気軽に交流できる空間となっています

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