受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

福島成蹊中学校

2025年10月15日(水)

6年後を見据えた中高一貫のカリキュラムで、最難関大学への進学を実現

 「心を育み、叡智(えいち)を究める」を教育理念に掲げる福島成蹊中学校・高等学校は、福島県福島市にキャンパスを構える併設型の中高一貫校です。1913年に福島成蹊女学校として創設され、2004年の共学化に伴い、福島成蹊高等学校に改称されました。2009年には中学校を開校し、新たな歩みを始めました。中高一貫コースの生徒は、高校からの入学生とは別キャンパスで、一人ひとりの可能性を大きく伸ばす6年間を通したプログラムによる教育を受けます。

 この日のオンライン説明会で、教頭の上埜健太先生は、「本校の魅力は、小規模校でありながら、高い大学進学実績を挙げていることです」と話を切り出しました。実際、2025年春は、卒業した中高一貫生のうち、東京大学理科二類と理科三類に各1名、京都大学と一橋大学に各1名、慶應義塾大学医学部に2名が合格するなど、最難関の国公立大学や医学部医学科に合格者を出しています。

 続いて、上埜先生は、大学受験を見据えた同校の学習プログラムについて紹介しました。自学自習を重視し、中1から毎日50~90分の自習・補講・補習・質問対応の時間を確保しているとのことです。部活動は月・火・金曜の週3日で、土日は活動がないなど、学習との両立を図る環境を整えているのも、県内の他校ではあまり見られない特徴です。一方で、読書推進プログラムとして、大学入試に頻出する作家の作品など、教員が選定した100冊の推奨図書を読む朝読書の時間が設けられています。上埜先生は「英語と数学では先取り学習を導入しています。特に数学については、高1終了までに大学入試レベルまで学習するカリキュラムを組んでいます。こうした教育システムが、難関大学への合格実績を支えているのです」と強調しました。

 授業では、教員が作成したオリジナルテキストを活用しています。予備校講師を兼務する教員による質の高い指導も行われています。その成果は、「東京大学の受験者合格率55%」「東北大学の受験者合格率100%」「直近5年間の国公立大学合格率85%」という数値にも表れています。なお、福島県立医科大学医学部医学科には、県内の高校卒業者を対象とした学校推薦型選抜の推薦枠が11名分あります。医学部志望者にとって大きなメリットといえるでしょう。

 次に、2025年度から始まった東京会場での入試について、主幹教諭の石澤直樹先生が詳しく説明しました。2026年度は、1月7日午前に「4科」入試を、1月8日午後に新設の「医・特(東大・医学部『志』特待生)」入試を、いずれも「イオンコンパス東京八重洲会議室」で実施します。合否の判定は絶対評価で行われ、4科入試の合格ラインは正答率40~45%とし、昨年度より低めに設定するそうです。「医・特」入試は算数・理科の2科目で、成績上位者のうち若干名に1年間の授業料免除の権利が付与されます。石澤先生は「本校は『最も選ばれる地方の併願校をめざして』を入試のコンセプトとしており、他校の入試日程も考慮して受験の実施日時を決めています。入試翌日には合否結果とともに、大問ごとの得点やコメント、受験者平均点などを記載した成績表をメールで送付します。このほか、受験当日に視聴できる算数の解説動画も用意し、次の入試にすぐ生かせるようにしています」と話しました。なお7日と8日の試験を同時出願する場合は、受験料が4万円から3万円に減額されます。また、合格後は納入金の半額を納めれば、2月6日まで入学手続きを延長できる延滞制度もあります。

 一方、遠隔地から通学する生徒には、毎月最大2万円の交通費補助があります。また、専属スタッフが24時間常駐する指定提携寮も完備され、寮生には月2万円の寮費補助が支給されるそうです。

イメージ写真 豊かな自然を生かした体験学習も充実しています。尾瀬学習・燧ケ岳(ひうちがたけ)登山や臨海教室、スキー教室など、中1では宿泊を伴う行事が数多く行われます

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