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学校説明会レポート
成蹊中学校
2025年9月20日(土)
本物に触れる体験を通して、未来を切り拓く感性を養う
1912年に創立された成蹊学園は、創立者・中村春二の「知育偏重ではなく、人格、学問、心身にバランスの取れた人間教育を実践したい」という理念を、100年以上にわたり受け継いできた伝統ある学園です。この日の説明会では、最初に、校長の仙田直人先生が「本校の教育の根底には、幅広い知識と教養を身につけるリベラルアーツの精神が息づいています」と語りました。そして、「本物に触れながら幅広く学ぶなかで、一人ひとりが、みずからの心の琴線に触れるものを見つけていきます。それが、子どもたち自身の可能性を広げることにつながるのです」と述べました。
緑豊かなキャンパスでは、動植物の観察、専門機材を使った実験、前庭でのフィールドワークなど、体験を通じた学びの機会がたくさんあります。一方で、AIが普及し、解答のないこれからの社会でしっかり活躍できるよう、0から1を生み出す「0 to 1(ゼロトゥワン)」の発想力や、非認知能力を育てる探究学習にも力を入れています。地元・吉祥寺やタイ・バンコクの街を自分たちで巡り地域振興プランを考えるプロジェクト、企業と協働してマーケティングから商品開発・販売までを体験する探究プログラムなどを通じて、生徒たちは社会の課題を見つけ、その先の解決策まで考え、成長していきます。
同校のもう一つの大きな特徴は、長い歴史を持つ国際理解教育です。ネイティブスピーカーの教員による英語の授業を通じた異文化理解だけでなく、国際社会を読み解くための近現代史にも力を入れています。1935年に、他校に先駆けて帰国生を受け入れる国際学級を創設して以来、長期の交換留学や学期単位のターム留学、英国・ケンブリッジ大学への短期研修など、10以上の多彩な留学プログラムや国内での語学研修、交流事業を積極的に展開してきました。
一方、仙田先生は、ほぼ1年をかけて高2生全員と個別面談を行っています。生徒一人ひとりの声に耳を傾け、学校運営や教育内容の方向性が正しいかどうかを確認するためです。「コストパフォーマンスは悪いかもしれませんが、生徒の視点を大切にし、現場の声を教育に反映させることが、本校の理念の実践に結びつくからです」と語りました。
大学進学については、入試部長の濱村愛先生が説明しました。同校には成蹊大学への内部推薦制度があり、高校での成績と出席状況が基準を満たせば資格を得られます。濱村先生によれば「内部進学資格を持つ生徒は全体の8~9割に上りますが、実際に進学するのは卒業生の約3割で、それ以外は他大学への進学を選択しています」とのことです。また、成績上位者には「内推併願制度」があり、内部推薦資格を保持しながら外部受験にも挑戦できる仕組みが整っています。今春は早慶上理への進学者が多く、また、医歯薬系の学部・学科への進学者が増えています。
このように多様な進路選択が実践できているのは、成蹊大学との高大連携講座をはじめ、他大学教員による模擬授業、海外大学や大学院に進んだ卒業生による講演会・相談会など、幅広い選択肢のなかから自分の進路を考える機会が豊富にあるからです。そのため、濱村先生は「どの生徒の進路選択も正解だと自信を持って言えます」と話します。多様化する生徒の希望進路に対応するため、高3では19ものコースが設定されています。
最後に、入試について濱村先生から「本校の入試は記述問題が少なくありません。わからなくとも、空欄にせず、何か書いてみましょう。部分点が取れる可能性があります。最後まであきらめないで取り組んでください」とのアドバイスがありました。
情報教育の拡充を図る同校のホームルーム棟の各教室には、IT環境が整備されています。また、特別教室棟・理科館・造形館などの専門施設が、体験を通じた深い学びを支えています
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