受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

洛星中学校

2025年9月15日(月・祝)

カトリック精神に基づく全人教育で
「心・頭・体」をバランスよく育てる

 歴史と緑が息づく京都市街地の北部にある洛星中学校・高等学校は、カトリックの精神に基づく全人教育を柱とする中高一貫の男子進学校です。1951年の創立以来、「心・頭・体」の調和を重んじ、社会に貢献する有為な人物を数多く輩出してきました。

 この日、説明を担当した副校長の藤原義久先生も卒業生の一人です。大学卒業後、教員として母校に戻り、長年にわたって生徒と向き合ってきました。「生徒たちは自由で伸びやかな校風の下、行事やクラブ活動に思い切り取り組んでいます。6年間で培われた友情は卒業後も続き、強い縦のつながりがさらなる成長を支えています」と語ります。

 学校生活を彩る代表的な行事の一つが文化祭です。生徒主体で企画・運営され、3日間にわたって合唱・演劇・展示など多彩な発表が行われます。また、クリスマス・タブローも全校を挙げて取り組む伝統行事で、中1生はキャストや聖歌隊として参加。上級生は照明・音響・大道具など裏方を担当します。劇のようでありながら祈りとしての意味を持つ特別な行事で、「感動して涙を流される保護者の方も多い」とのことです。

 このほか、中1の宿泊研修(滋賀・高島市)では農作業や漁業体験を通じて自然と触れ合い、中3では長崎を訪れて平和と信仰について学びます。高1の東京研修では卒業生の案内の下、省庁や企業を訪問。高2では北海道研修が行われるなど、学年ごとに多彩な学びの機会が設けられています。

行ける大学ではなく行きたい大学へ
生徒の希望を最優先した進路指導

 授業は1コマ45分で、効率的に学習を進めつつ放課後の活動時間も確保しています。高1までは全員が同じカリキュラムで学び、高2から文系・理系に分かれます。「教師が生徒をガチガチに縛るのではなく、興味を引き出す授業を心がけています。『おもしろそうだな』という感覚が、次の学びにつながるのです」と藤原先生。放課後は30以上のクラブが活発に活動し、生徒たちは自由な雰囲気のなかで好きなことに没頭しています。

 進路指導では、「行ける大学ではなく、行きたい大学をめざす」という基本方針の下、生徒自身が目標を定め、その実現に向けて努力する姿勢を大切にしています。高3の進路希望は文系が約60名、理系が約150名(そのうち50名ほどが医学部)で、地元の京都大学を志す生徒が多いのも特色です。

 2026年度の中学入試は、例年どおり前期・後期の2回実施されます。2024年度に募集定員を前期165名・後期35名の計200名に減員して以降、特に後期は厳しい入試が続いています。2025年の合格最低点は前期が440点満点中280点、後期が400点満点中260点とのことです。最後に藤原先生は、「通学時間をものともせず、兵庫県からも6学年合わせて45名ほどが通学しています。思春期をどんな環境で過ごすかはとても大切です。本校では、学びと人間関係の両面で豊かな成長ができます。卒業後も続く友情こそ、何よりの財産になるでしょう」と締めくくりました。

イメージ写真

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