虫歯菌は甘いものが大好き
今日、学校で歯科検診があったんだ。歯医者さんが来て、1人ずつ歯を診てくれたよ。でも、検診って、どうして毎年やるの?
歯や口の中の状態をチェックして、問題があれば早く治療をしたほうがいいからだよ。特に小学生は虫歯になりやすいから、きちんと歯磨きができているか、歯医者さんに診てもらうのは大事なことだよ。
どうして小学生は虫歯になりやすいの?
小学校に入ってから中学校に上がるころまでは、子どもの歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)に生え変わる時期だよ。子どもの歯と大人の歯が交ざって生えている時期は、特に汚れがたまりやすいんだ。
なぜ虫歯になるのかな。甘いものを食べると虫歯になるっていうけど、どうしてなの?
まず、虫歯は歯がどんな状態になったものか、知っているかな?
歯に穴が開いて、痛くなるのが虫歯でしょ。
そうだよね。どうしてそうなるかというと、口の中にいる細菌が、糖分を餌にして乳酸という「酸」をつくり出して、その酸が歯を溶かすからなんだ。
歯を溶かすって、なんか怖いね。
口の中にはいろいろな細菌がすんでいて、その一つである「ミュータンス菌」が虫歯を引き起こすんだ。この虫歯菌は甘いものに含まれる糖分が大好きでね。糖分を餌にして「グルカン」というねばねばした物質をつくり、歯にたくさんくっついて塊ができる。これが白い汚れになったものが「プラーク(歯垢)」だよ。虫歯菌はそのプラークの中に糖分を取り込んで「酸」をつくっていくんだ。その酸に接する歯の表面は少しずつ溶かされて、虫歯になっていくんだよ。
痛くなくても虫歯は進んでいる!?
歯の表面は「エナメル質」というものでできていて、人間の体の中でも最も硬いところなんだ。骨の5倍ぐらい硬いといわれるよ。
だから歯は硬いものでもかめるんだね。それでも、酸がつくと溶けちゃうんだ。
歯医者さんが歯の検査をするとき、「C1」とか「C2」とか言っているのを聞いたことがないかな。これは虫歯の進み具合を指すことばで、「C1」は表面のエナメル質に虫歯ができた状態だよ。まだ痛みはないけど、エナメル質のところに部分的に穴ができているんだ。
痛くなくても虫歯になっているのね。
そうだよ。痛くなれば「虫歯になった」って気づくけど、痛くなくても虫歯になっていることがある。だから検診が大事なんだ。エナメル質より内側にある組織は「象牙質」といって、歯のかなりの部分を占めているよ。ここはエナメル質より柔らかく、酸にも溶けやすいんだ。「C2」は虫歯がこの象牙質まで進んだ段階で、ここまで進むと痛みを感じるよ。象牙質のさらに内側の歯の中心部分には「歯髄」という神経の部分があって、虫歯が歯髄まで達した段階が「C3」。ここまで虫歯が進むと、ずきずき痛むよ。
嫌だなあ。想像しただけで痛くなってくる。
歯は、歯ぐきから外に出ている部分を「歯冠」、歯ぐきの下に埋まっている部分を「歯根」というよ。虫歯をそのままにしておくと、「歯冠」がほとんどなく「歯根」だけになってしまうんだ。この段階が「C4」で、こうなると、もう歯を抜くしかないよ。進行した虫歯を放っておくと、激しく痛むだけじゃなく、腐敗した細菌が血管を通って全身に回り、いろいろな病気を引き起こす危険性もあるからね。
そうなると、歯だけの問題じゃなくなるね。
だから、虫歯は早く見つけて、早く治療したほうがいいんだ。エナメル質の表面が溶け始めて、つやがなくなってきたら要注意。これは「C1」の前の「CO」で、「初期虫歯」といわれる段階だよ。まだ歯の表面に穴はないから、「CO」なら歯磨きの工夫などで元の健康な歯に戻すことができるよ。
やっぱり虫歯を防ぐには歯磨きが大事よね。
お菓子の食べ方にも注意が必要だよ。特に歯にくっつきやすいもの、口の中に長く入れているものは食べ過ぎないようにしてね。だらだら食べ続けるのもよくないよ。おやつは時間を決めて食べて、その後に歯磨きを忘れないようにしよう。
虫歯の進行
保護者の方へ
虫歯は歯科医学的には「う蝕(しょく)」といいます。う蝕は、歯が細菌によって発生した酸で溶けた状態のことです。では、なぜこの状態を「虫歯」と呼ぶのでしょうか。一説には、昔は歯に穴が開くのは、口の中にいる虫が歯を食い荒らすせいだと考えられていたからといわれます。実際、メソポタミアや古代中国の記録に、「虫が歯の血を吸い、歯根をかじる」といった内容が記されています。虫歯菌を虫にたとえれば、当たらずといえども遠からず、といったところでしょう。6月4日は「虫歯予防デー」。この機会に、歯の健康について親子で話し合ってみるのもよいのではないでしょうか。