しょっぱいのは
地球が誕生したころから!?
この前、海に行ったんだ。波が来たときに水が口に入っちゃった。海の水はしょっぱいね。
海の水には塩が入っているんでしょ?
海水の中には、塩分が約3.5%含まれているよ。つまり500mL入りのペットボトルの水に、だいたい大さじ1杯(約15g)の塩を入れたぐらいの濃さだよ。
そんなにたくさんの塩が含まれているんだ。
塩分のほとんどは「塩化ナトリウム」だけど、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化カリウムなども含まれているよ。ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウムなどは、「ミネラル」または「無機質」といって、骨や血などをつくったり、体の調子を整えたりするのに役立つ、栄養の素のようなものだよ。
どうして海の水にはそういうものが含まれているの?
それは地球が誕生したころのことと関係しているよ。地球が誕生したのはおよそ46億年前。そのころの地球は熱いマグマに覆われていて、火山活動も活発で、地球全体が溶岩のかたまりみたいなものだったんだ。だから、最初は海はなかったけど、時間がたって、だんだん温度が下がって雨が降るようになると、水がたまり、やがて海ができたんだ。
海の水がしょっぱい原因って、そんな時代の話なの?
そうだよ。今と違って、そのころの空気には、火山から噴き出した塩素ガスなどが多く含まれていたんだ。雨や海の水にもそうした物質が含まれていて、それが岩石を溶かす性質を持っていたので、岩石からいろいろなものが水に溶け出したんだ。ナトリウムもその一つ。ナトリウムが塩素と結びついて塩化ナトリウムができ、海の中に溶け出していったんだよ。
だから、海の水には塩が多く含まれるのね。
深い海の底には熱水が噴き出す場所が今でもあるけど、大昔の地球にはそういう場所がもっとたくさんあった。そこでも岩石の成分が溶け出して、塩化ナトリウムなどができていったんだよ。
じゃあ、ずっと昔から海水はしょっぱかったってことなのね。
海水がいつごろ、今と同じくらいしょっぱくなったかについては、いろいろな説があって、はっきりしていないよ。でも、何億年も前の話であることは間違いないよ。
川の水がしょっぱくないのはなぜ?
川はどうなの?川は海とつながっているのにしょっぱくないよね。どうしてなの?
川の水はもともと、山や森に降った雨や雪解け水だよ。それがたまって、流れて海に注いでいるんだよね。じゃあ、その雨のもとって何だと思う?
雨のもと?雨は空から降るけど、空のどこから来るんだろう。
雨も、もともとは海の水だよ。海水が太陽の熱で温められて蒸発すると、それがどんどん上空に上がって雲をつくり、雨を降らせるんだ。水蒸気は、水が気体になったもの。目には見えないけど、湿気として感じるよね。海水が蒸発するときには水だけが蒸発して、海水に溶けている塩分はそのまま海に残るんだ。だから、水蒸気はしょっぱくないし、雨もしょっぱくない。
だから、川の水はしょっぱくないんだね。
川が流れるときに、地上の岩や土の成分が水に溶け出すことはあるよ。でも、それはごく少量だし、川には常に新たに降った雨が流れ込んでいるから、何かの成分がたまって濃くなることはない。海の水は大量にあって、そこには大昔から塩分がたまり続けているから、しょっぱいんだよ。海の水は常に蒸発していて、それが上空に上がって雲をつくり、雨を降らせ、川になって、また海に流れてくる。それを何億年もの間、繰り返しているんだ。
海があるから、雨が降って川が流れる。なんか海ってすごいね。
そうだよ。塩が含まれているとはいっても、海の水はただの食塩水とは違うよ。塩化ナトリウムだけじゃなく、海には誕生したときからいろいろな物質が溶け出しているんだ。だからこそ、「生命は海から誕生した」といわれるんだよ。
海の水と川の水
保護者の方へ
塩はわたしたちの健康に重要な役割を果たしています。人間の体には一定量の塩分が含まれ、細胞と体液の浸透圧を調整したり、筋肉の収縮を助けたりするなど、生命維持のためのさまざまなはたらきをしています。
塩は世界では、岩塩や、海水を天日で乾燥させて作る天日塩(てんぴえん)を原料とした製法が主流ですが、日本には岩塩がなく、年間降水量も多いことから、海水を煮詰めて作るのが一般的です。とはいえ、岩塩も天日塩も、もともとは海水に溶けていた塩が結晶化したもの。塩に代わるものを人工的に作ることはできません。しょっぱい海は、かけがえのない資源なのです。