受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

早稲田中学校

2025年7月14日(月)

教育理念に「人格の独立」を掲げ
「誠」「個性」「有為の人材」を育てる

 1895年、大隈重信の教育理念に基づき、坪内逍遙らによって創設された早稲田中学校。国内外に7校ある早稲田大学の附属・系属校のなかでも、最も古い伝統を誇る学校です。

 なかのZERO小ホールで開催された説明会では、初めに高等学校教頭の根本季代子先生が登壇しました。早稲田大学が「学問の独立」を建学の精神としているのに対して、同校では「人格の独立」を掲げています。そして、それを実現するために「誠」「個性」「有為の人材」の三つを育てることを教育目標としています。根本先生は「『誠』は、人間の基本となるべき心の持ち方で、言行一致に基づく誠実さや真心にもつながります。そして、どんな『個性』も尊重し、伸長を促すことで、みずから考えて行動し社会に貢献できる『有為の人材』を育てることを理想としています」と述べました。

 体育大会や興風祭(文化祭)などの学校行事は実行委員が中心となって企画から準備、運営までを一貫して行います。体験を通して学ぶ場も豊富で、中1の鎌倉研修、中3の地学実習など、事後にレポートを作成し、発表するアクティブ・ラーニング型の学びも取り入れています。根本先生は「ミュージカルや歌舞伎の鑑賞会、国技館での大相撲観戦など、“本物に触れる”機会も大切にしています。行事が物見遊山にならないように、事前に文化・伝統の背景をしっかり学ばせています」と語りました。

卒業生の約半数が早大に進学
難関他大学や医学部への合格者も多数

 続いて登壇したのは、中学校教頭の鈴木正徳先生です。同校には30以上のクラブがあり、参加率は90%を超えています。「学校生活は学習が中心ですが、生徒のさまざまな側面にスポットを当てられるのが課外活動です」と話します。

 学習面では、完全一貫教育のカリキュラムの下、先取り授業を実施しており、進度はやや速めです。高2からクラスは文系・理系に分かれますが、習熟度別授業は行わず、あえて多様な生徒が混在する環境をつくっています。文系であっても数学のほか物理・化学を学び、理系でも社会・国語を必修としていることについて、鈴木先生は「バランスよく教養を身につけさせるという本校の教育理念を反映したものです。全教科型の学力が問われる国公立大学受験への強みにもなっています」と述べました。

 また、「高校生のうちから早稲田大学の講義が受けられ、単位を取得すれば、大学進学後にそれが卒業に必要な単位の一部として認められる特別聴講制度もあります。さらに、基幹・先進・創造の各理工学部の実験室で行われる理科実験、高校生を対象とした学部説明会など、大学系属校ならではのメリットを生かしたプログラムが充実しています。

 2025年春の進学実績は、「卒業生302名のうち、早稲田大学に推薦制度を利用して進んだのは146名、慶應義塾大学への指定校推薦が2名でした。154名が一般受験に臨み、24名が東京大学に、7名が京都大学に、15名が国公立大学の医学部医学科に合格。現役進学率は85.7%と高水準です」と説明し、「中高6年間で子どもたちは心身ともに大きく成長し、興味・関心も変わっていきます。そんな子どもたちのあらゆるニーズに応えられるのが本校ならではの環境です」ということばで説明会を締めくくりました。

イメージ写真 興風館にあるラーニングカフェは、隣接する図書館とつないで学習スペースとして利用できます

www.waseda-h.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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