受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

春日部共栄中学校

2025年8月2日(土)

「2期制」「完全5日制」「45分7限制」を採用し、自学自習力を強化

 1980年に高等学校を、2003年に中学校を設立した春日部共栄中学高等学校は、「自主自律」「協調奉仕」「明朗勤勉」を校訓に、グローバル社会で活躍するリーダーの育成に努めています。

 オンライン説明会の冒頭、学校の特色と教育方針について説明したのは、入試担当委員長の遠藤裕先生です。数学を教える遠藤先生は2005年に着任し、現在、中3のクラス担任を務めています。そんな遠藤先生は「これまでに3回、6年間持ち上がりで生徒の指導に当たり、今が4回目です。わたし自身は東京の男子校で学びましたが、非常に良い学校だと感じています」と語ります。

 同校は併設型の中高一貫校で、現在の中学校の生徒数は382名です。各学年に4クラスずつ、計12クラスとなっています。「文武両道」をモットーに、勉強だけではなく部活動や学校行事にも力を入れ、各種検定資格の取得や、生徒が興味・関心を持つ分野の学びを支援しているのが特徴です。2020年度より中間考査を廃止し、各学期の定期考査を期末考査のみとしたのに伴い、学んだことを単元ごとに振り返る「単元テスト」を適宜実施しながら、スパイラル学習のなかで着実な内容理解と定着を図っています。

 また、「2期制」「完全5日制」「45分7限制」を採用し、生徒の自主自立を促して自学自習力の強化にも努めています。遠藤先生は「2期制にして総授業時間がそれまでより増えた一方、放課後や土曜日における部活動などに集中できる環境も整いました。土曜日には外部講師による講演や学習支援を実施しています」と説明しました。なお、部活動は週3日までに限られていますが、テニス部が関東大会出場、水泳部が全国大会出場など各種大会で好成績を収めています。

 続いて、「プログレッシブ政経コース」と「IT医学サイエンスコース」の2コース制について説明がありました。まず、「プログレッシブ政経コース」が育成しているのは、英語を使って国際的なビジネスシーンでリーダーシップを発揮できる人材です。そのため、英語力養成に力を入れるとともに、経済・金融・国際政治・社会・数学を重視したカリキュラムを組んでいます。授業では、大手金融機関や証券取引所で働く企業人や研究者を講師に招き、経済学の基本を学んだうえで「模擬トレード」などのオリジナルのプログラムに取り組みます。また、各国の大使館を訪問するほか、ビブリオバトルや模擬国連などにも積極的に参加して、国際政治やグローバルビジネスの分野で求められる知識と発信力を身につけます。

 一方、高度な数学力を養い、各専門分野の研究者や開発者としてリーダーシップを発揮できる人材の育成をめざしているのが「IT医学サイエンスコース」です。基礎的なプログラミング言語を習得したうえで、中学ではJavaScriptを学び、中3でウェブデザイン技能検定などの資格を取得するのが目標です。高校ではPythonを用いて実践的な学習に入ります。理科では実験・研究の機会を豊富に設け、生徒の興味・関心を引き出します。医歯薬系をめざす生徒を対象とした「メディカル論文講習」のほか、高1では「K-BRIDGEプロジェクト」を実施し、企業や大学、メンターなどの指導の下、探究活動を行っています。

 このほか、遠藤先生は同校の教育コンセプトとして「体験重視」「人格形成」「学習習慣の定着」の三つを紹介しました。証券取引所や企業の見学など、実際の職場で学ぶ機会を多くしているのは「体験重視」の表れです。また、単に規則やルールを順守させるのではなく、教員・生徒・保護者の三者の信頼関係を通じて「人格形成」を促します。面談も年間5回以上実施して、生徒の状況を早期に把握しているそうです。そして、中1から「きろっくま」というスケジュール管理ノートを使って日々の学習計画や課題を管理させ、自己肯定感と自学自習力を高めるのが「学習習慣の定着」です。さらに、補習やハイレベル講習を行い、学力の維持・向上を図ります。

 最後に、遠藤先生は「本校では、未来を見据えた教育と生徒の主体的な学びを重視しています。興味を持たれたら、ぜひ、ご自身の目で充実した環境をご覧ください」と述べ、説明会を締めくくりました。

イメージ写真 同校OBで、建築家の田中俊行氏が設計した中学棟をはじめ、アリーナ、柔道場、講演室などさまざまな施設・設備が整っています

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