受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

逗子開成中学校

2025年7月11日(金)

探究授業と海洋教育の融合で
「学び取る力」と「主体性」を育む

 逗子開成中学校は、教育者の田邊新之助によって1903年に創立された、神奈川県でも長い歴史を持つ男子進学校です。校名の由来である「開物成務」とは、「人間性を開拓・啓発し、人としての務めを果たす」という意味で、現在も建学の精神として教育の根幹に据えられています。

 この日の説明会では、初めに学校長の小和田亜土先生が登壇し、「主体性の育成」と「協同性の育成」を両輪とする同校の教育について、理念や具体例を交えて解説しました。「主体性は、『みずから考え、判断し、行動する力』を、協同性は、『他者とのかかわりのなかで共に学び、成長する力』を意味し、この二つは切り離せない関係にあります」と述べ、変化の激しい時代に不可欠な要素として両者の重要性を説きました。

 主体性を育成するために、理科では答えを教えず試行錯誤させることを重視し、数学では自由な発想を重視した対話型授業を実践。社会では生徒の問いから始まる探究型授業を取り入れています。「生徒がみずから学ぶ姿勢を培うことをめざしています」とのことで、すべての授業において「教わる学習」から「学び取る学習」への転換を意識しています。

他者と学び合い、挑戦を通して
「協同性」の土台を築く

 続いて広報部の大門先生が、同校が大切にしている「協同性の育成」について説明しました。代表的な取り組みとして紹介されたのは、中1~3にかけて実施する「ヨット製作と帆走実習」および「遠泳」です。どちらも1980年代から続く活動で、協同性や責任感、自然との向き合い方を体験的に学ぶ機会となっています。

 ヨット製作では、生徒が木製ヨットをみずから組み立て、仲間と協力して仕上げていきます。完成したヨットで逗子湾を実際に帆走するという体験を通して達成感を味わい、仲間との絆を深めます。また、遠泳も全員で力を合わせて挑む行事です。単なる泳力向上が目的ではなく、仲間と支え合いながら困難を乗り越える経験そのものに価値があります。こうした活動を通して、「一人では成し得ないことを仲間と共にやり遂げる力」を育てていくのが、同校の教育です。

 入試については、例年どおりの実施となる見込みで、出題傾向や試験科目に大きな変更はありません。「複数回入試に挑戦することで合格の可能性は高まります。第1回で不合格だったとしても、あきらめずに受験を続ける姿勢が重要です」とメッセージが送られました。

イメージ写真 逗子湾のそばに位置する校舎は開放的な雰囲気です。「海洋教育センター」でのヨット製作や合宿を通じて、心身の成長を促します

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