さぴあインタビュー/全国版
早稲田スピリットの下、
知的好奇心をかき立てる
発展的な学びを追究
早稲田大学高等学院中学部 学院長 武沢 護 先生
今年から1人1台の端末を導入
高校での質の高い学習にも対応
正門から続くケヤキ並木
人工芝を張り替えたばかりのセンターグラウンド
正門から続くケヤキ並木
人工芝を張り替えたばかりのセンターグラウンド
広野 話は変わりますが、昨年度は新型コロナウイルスの感染拡大による休校要請がありました。その期間はオンライン授業をされたと思いますが、生徒たちはどんな様子でしたか。
武沢 5月半ばまで休校し、そこからオンライン授業を始めました。早稲田大学の学習支援システムを使えますから、オンライン授業の実施には困りませんし、課題の提出も系統立ててできます。ただ、ふだんからモチベーションが高い生徒はオンライン授業でもしっかり学びますが、そこまでモチベーションが高くない生徒に対して、どうやって興味を持って学習に取り組む姿勢をつくることができるか、そこが課題だと感じました。
髙宮 大学受験がないところで、自宅でどれだけ自発的に勉強できるか。そこが大学受験のある学校のリモート授業と違うところかもしれませんね。
武沢 たとえば理科の実験をオンラインでやろうとすると、見せることしかできません。それで興味・関心が持てるかというと、難しい生徒も出てくると思います。そこは工夫が必要ですね。また、コンピューターを初めて使う生徒が多く、一人ひとりの使っている機種も違うので、個別に対応しきれない部分がありました。そういう経験もあって、今年度からは中学部の生徒全員が1人1台の専用端末を持つことにしました。
広野 それはGIGAスクール構想に沿って、ということですか。
武沢 GIGAスクール構想で推奨されている端末では、スペックが不足します。いろいろな選択肢がありましたが、まず本校での学びにストレスなく使用できるスペックがあるもの、たとえば写真や動画でのプレゼンテーション、数学の解析や統計といった授業でも使える端末を導入しました。以前、政治経済学部からリクエストされたことがあったので、本校では文系・理系を問わず全員が統計を学びます。また高校ではプログラミングが必修です。そうした高校での学びを考え、中学生のうちからキーボードで入力させたいということもあって、タブレットとしても使えるノートパソコンにしました。
髙宮 大学入試に「情報」を入れようという動きがあります。入試科目として、プログラミングで課題解決のようなことをさせるのは難しいので、リテラシーや論理的なものにせざるを得ません。すると高校の「情報」の授業もそれに合わせる必要が出てきます。結局、「入試のための授業」になってしまい、大学や社会で本当に必要なスキルは身につかないわけですよね。
武沢 その意味で、本校では大学入試がない分、大学で学んだり研究したりすることを意識した学習ができます。それは大きなアドバンテージといえます。
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