受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

湘南学園中学校

2025年10月29日(水)

創立当初から「湘南学園ESD」に取り組み、持続可能な社会の創り手を育成

 神奈川県藤沢市にある湘南学園の創設は1933年のことです。「子どもたちに豊かな教育を受けさせたい」と願う地元・鵠沼の有志によって、最初に幼稚園と小学校が誕生しました。その後、中学校は1947年に中学校に、高等学校は1950年にそれぞれ設立されました。それ以来、「個性豊かにして身体健全 気品高く 社会の進歩に貢献できる 明朗有為な実力のある人間の育成」という建学の精神の下、生徒の個性と主体性を尊重した教育を展開しています。

 この日の説明会では、中学・高校の校長である伊藤眞哉先生があいさつに立ち、同校が推進する「湘南学園ESD」について説明しました。ESDとは「Education for Sustainable Development」の略で、現代社会におけるさまざまな課題をみずからの問題としてとらえ、持続可能な社会の実現をめざす人材を育てる教育のことです。同校では「持続可能な社会の創り手」の育成につながるすべての教育活動を「湘南学園ESD」と位置づけています。そして、その軸に据えているのが、30年以上前から力を入れている総合学習です。これは、中高6年間の生徒の発達段階を考慮した多様なテーマを設定し、人間の生き方やものの見方・考え方、文化との出合いを通じて認識を深め、行動を豊かにしていくことをめざす、人格形成のためのプログラムです。

 中1では「自他の理解と尊重」をテーマにクラスで話し合い、自分も他者もかけがえのない存在であるという認識を培います。中2では「身近な地域を知る」をテーマに、さまざまな個性や持ち味を持つ人々が協力し合って成り立っている「湘南という身近な地域」に目を向けます。中3では海外研修旅行に全員で参加するなど、自分とは異なる地域に住む人々のものの見方や考え方に触れ、「持続可能な未来」について考える土台を育てていきます。さらに高校では、日本や地球全体の課題に目を向け、最終学年の高3では、自分が望む未来について、保護者や卒業生に向けてプレゼンテーションを行います。伊藤先生は「最初は『自分と他者』というベーシックな部分から始まり、徐々に視野を広げて、生徒が地域全体、社会全体、そして世界、最終的にはみずからの未来を考えられるようにとの願いを込めて、36年間続けているのが本校の総合学習です」と胸を張りました。

 続いて、サピックス大船校OBで、現在高2のMさんが登壇し、「目標に向かってまっすぐ進める湘南学園」と題したプレゼンテーションを行いました。Mさんは2月4日のD日程で同校を受験し、実質倍率8倍超という狭き門を突破して入学した生徒です。現在はサッカー部で活動する一方、委員会活動にも積極的に参加し、充実した学校生活を送っています。そして、「湘南学園は仲間と協力して、目標にまっすぐ向き合える学校です。中学受験のころは消極的で、ネガティブなことを考えることもありましたが、湘南学園でさまざまな体験をするなかで、いろいろなことにトライする前向きな人間になれました。入学して本当によかったと思っています」と笑顔で語ってくれました。

 最後に、2026年度入試について、入試広報主任の岩田英司先生から説明がありました。2月1日午後に実施される「湘南学園ESD入試」の受験者はこれまでと同様、「小学校時代に取り組んだこと」と「湘南学園に入学したら挑戦したいこと」について、本人が90秒以内で語る様子を収めた動画を指定の動画プラットフォームに事前にアップロードする必要があります。2026年度の締め切りは1月28日12時です。詳細は学校ホームページに掲載されている最新の募集要項をご確認ください。

イメージ写真 NPO法人「湘南食育ラボ」によって運営されているカフェテリアでは、地元の食材を取り入れた手作りのランチを提供しています

www.shogak.ac.jp/highschool/ 別ウィンドウが開きます。

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