さぴあインタビュー/全国版
世界での活躍を見据えた
多様な体験を通して
高い目標に向かう力を養う
巣鴨中学校・高等学校 校長 堀内 不二夫 先生
短期留学体験をきっかけに
広がり始めた海外大学への道
校長 堀内 不二夫 先生
西川 貴校にはさまざまな国際教育のプログラムがあります。まず、イギリスのパブリックスクールであるイートン校でのサマースクールがありますね。
堀内 海外研修は、為替の関係で現在、非常に厳しい状況です。個人で行くならまだしも、学校のプログラムとしては費用がとても高額になりました。イートン校とは長く交流を続けていますが、さまざまな事情があって、2023年はイートン校でのサマースクールは中止となり、イギリスやアメリカでの別のプログラムを実施しました。高1生を対象とするターム留学もあり、こちらはイギリス、カナダ、オーストラリアのなかから自分で行き先を選んで、3学期の3か月間、現地校で学びます。イギリスの場合はウェールズ最古の名門校、クライストカレッジ・ブレコン校に通いますが、ブレコン校に留学してそのままカレッジに残り、オックスフォード大学やケンブリッジ大学に進学する道も開けています。
神田 実際に、そうやってオックスフォード大学に進学された方もいますね。彼は高1でイートン校サマースクールに参加し、高2でブレコン校に留学して1年間学び、現地の先生から、オックスフォード大学に合格できる力があるので、残って勉強を続けるよう勧められたそうですね。
堀内 現在も3人が本校を休学して、イギリスのブレコン校に長期留学しています。彼らも恐らくオックスフォード大学かケンブリッジ大学に進学するのだと思います。ブレコン校への留学に際しては、本来なら試験があるのですが、本校の推薦があれば受け入れてもらえます。本校には真面目な生徒が多く、現地でも一生懸命に勉強します。ブレコン校の優秀な生徒たちも勉強熱心ですから、大きな刺激になります。
西川 この時期に海外生活を体験すると、その後の人生の土台になりますね。
堀内 中高6年間で土台がすべてそろうわけではありません。「土台の土台」でしかないわけですが、一通り整えておきたいと思っているものがいくつかあります。一つは、「知識」ではなく「知性」です。次に必要なのが「確固たる意志」です。意志は正確に人に伝えなければなりません。そこで必要になるのが「説明力」です。「肉体的持久力」「精神力」も重要です。また、人間社会は人と人とのつながりでできていますから、「共感力」もなくてはなりません。それには相手が必要です。単なる友ではなく「朋」といえる存在を持ち、そのなかで切磋琢磨していけば互いに伸びていきます。本校の教職員は、そのための“種まき”をしているのだと思っています。
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